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【ウガンダ旅・6】PCR検査のスピード感ときめ細かさに感激

2022年7月に10日ほど滞在したウガンダの旅日記です。よければこちらを先にどうぞ!
まえがき代わりの 前置き

日本帰国時の「全員PCR検査」が解除になるというニュースが話題になりましたね。わたしがウガンダに行ったのは先月。もちろん受けてきました。

同じ時期、すなわち2022年の夏に海外に行く人は帰国時PCR検査のアレンジに四苦八苦している、という話をよく聞きました。

なんたって、

  1. 出国前72時間以内の検査でなくてはいけない

  2. 検査方法や検体採取方法の詳細が明記された、日本政府が定める書式にのっとった証明書でなくてはいけない

という2つの壁を乗り越えないと日本の検疫が通過できない。

では、ウガンダからの帰国はどうだったか。PCR検査が不要になればまったく有用性がない話ですが(笑)、ウガンダすごいぜ、というびっくり話として楽しんでください。

〔高い壁その1〕出発前日検査+数時間後に結果という特急ミッションをウガンダで遂行せよ

まず、「出国前72時間以内の検査」をどう乗り切るか。

絶対に出発前日には結果を得たい。なぜなら、フライト当日の結果受取では、何かトラブルがあっても対処が間に合わないから。となると、出発前日検査+翌日結果という段取りではいささか危ない。

だからといって、早め早めで2日前に受けて、万一、当日に飛行機が飛ばなかったりすると、陰性証明が失効するかもというひやひや綱渡りになる。

ということは、出発前日検査+その日のうちに結果(帰国便が夕方出発とかなら前日検査+翌日午前まで結果でもいいのだけど、わたしの帰国便は午前発だった)、という特急検査しかないわけです。

……そんなのあるの?? この、おっとりのんびりしたウガンダで???

〔高い壁その2〕日本政府指定の書式で証明書をゲットせよ

たぶん、数時間後に結果が出る特急PCR検査は、先進国から帰国する人ならさほど難しいミッションではないと思うんです。高額だろうけど。

とはいえ。

陰性証明書は日本政府が定める書式に沿っていないといけない、という次の壁が立ちはだかるのは世界のどこから帰るのでも同じ状況のようで。

受検者の氏名、検査日時、検査方式、検査機関とサインがあれば、PCR検査陰性結果の通知としては成り立つはずですが、日本入国時の陰性証明は「正しきゃいいというものではない」のです。

いやもちろん正しい検査結果であることは必須なんだけど、日本専用のフォーマットがあって、世界中どこの検査機関だろうが、そのフォーマットにのっとって提出しないと、陰性証明書とはみなされない。

厚生労働省のサイトより(記入サンプル)

たとえば、検査方法がたしかにPCRか否か、検査方法の詳細(「鼻ぬぐい液」という記述じゃダメ、鼻のどこかまで記載が必要)とか、チェックボックスにチェックを入れないといけないのです。オリジナルの書式でもいいけど、必要事項の漏れが出やすくてむしろ大変かも。

でもそんなことどこの国の検査機関も知ったこっちゃないわけで、海外に出かけた日本人、ないしは日本に入国しようとしている海外の方の多くは、この日本ルールに対応してくれる検査機関を必死で探したり、検査機関で直談判したりしてると聞きます。

とくに世界の大都市以外から帰国しようとする人は、えらく大変だそうで。先ほど「帰国当日の検査結果受取では、トラブルがあったときに対処が間に合わない」と書いたのも、このためでした。

海外では、「絶対この方法でお願いね」「OKOK、ノープロブレム」というやりとりがあっても、2回に1回はお願いしたのと反対の結果が戻ってくるものと思っていたほうがいい。陰性証明でそれは致命的です。

しかし、現地でお世話になった仲本千寿さん(→【ウガンダ旅・0-3】わたしが「ウガンダに行こう!」と決めたわけ)は「大丈夫です! 帰国が近くなったらカンパラ市内の検査機関にご案内します」とあっさりしたもの。

現場でマゴマゴ……しない!

さて、検査当日。仲本さんが教えてくれたクリニックにひとりで向かいます。

予約?
してません。

日本でのPCR検査は、特急で結果がほしいなら予約は必須だし、検査機関に行ってみたら長い行列があって、予約したからと思って中に入ろうとしたら、係の人に「いやいや、外で並べ」と言われたり、と、勝手のわからない中で小突き回されるような印象があります。

日本ってふつうの病院とか役所でもそういうことありますよね。初めての人はどこで何をすればいいかわからないんだけど、聞こうにも誰もが忙しそうで話しかけられず、ここでいいのかな…と思いながら待つ、とか。

海外だとなおさらわからないから、わたしは、同じ建物の違う入り口から入っちゃって誰も人がいなくてマゴマゴ……なんてしょっちゅう。

無事に正しいところに入れても、指示の言葉がいまいち聞き取れなくて指示されたのとは違うほうに歩いてっちゃって「あんた何やってんの、こっちでしょ!」と咎められる、とか。

