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oohama
2021年2月28日 10:23
その子 二十歳 櫛にながるる 黒髪の おごりの花の うつくしきかなみだれ髪与謝野 晶子歌集みだれ髪の名前の元になった短歌。自分の中の官能を堂々と歌ったナルシズムが心地いい。明治の大きな特徴は思春期の発見じゃないかと思っている。それまでは16歳ぐらいになると結婚と子育てが始まってしまっていた。高等教育がはじまって青春を楽しむようになったと思う。夏目漱石なんか読んでると、娘義太夫に
2021年2月25日 08:05
山本周五郎の戦前の千葉県浦安の生活をえがいた「青べか物語」に貧しい女給にだまされるインテリ青年が出てくる。原民喜も同じようなことをした。不幸な女性を助けることで自分を助けると錯覚した。そのことは恥ずかしくて一生黙っていたそうだ。小林多喜二も、似たようなことをしたらしいし、あの頃の青年のひとつの行動パターンなんだろうと思う。それぐらい、立身出世する青年の幅は狭まっていて非人間的だったのだろう
2021年2月9日 08:59
モノローグという言葉で思い出すのが、萩尾望都のポーの一族だ。新作も出て新しいファンを獲得しているのもあって、今、素晴らしい配役でのミュージカルが演じられている。 何年か前、銀座でやっていた「ポーの一族展」に行った。子供のときに、ボロボロになるまで何度も読んだからか、全部セリフが入っていたのに驚いた。いまでも、ラスト「アラン。君もおいでよ。ひとりでは寂しすぎる」というセリフと、エドガーがア
2021年2月3日 08:22
蛸壺(たこつぼ)や はかなき夢を 夏の月松尾芭蕉芭蕉がタコ漁の名所、明石を訪ねたとき作った俳句。日持ちするタコは夏のごちそう。タコつぼに入ってのんびりと夏の月夜に寝ているけれど、朝には引き上げられて食べられてしまう。弟子の杜国とともに明石に遊んだ時、吟じられた俳句。芭蕉門下の句集である「猿蓑」初出。死後、弟子によってまとめられた紀行文、「笈の小文」の最後をかざる句。杜国は豪商の跡
2021年2月1日 09:21
是がまあ ついの栖か 雪五尺小林一茶江戸時代の後半になると社会が豊かになった。特に江戸への人口と富の集積が大きいように思う。その中で印刷の普及が進んだ。どんな家でも浮世絵の美人画が一枚だけでも飾られたりする。それで絵描きはパトロンなしに食べていけるようになった。源氏物語といった古典が普及したのも印刷文化のおかげだ。どんな境遇の人でも文学を勉強するチャンスができる。そうして裾野が広がった