【読書note】『徳川家康 弱者の戦略』
今日は日曜日。雨降りでしたので、お家に籠り、原稿仕事をやっつけておりました。おかげで、時間の余裕が持て、大河ドラマ『どうする家康』を観ることができました。
今日は第18回「真・三方ヶ原の戦い」。
いやぁ、あちこち泣きかけました。だって、夏目さんの名前とか叔父上の男気とか。
スパンの長い大河ドラマだからこその見事な伏線回収。決意をした人たちの表情を彩る光と影の美しさ。泣かせにくるなぁとじわじわしていました。
そして! こちらの本をおススメせねばとnoteを開いた次第。その本とは。
■磯田道史『徳川家康 弱者の戦略』(文春新書)
本書は、時代に翻弄されながらも最後には天下を掴み取った徳川家康の一生を、ライバルたちから学んだことを軸にして、読み解いていきます。
この本の何がすごいって、ちゃんと一次史料を中心に据えているんですが、後代に作られた逸話や流布したエピソードにまで目配りをして、書かれているところ!
しかも、それらを私見と共に、きっちり書き分けていらっしゃるので、読んでいると、家康公について、より理解が深まるんですよね。
歴史を文献史料を基礎にして研究されている方の手腕って、史料の扱い方にはっきりきっぱりその辣腕っぷりが現れます。私は文学の側から歴史研究をしていたので、余計にそう思うのかもですが。
本書はその点、抜群にわかりやすく、超うまいです。つまり、信用度が超高い、と。その点でも、おススメ度超高いです。
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徳川家康公というと、どうしても関ケ原以降のイメージが強くて。
たぬき親父だったり、老獪だったり、鳴くまで待っちゃったり、健康オタクだったり。征夷大将軍を受けたとき?のあの、どでんとした直衣姿を思い浮かべがちです。
でも、今回の大河ドラマはそうではない姿をがっつり描いてますよね。今日だって、みんな頑張ってるなか、泣いて泣いて動けなくなって竹千代してたり。でも、そこから決意したときの表情がものっそい鋭かったり。
「神君」と祭り上げられた結果から逆算した姿ではなく、地政や人間関係に翻弄されながら、「今」を必死に生きる若者がそこにいます。
そしてね。それって、ここまで歴史学者の方たちがきっちり研究を積み上げて来られたからこそだよな、と思うですよ。
もちろん、それを「物語」に昇華して、ドラマというカタチで魅せるスタッフさんたち、それを表現する役者さんたちのすばらしさもあるんですが。
でも、基礎にきっちり研究があるから「遊び」もできるわけで。
本書は新書ですし、そういった「現在の徳川家康像」の基礎になっているものをわかりやすく知ることができます。だからこそ、現代の私たちが感じ、学ぶものも多いですし、ドラマを見るときの「説得力」にもなってくれるです。
今年の2月の発売ですが、書店の新書棚のエンド台に平積みになっていたり、面陳されていたりします。お見掛けになったら、ぱらりと手に取ってみてください。ぜひ。
■『どうする家康』関連おすすめ本
こちらもいろいろおススメ♪ よろしければ。
あ、このマガジンに放り込んであります。
んじゃ、また。
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