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【スパイスの科学】甘みを閉じ込めた幸運の八角

みなさんは八角を知っていますか?

中華料理なんかに入ってる星形のスパイスです。見たことある、使ってるという方もいるでしょう。

今回は強い癖があるけど中華料理には欠かせない八角について紹介したいと思います。

1分でサクッと読める記事なので是非読んでもらえたら嬉しいです。それでは一緒に見てきましょう。

八角とは

また八角はスターアニスとも呼ばれ、その名が表す通り星形の莢(さや)に種子が含まれています。

この莢を腕と呼び、その腕が8本より多いと大吉とみなされていたそうです。

そんな八角は中国では五香粉というミックススパイスに使われています。五香粉には八角の他、クローブ、カシア、花椒、フェンネルがブレンドされています。他にも陳皮やシナモン、ナツメグなどをブレンドすることもあります。

その中でも八角は存在感があり、五香粉には欠かせないスパイスと言ってもいいでしょう。一方で八角は香りがとても強いのであまりたくさん入れると強烈な香りになってしまいます。私自身何度が入れすぎて失敗したこともありますね。

八角の科学的性質

八角の香りの主成分はシネオール、アネトール、フェランドレンです。中でもアネトールは強いリコリス風味になり、甘みを感じる成分でもあります。

このアネトールはナツメグやオールスパイスと相性がいいようで、これらと合わせて料理に使うのがおすすめのようです。

アネトールは芳香族化合物の一種で、八角やアニスの他にはフェンネルやカンゾウに含まれる成分です。

アネトールは甘みを感じる効果があり、砂糖の13倍の甘さとも言われています。そのためジャムやコンポートといった果物にも相性がいいんです。

アネトールの香りは油やアルコールに溶けやすいため、お酒と一緒に使うのが良いようです。逆に水には溶けないというのが注意点ですね。

さらに驚くことに、アネトールはネギ類の硫黄と反応すると肉のような風味が生まれるそうです。これはなかなか面白い化学反応ですね。今度玉ねぎを五香粉と一緒に料理してみたいと思います。

また八角はスターアニスと言われているようにアニスの持つアネトールを持っていることから、高価なアニスの代わりに使われていました。

八角というとあのホール(莢)の状態で使われることが多いと思いますが、五香粉のようにパウダー状にして使うこともあります。しかしながら、パウダー状になった八角の風味成分は急速に揮発するため、注意が必要です。

最後に

今回は中華料理には欠かせない八角について紹介しました。

スパイスも科学的に見てみると、料理は化学反応の実験とも言えます。そんな身近な料理を科学的な視点で見てみるともっといろいろな楽しみが感じられるかもしれませんね。

参考文献


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