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【地球上に太陽を生み出す】核融合とは

みなさんは核融合と聞くとどのようなイメージを抱くでしょうか?

核という言葉を聞くとほとんどの日本人は危険なもの、怖いものというイメージを抱くと思います。

しかし実際、核融合は正しく理解されていないだけで、私たちの生活を劇的に良い方向に変えてくれるかもしれないんです。

ということで、今回は核融合発電の導入として、核融合について簡単に紹介したいと思います。


核融合とは

そもそも核融合とは何でしょうか?

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はい、わけわからないですね。。。

もう少し簡単な言葉で言うならば、水素のような小さな原子同士がくっついて少し大きな原子になることですが、これでもわからないですよね~

核融合を理解するためには、初めに原子の構造について理解しておく必要があります。


原子の構造

世の中のすべての物質は原子からできており、その中には原子核というものがあります。そして原子核というものは陽子と中性子という粒でできています。

例えば、原子番号2番のヘリウム(He)は陽子と中性子と電子をそれぞれ2個ずつ持つ元素です。

核融合1

この原子核の中の陽子の数で水素とか炭素とかよくきく物質の種類を分けているんですね。一般的には、水素は陽子が1つ、炭素は陽子が6つといった感じです。

原子の詳しい説明はググってもらうとして、ここでは核融合発電に関係のある所を見ていきましょう。

同位体とは

まず初めに、同位体という存在を知っておく必要があります。高校化学で少しだけ出てくる内容ですね。

同位体というのは、原子核の中にある中性子の数が異なるものです。

陽子が1つの場合は、中性子が何個あっても水素と呼びます。
私たちが普段目にする水は陽子1、中性子1の水素からできている水です。

核融合2

一方で、存在割合が極端に少なくなりますが、陽子が1に対して中性子が1個ある重水素、中性子が2個ある三重水素というものもあります。重水素はぎりぎり自然界に存在しますが、三重水素はほとんどありません。


ようやく核融合

ここで、重水素と貴重な三重水素をぶつけてみましょう。特別な核融合装置の中でぶつけると陽子の数が変わってヘリウムと中性子になります。

核融合3

核融合とはこの反応に限った話ではありませんが、ここでは核融合発電の導入としての理論を紹介したいので、このまま核融合発電における核融合反応についてみていきましょう。

核融合発電では、2種類の水素がヘリウムと中性子になる際に、質量を失って放出するエネルギーを利用します。

しかし、ここで大きな問題を一つ置き去りにいしています。三重水素は自然界にほとんど存在しない点です。そこで、科学者たちは三重水素を効率的に作り出す方法を考えました。

先ほど2種類の水素をぶつけると中性子ができると書きましたが、この中性子を、リチウムという金属にぶつけます。(リチウムは陽子3個、中性子3個持っています。)

核融合4

リチウムは中性子がぶつかると分裂し、三重水素とヘリウムになります。こうして貴重な三重水素を再生産することができました。

この三重水素を回収して、再度重水素と融合させてやるというわけです。これで効率的なサイクルを回すことができるようになりましたね。

これが核融合発電の基本的な原理になります。

最後に

今回は原子の作りから核融合発電の基本的な原理まで簡単に紹介してみました。雰囲気ぐらいはつかめたでしょうか?

次回、核融合発電について、現在の動きや未来などについて紹介していきたいと思います。

※ちなみにイラストはイメージで厳密性はないのでご注意を

またこちらのサイトが非常にわかりやすく説明しています。私もこのサイトを見て勉強したので興味がある方は是非読んでみてください。



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