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浪漫須貯古齢糖

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綿柎開

8月某日。残暑。道路に面したマンションの三階にある部屋では萎縮してしまっているのか、窓を開けても風鈴は鳴らない。怠さに支配されて食事が進まないように、読書もまた進まず、出歩く気力もなく、眠るための体力もない。ああ、こういうの。夏を満喫しているって言えるのかも知れません。

今日は夕方から夜にかけて、中之条でチョコレート会議と試食会です。最近は使用する砂糖の種類を再検討しています。
それもあって、今回は青森県のクラフトチョコレート、浪漫須貯古齢糖の産地別を開けました。こちらのお店は「バー専用チョコレート」を卸す東京のアールガットのショコラティエ須藤さんが故郷の弘前に構えたお店だそうです。

いただくのは、ハイチ(65%)メープルシュガー、ベネズエラ(65%)てんさい糖、ペルー(68%)ココナッツシュガーと甜菜糖、マダガスカル(70%)きび糖。産地でカカオのパーセンテージとお砂糖の種類を変えているという工夫がとても勉強になります。
いろいろなチョコレートを食べてきたけど、ブラインドのテイスティングで違いを当てることは難しいです。そしてこうやって自分たちで作り始めてから改めてフレイバーの種類、奥深さを知るのです。

味やテクスチャーに関して追求すれば、私たちの試作はそれらしい形にはなっているけれど市場に出すには到底及ばない。「美味しい」に関して「それは好みの問題」と一蹴されることを避けて、しかも努力の程度ではなく質で評価されるには、今はこうやって自分たちのレベルを共有しておくことも大切なのだと思います。

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FILM

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大学時代の数少ない友人のひとりが青森に住んでいて、今でも秋にはねぷたの迫力のある写真の箱に入った林檎を送ってくれます。彼女はちょっと変わった子で、学生時代に趣味で作っていた「サンドイッチ」とか「焼きマシュマロ」についての学術的な構成のニコ動が話題となり、ネット上で「青森教授」とか呼ばれていました。数年前は匿名でリリースした「鳥獣戯画制作キット」が爆発的に話題となり(そのあとすぐ中国人にパクられたからやめたと言っていた)、今は何を「趣味」で作っているんだろう。一年に一度送られてくる林檎に添えられた近況以外ちょっと謎なままの、でもそれくらいの関係が私には面白いなと思える、大切な友人のひとりです。

CHOCOLATE

https://romance-cacao.shop-pro.jp/


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