ところが仲本さんおススメの、ウガンダのクリニックは違いました。

タクシーで敷地に入り、タクシーから降りて建物に向かって歩き出したとたん、中から検査技師らしき白衣の人が出てきて「May I help you?」とにこやかに話しかけてくれるのです。なにこの親切さ。

おそらく、発症している人を屋内に入れないための対応なのでしょう。とはいえ、VIP待遇のようで気持ちがいい。

「私たちは日本政府が定める書式で証明書を出せます」

建物の外のテーブルに案内され、白衣の人に「日本に帰るためにPCR検査を受けたいのです」と言ったら、「私たちは、日本政府が定める書式で証明書を出せる検査機関です」という返事。

こんなにスムーズなやりとりってある!? これ、逆のことを日本の検査機関ができるかい? 入国者がごくごく少ない国から来る人の、厳密な書式の条件を(頼まれてからじゃなくて)先に満たしておき、検査を受けに来たら「あなたの国の書式で用意しますね」と言ってあげるって、なかなかできないよね?

このMBN clinical laboratoriesでは、書式だけじゃなく、出国前72時間以内という条件や、帰国便の出発時間にも注意を払ってくれます。さらに帰国便の時間から逆算してチェックインの時間まで、目の前で書類に正しく記入しているのが見える。

なぜチェックインの時間を?と不思議に思ったものの、翌日空港に行ってわかりました。陰性証明は帰国便のチェックイン時にも、つまりウガンダの空港でも出発前にチェックされるから。…なんと行き届いた心配り。

技師の女性はわたしを隣の検査用ブース(屋外)に連れて行き、てきぱきと検査キットを開封して鼻奥にスワブをさしこみ、検体を秒でしまい、しっかり蓋を締める。その迅速・的確な仕事ぶりには見とれるばかりでした。

ちなみに検査料金は6500円ほど。ウガンダでは高額だけれど、日本での同じような検査と比べたら半額以下。助かる……。

え、もう完了?

「じゃあ、会計してくるのでここでそのまま待っててくださいね」

と言われ、カンパラ生活も一週間、「とにかく待つ」ことがデフォルトになっていたわたしは、たぶん20分は待つなと思いつつうなずきました。

すると、5分後に彼女は戻ってきました。

カンパラ生活も一週間…(以下略)わたしは自動的に、「こんなに早くすべて終わるわけない、これは何か確認しに来ただけだな」と、何か聞かれるつもりで耳を傾けると、どうも様子が違う。

彼女は封筒にお釣りをしまっているようです。しまい終えると、その封筒の内側に何か書いています。秘密のメッセージ?

「これがあなたのパスワードです。検査結果はメールで送りますので、ファイルはこれで開いてくださいね」

え、もう終わってる。

「検査結果は今日の夕方4時までには送ります。紙の証明書も用意しておきますから、必要だったら取りに来ていただいてもかまいません」

以上。

封筒を渡され、ぽかーんと立ち尽くすわたし。

「何かわからないこと、ありますか?」

ないです。

ファストトラックはすぐに緑から青へ

あとはお礼を言って、帰るだけ。

検査結果のメールは、予告より早く、3時には送信されてました。検査機関独自の書式の陰性証明書と、日本の厚生省指定の書式に記入したもののセットで。

このファイルを入国前WEB手続き「ファストトラック」用のアプリに登録すると、2時間後には審査終了。日本の審査もやたらに早い。登録したの、日本の深夜なんだけどな。

緑だったアプリの画面が…
陰性証明書の審査が終わると青に変わります。

そんなわけで、

  1. カンパラには、予約なしで特急PCR検査が受けられて、日本の帰国者に必要なすべての手配をしてくれるクリニックがある

  2. 日本の事前WEB手続きがすでに充実

という2つの幸運に助けられ、成田空港での検疫手続きは、列に並んで順番待ちで5分、検疫官とのやりとりに1分、というこれ以上望むべくもないスムーズさでした。

国際都市以外からの帰国でこんなに楽なのは世界有数じゃないかしら。カンパラの検査機関「MBN clinical laboratories」、声を大にしておススメしたいけど、そうか、もうおおむねPCR検査不要になるんでしたね。

コロナで大混乱の時期には日本入国時に検疫で10時間とか一晩とかかかっていたという話もよく聞きました。それに巻き込まれた方々(旅客も職員の方も)の犠牲、というかご苦労と、その後の創意工夫や投資の上に、今回のわたしの「楽な検疫」が実現されているのでしょう。

当時、大変な思いをした方と、それを克服してくれた人たちと、ウガンダのMBNラボに、感謝よとどけー!





Photo Album

成田空港でも検疫にたどり着く前に案内の人がたくさんいて、アプリで青になっている人はこちらの列へ、アプリが黄色の人はこちらのルートへ、アプリがない人はこちらへ、と、紙を手渡しながらてきぱき振り分けてくれました。




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