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■7月12日 旅散歩―美濃太田宿

先日、【みのかも豚汁】という不定期開催のお店へ伺いました。【みのかも豚汁】は文字通り「岐阜県美濃加茂市」のお店です。最寄り駅は「美濃太田駅」。江戸時代、中山道五十一番目の宿場町として栄えた場所です。

また、すぐ近くには木曽川が流れています。太田宿は木曽川筋の軍事、経済、政治において重要な拠点であったとのこと。美濃太田駅からも徒歩15分ほどとのことでしたので、歩いてみました。

おそらく、こっちの方だろうとあたりをつけて進んでいくと、行き止まりのように土手があります。

少し面喰いながら、それでも進んでいくと。

突然、木曽川が目の前に現れたのです。

さきほどの土手の手前ではまったく聞こえなかったのに、土手を上がった途端、川の流れる勇壮な音が聞こえてきました。それほど威圧感のある土手ではないのに、遮音効果? は抜群でとても驚きました。

その日は、ほんっとうに暑くて。各所で猛暑日を記録していました。私のいた美濃加茂市も例外ではなく、30℃をゆうに超えていたのです。しかも、私が歩いたのは午後2時前という、一日のうちでいちばん暑い時間。おかげで人っ子一人いない川岸をのんびり満喫することができました。

前日に雨が降ったこともあり、川の水色は濁りを含んでいました。また、思いの外、川の流れが速く、川幅の狭いところでは波が細かく、高く上がっていたのです。

ほんの少しこわさも感じながら、徐々に近づいてぼんやりと川を眺めました。

川の流れって、其処此処で速さやかたちが違っているんですね。先頭?に近いところでは波が争うように走っていき、まるで子供たちが一斉に海へ向かう軽やかなかけっこのよう。そうかと思うと、岸寄りでは波立たず、おっとりのったり、ときおり壁にぶつかったりしながら、のんびりペースで流れていきます。

自らの意志で流れているのか、ただただ流されるままに歩いているのか。

川の近くまで行ったからこそ湧いてきた感覚を記憶に置いて、川辺の草いきれにむせそうになりながら、歩き続けたのでした。

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川のある風景が好きです。たとえば、博多の中州や大坂の道頓堀、岡崎の乙川なども見飽きずぼんやり眺めてしまいます。

町育ちで、いわゆる「自然」に触れる経験の少ないまま育っていますので、川の近くに住みたいとまでは全然思わないのですが(笑)それでも、「山と海、どっちが好き?」と問われたら、「川♪」と答える程度には、川が好きです。

それは、たぶん川音の穏やかさや、流れ続ける諸行無常、あるいは、川だけでは完結しない欠落感などへ、普通以上の親しみを感じてしまうからなのでしょう。川の傍でぼんやりしていると、気持ちが凪いでくるんです。

木曽川をこんな近くで見られるなんて思っていませんでした。名古屋から西へ向かう電車のなかからはよく眺めていたのですが。それはどうしても橋の上からになります。

でも、今回はそばで、自分の足で距離感を決められる場所。ほんとうに、よい場所を見つけました。また時間を見繕って訪ねて行こうと思います。

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木曽川の近くには、太田宿の街道の姿がほんのり残っています。

この日はあまりの暑さにさほど足をのばすことはできませんでしたが、また次の機会に歩いてみます。

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今日もここまで読んでいただき
ありがとうございます。
今日がいい日でありますように。
んじゃ、また。

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