【ウガンダ旅・11】極端なこまやかさとカジュアルさが同居する「象牙の城」ホテル
ウガンダ滞在記、「衣食住」の「衣」と「食」についてあれこれ書いてきました。まだいくらでも書けるけど、せっかくだから「住」、滞在先についてここらで1話。
チャットボットより早い、ホテルの問い合わせ対応
さて、首都カンパラでどこに滞在するか。わたしは、取材相手である仲本千津さんのすまいからほど近い中級ホテル、Ivory Castle Boutique Hotelを予約しました。
ホームページの写真はまさに「象牙の城」を自称するにふさわしい、白亜のホテル。プールもあるし、サウナもあるという。え、ウガンダではこれで中級ホテルなの?
支払いは現地でということにしたのですが、日本円から直接ウガンダシリングに両替することはできないし、総額はけっこうな額になるので、ウガンダでアメリカドルから両替するのもちょっと煩わしい。クレジットカードはレートが悪いし…アメリカドルのまま払えるかな?
予約サイトを通じてホテルに直接尋ねてみました。たぶん、返事ないだろうな~と、ほとんど期待もせずに。
すると!
2分で「アメリカドルでもお支払いいただけます」と返事が来ました。チャットボットか?と疑いたくなるほどの迅速な返信。英語もきちんとしていて(ただしネイティブの英語ではない)、内容は簡潔かつ丁寧。
空港送迎の可否や料金、送迎予約やキャンセルといったほかの問い合わせをしても、数分で迅速な返事が返ってきます。こんなの、「おもてなしの国」日本でもやってないサービスだよ……。ウガンダのサービスレベルの高さに度肝を抜かれます。
思い返せば、このウガンダ取材旅にあわせてマウンテンゴリラツアーに参加したかったわたしは(→詳しくは【ウガンダ旅・0-1】に)、いくつかの現地ツアー会社に問い合わせをしていました。
するとどこの会社からも返事は24時間以内に来るし、こちらの質問や要望にきちんと応えてくれるものだから、「呑気なアフリカの人でこの対応はありえない。きっと西洋人が対応してるな」と思ってたんです。でも、考えてみれば西洋のサービスってそんなに懇切丁寧かつ迅速ではないよね(むしろ反対)。
だからといって、日本以上のサービスをネット経由でアフリカから受けられるとは想像もしていなかった。自らの不明を恥じるばかり。
ぞんざいすぎず、馴れ馴れしすぎないサービス
準備でバタバタしているうちに、またたくまにウガンダ渡航の日がやってきました。ウガンダの国際空港であるエンテベ空港から、仲本さんが手配してくれたドライバーさんにホテルまで送ってもらいます。
ホテルの門はがっちりと締まっています。鉄板のような門で、中はまったく見えません。日本との治安の違いをここで思い知らされます。
門番の人が出てきて門を開けてくれ、ホテルの敷地に入ると……見えました、象牙の城ホテルが。
まあ、中級ホテルといったらこんなものだよね。「お城」というよりは「コロニアル」なホテルです。
フロントは、服装こそ普段着だけど、応対はきちんとしている男性。きっとこの人がメール問い合わせ対応の人だ!
こういうところだと、親切だけど馴れ馴れしすぎるパターンか、あるいはつっけんどんすぎて必要なこともやってもらえないパターンのどちらかが多いけど、そのどちらでもない。こちらが困っていることがあればちゃんと聞いてくれるし、親切に対応してくれる。わざわざ寄ってくることはなく、でもすれ違えば挨拶をきちんとしてくれる。すばらしい。
あとでわかったんだけど、フロント担当はほかにもう一人二人いて、みーんなきちんとしていた。
観光客が少ない途上国のホテルとしてはいささかビジネスライクすぎるかもしれないけれど、ひとりになる時間がホテル滞在中しかないわたしには、その距離感がちょうどよかったのでした。
けたたましい物音に起こされる朝……アフリカの洗礼その1
さて、わたしの部屋はこちら。レースのカーテンが「お姫様の部屋」感をかもしだしていますが、単なる蚊帳です。
このホテルと隣接する家々とはピッタリ敷地がくっついていて、生活音も話し声もまるで同じ屋根の下にいるのかと思うほど筒抜けです。人々の暮らしが近くに感じられるのはいいな、と思ったものの、なぜか深夜に猛然と吠え始める犬に起こされることもしばしば。これはなかなかに辛かった。
窓に網戸はあるし、強盗防止の鉄格子もはまっていて安全なんだけど、いかんせん、窓枠と窓ガラスのかみあわせが甘くて、遮音はまったくできないのでした。
さらに、建物の内側からもやかましい音が響きます。短い動画でどうぞ。
宿泊客の部屋の出入りの度にこのドアの開け閉め音がホテル中に響き渡るので、「早く寝た者負け、遅く起きた者負け」です。犬の鳴き声とドアの轟音で、睡眠が容赦なく削られます(笑)。まあでも、「これぞアフリカ」かもしれない。
幸い、犬の深夜吠えは毎日ではなく、轟音ドアを持つのは私の部屋と左隣の部屋だけなので、隣に宿泊者がいない日と犬が吠えない日は安眠できました。
部屋にエアコンはついてますが、つける必要がありません。というより、日没後は長袖必須。カンパラは高地にあるので、「アフリカの軽井沢」と言われるほど涼しいのです。
宿泊者専用のフリーwi-fiもあります。安定していて速度も十分。
とはいえ、こうした宿で一番に確認すべきはお湯が出るか否かですよね。わたしの部屋ではちゃんと出ました。しかし、ぬるい。38度ぐらいじゃなかろうか。毎日、うっすら寒いんだよなあ、と思いながら浴びてましたが……滞在期間の終わり際に気づきました。シャワーをちょろちょろ出すと、お湯の温度が上がる!
