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編集のための覚書

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"ヒトとモノの出会いを編集する"ことを模索するための日々の覚書きです。
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#ビジネス

編集の力を信じてる

編集は、偏集だ。偏ってこそ価値がある。 私の尊敬する編集者の言葉で、うちの編集部で伝説的に語り継がれてる言葉のひとつです。 この「偏る力」こそが、私が信じている編集の力の根幹です。 選ばれない失望私の編集の価値についての原体験は、美大に通っていた頃…大学の芸祭でした。いわゆる学祭なんだけど、そりゃもう皆の力の入れようが他の大学とは違って、誰もが何らかの出し物に参加してるんじゃないか?という熱気で。 私の出身である油絵学科の子たちは大概、絵を展示して、一般の方やギャラリス

今の時代は「懐の広さ」が情報を伝えるキモなのかも

インスタでユーザーの検索行動が変わったなんて話はずいぶん昔から言われていて、分かってるつもりでいましたが… 最近流れてきたこちらの記事を見てコンテンツを作る側はこういう設計をしていかないといけない時代なのか…とはっとしました。 ちなみに話題に上がっているHOTEL SHE, KYOTOはこの夏私が行きたいと思っている場所のひとつでもあります。 以下は、HOTEL SHE,のインスタのユーザー動線についての抜粋です。 実際このツイートの台湾の子も、HOTEL SHE,

この夏、私が「編集観点」で巡りたい場所

6月下旬〜8月くらいまで、しばらく時間と場所の制約があまりなく動けるので、かねてから行きたい…!と思っていた場所を回ってみようかなと思っています。 今回の選定基準は 1,何か「場」を運営しており 2,その「場」を「メディア」として捉えられそう というところです。そしてその「メディア」の「コンテンツ」がどう作られているのか?を編集観点で勉強してこようと思います。 情報が大量に出回っている昨今、1次情報をしっかり持ってるのは強いと思うので、しっかり見て自分のこやしにして来よう

料理教室が「地域の暮らし向き発信」に最高だった話

今日はハワイで料理教室に参加させてもらったのですが料理教室ってコンテンツとしてめちゃ良質…!という気付きがありました。 観光・人口の課題を抱える地域は料理教室をしっかり編集してコンテンツ化するととても良きと思ったのでポイントをご紹介しようと思います。 その土地の食をつまみ食い感覚で知れる旅先での体験の満足度って「その土地の食」を楽しめるとあがるわけですが、料理教室では食材を説明しつつ、味見させてもらいながら調理するので地元の食材試食会のような体験が。 特に、調味料や食材

その文章の存在証明ができる編集をしているか

情報誌の編集をやっていると、商品の販売ページなんかを見ていて職業病的にムズムズしてしまうことがあります。 それは、情報の整理のしかた。 明らかに重複してる…順番おかしい…みたいなことがあるとああっ…!!ってなっちゃうのです。 超雑ですが例をあげて考えてみると… 1)アンティーク風の可愛いデザインです 2)コンパクトなのに充実の機能! 3)可愛くなりたい女の子のためのアイテム 4)小さくて持ち運びやすい まず、1と3は「女の子向けだよ」という情報が被っており、3は「女の

ストーリーを語る時代が、次に行こうとしている

世の中、モノコトの背景を伝える情報が溢れている。特に、東日本大震災以降、そんな物語の伝え方が多くなった印象です。 そんな今の情報のありかたについて、はっとするツイートがありました。 あぁ、流行が一巡したんだなぁと。 (ちなみにこのツイートについてカナエナカさんはこのあといくつかツイートをしていて、それを読むと決してストーリー自体を否定したいわけではないのはとっても伝わってきます) 誰かが始めて、流行って、飽和状態になって、飽きて、その間に次の何かが芽吹き始める。トレンド

ずっと分からなかった、「お前は本を読め」という問い

数年前、人生の恩師とも呼べる人に言われた言葉があります。 「吉田、お前はもっと本を読め」 「いや、読んでますよ」 「…そうじゃないんだよ…もっと文学とか、そういうものを読んだほうがいい」 当時の私は仕事が世界の中心で、もっとうまく、はやく、仕事をやるためには…ということばかり考えていました。だから、読んでる本もいわゆるビジネス書。 だから当時はその言葉を投げかけてもらった意味がよく分かりませんでした。文学って娯楽だし、明日の私が生きるための糧にはならない。こんなに時間が

作り手のすべてがにじみ出る、紙媒体の手ざわり

紙媒体って、残酷です。 良くも悪くもすべてが滲み出てしまう。 学生時代のフリーペーパーや冊子制作を含めると、もう10年近く紙媒体に携わっていますが変わらず思うのは、紙というメディアの尊さと怖さについてです。 1度でも冊子を作ったことがある人なら首を縦に激しく振って同意してくれると思うのですが、紙の媒体を作るって超絶手間です。 1度出版すると後戻りはできないし(そのくせ何度確認したってミスが出てきたりして憎たらしい)、真っ白な紙に自由に何でも載せられちゃう。自由って素敵な

文化を作るコミュニティには何が必要なのか?

今、絶賛英語を勉強中なのですが、参加してめちゃくちゃ良かった!と思っているのが最所あさみさんと伊佐知美さんが主催している#EnglishChallengコミュニティです。 みんなの行動がが文化になっていくコミュニティの活動としては、参加メンバーがSlack上で毎日勉強したことを報告して褒め合う…というシンプルなものです。 何が良いって、みんなが当たり前のように1日あたり1~2時間英語勉強に時間をあてているので、ここにいると自然と英語の学習時間をとることを選択できるようにな

授業にも編集力は必要だと思った話

今、お試しで英会話教室に通っています。いわゆる駅前留学…的なやつなんですがモチベーション維持と学習効率に個人的に課題を感じています。いわゆる「普通」の授業なんですが、なんでこんなにモヤっとするんだろう?というのを棚卸ししてみました。 「この時間で得られるもの」が曖昧だと、人はしんどい授業の内容としては、1コマ50分の間で1つの決まった構文をテーマにリスニング・スピーキング・ライティングする形で進みます。 ただ、この構文って事前に自宅学習するんですよね。なので「この構文につ

暇が苦手な人はこの先やばいのかもしれない

私は、暇が苦手です。仕事が好きだし、急に予定がなくなると何をしようか考えないといけなくって、ちょっとしんどい。遊ぶ予定が入っていればまだ良いけど、何もないと完全にベッドで廃人…そして1日を後悔するタイプの人間です。 未来はみんな暇人そんな中、少し前にgumiの国光さんのnoteを読んで、え、まじかよ。と思いました。 そして、ここから10年間で起こることは容易に想像がつきます。物質・モノをつくる作業はすべてAIがやることになります。人間がやる必要はなくなる。  するとどうな