どうも、ざーっと勢いよく出すと水が十分に温まりきらずに出てきちゃうみたいです。もっと早く気づきたかった。
石鹸と、半分まで使ったミニシャンプーらしきものがシャワーブースにありますが、コンディショナーがない。しまった。中級ホテルにはたいていあると聞いてたので持ってこなかった。
翌日、地元のスーパーに買いに行ったら、ふつうサイズのコンディショナーが700円でした。たっか! 仲本さんが「ウガンダはなんでも安いけど、輸入品は高いです」と言っていた意味がわかりました。ちなみに700円のコンディショナーはMade in UAE。なるほど、中東地域から輸入するのか。
ちょっとホテルの敷地を歩いてみます。私の部屋は隣家とぴったりくっついているけれど、建物の表側はゆったりしていたはず。
前庭はホテルのレストラン。宿泊客じゃなくても利用できます。リゾートっぽくていい感じ。
たしかに、サウナもある。
町の様子はまったくわからないし、もう夕方なので、ホテルの外には出ないことにする。ホテルの中にレストランがあって助かった。夜はレストランで食べよう。
暗すぎて何も見えない……アフリカの洗礼その2
そして夜。日はとっぷり暮れました。レストランに行くと、「どこでもどうぞ」と言われ、外の席に座りました。すると、何も見えない。暗すぎて、メニューも読めない。別に停電なわけじゃないです。
自分のスマホのライトでメニューを照らしつつ、ウエイターさんに説明してもらいつつ、お目当てだったピザを頼み、待つこと30分。これ、アフリカのレストランではごく普通の待ち時間です。
ピザがやってきました。一応、肉眼ではぎりぎり見える。スマホで撮る。真っ黒。感度を最大に上げて再撮影。やっと映った。
ウエイターさんといい、フロントの人といい、門番的な人といい、ここの人はほんとうに親切。
たとえば、朝、徒歩でホテルまで迎えに来てくれるというRICCI EVERYDAYのインターンさんとの待ち合わせ時間にホテルの門までいって、門番の人に「友達が門の前まで迎えに来るの」と言うと、「わかった。ぼくがまず外を見てくるから内側で待ってて。ひとりで出ていかないほうがいい」と外を確認してきてくれたりする。
インターンさんは華奢な日本人女性なので、すぐにわかったはず。門番さんは「君の友達いたよ。どうぞ行ってらっしゃい」とわたしを送り出してくれる。そういうときも、ホテルに戻ってきたときも、とてもにこやかに温かく送迎してくれるんだけど、会話は一言二言程度で、それ以上べたべたしてこない。ほんとにここはアフリカ??
ただ、朝食レストランの待ち時間だけはアフリカ通常運行よりもさらにスロー(笑)。朝ですら、30分待ちも珍しくない。こっちは、朝、出かける前に30分も余裕見てないんだけど!
コンゴでわたしが泊まっていた中級ホテルはオーダーするとさっとその場で作ってくれたんだけどな。タンザニアでも朝、こんなに時間読めないことはなかったなあ。これはウガンダタイムなのか、象牙の城タイムなのか。
象牙の城ホテルでは、翌日の朝食の希望メニューと時間を毎日必ず確認される。うっかり、ホテルにわたしが戻ってきたときにフロントの人がいなくてそのまま部屋に戻ったりすると、夜、レストランやフロントからわざわざ電話がかかってきて、メニューと時間を聞かれる。
なのに、翌朝その時間に行くと、朝食が出てくるまで30分かかる。まずレストランに行って、ホールの人に飲み物だけ出してもらって(ホールの人は時間通りに来ている)、飲み終えて、それから一回、部屋に戻ってのんびりしてレストランに戻ってきてやっと食事が出てくるぐらい。
なんのために朝食の時間とメニューを聞いたのさ!と毎日思うわけですが、このホテル、コロナ禍ということもあって宿泊客は常時1~3組。
朝食時にわたし以外の宿泊客をほとんど見なかったところからすると、たぶんわたしのために朝食の材料を確認し、わたしの朝食のためにレストランスタッフが出勤してきてる。それを考えると、「私の朝食オーダー時間」=「料理人の出社時間」なのかも。
とにかく待ち時間が暇でしょうがないので、レストランにやってくる鳥を撮る。来るハシビロコウツアーのために、練習練習。
【Photo Album】
ウガンダ旅のメモ バックナンバー
・行く前の話(全4話)
・ここからが旅行記(これからもまだまだ続きます)
↓ これがいままで一番よく読まれている記事です ↓
読んで面白かったら、左上のハートマークをぽちっとクリックしていってください。すごく励みになります。noteに登録してなくても押せます!