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リスクへの備えには「組織文化」が重要だという話

こんにちは、yana(Q_Finance_)です。
※これまでは匿名でこちらのnoteを書いていましたが、今後は内容に責任を持つためにもきちんと名乗って発信していきたいと思います。

今回は「組織文化」についての記事です。

本題に入る前に、ざっくり自己紹介です↓

有限責任監査法人トーマツでの会計監査・内部統制監査・IPO支援等の業務を経て、アライドアーキテクツ株式会社(東証グロース)に入社。執行役員として経営企画・コーポレート部門を管掌する。その後、シンガポールのスタートアップのCFOを経て、2022年、株式会社LayerXに入社。経理こそ"会社の成長に貢献する"という意志のもと、バクラクを通じたお客様企業における経理・バックオフィス業務の効率化やDX推進に邁進する。

LayerX広報PRのkiyohiroさんが考えてくれたお気に入りのプロフィールです

これまでは、新卒で監査法人に入った後、事業会社でいわゆる管理部門にどっぷり浸かって仕事をしてきました。

どの会社も周りの方々に恵まれて、多くの機会を頂きながら色々な経験をさせてもらいながら楽しく仕事をしてきましたが、前々から事業側、もっと言うと「経理の武器を作る側」に行きたいという思いが強かったため、今年の4月にLayerXに入社しました。

今は「バクラク」という経理業務効率化のためのSaaSを、より多くの経理の方に届けるために、プロダクトマーケティング(PMM)に関与しています。

本記事は「LayerXアドベントカレンダー(概念)2022」20日目の記事です。
昨日はtataneさんの「半年で3倍以上にスケールしたプロダクトチームを支える文化」でした!

リスクへの備え=バックオフィスの強化ではない

さて、本題です。

先日、たまたま機会をいただき、NewsPicksさんのThe UPDATE という番組に出演させていただきました。
テーマは、企業成長を加速させるのは「バックオフィス」か?というものでした。

以前より「バックオフィス」という言葉自体にある脇役感や、バックオフィスの業務を「攻め」や「守り」といった言葉で表現されることに違和感がありましたが、なかなかバックオフィスをテーマにお話する機会はないので、非常に楽しかったです(その100倍緊張しましたが、、)。

また、出演されていた皆さんの言葉のひとつひとつが深くてとても勉強になりました。コーポレート部門で働かれている方には是非見ていただきたいです。


こちらの設問の一つに、「これから、どのようなリスクが想定されるか?」というものがありました。VUCA時代にリスクが多様化する中で企業の対策はなにか?と。

企業のリスクというと、不正が起こるリスクや労使関係のリスク、法律や規約等に抵触するリスク。もっというと、顧客やユーザーが見えなくなり、離れてしまうことなど様々あります。

そして当たり前ですが、これらのリスクは会社の状況に応じて常に変化します。また、顕在化したリスクもあれば潜在的なリスクもあり、見えていないリスクのほうがむしろ大きいこともあります。では、これらのリスクに対する備えとして何をすべきなのか?

この問いについて、企業においてリスクへの最大の備えは「組織文化」に投資することではないかと思います。

「全員〇〇」

LayerXには、「全員〇〇」という価値観があります。

会社の部署は専門性によって組織化されていますが、会社としての成果を最大化するために、特定の業務が円滑に進むように、起こりうるリスクを軽減するために、時に全員でなにかに取り組む姿勢を表現しています。

特定の部門の人数を2倍にしたからといって特定のリスクが1/2になるわけでもありませんし、そもそもリスクは変化するし、見えないリスクもあるので、きりがありません。

サッカーで点を取られないために、キーパーやディフェンスは必要ですが、点を取られてもキーパーやディフェンスだけのせいではないし、点が取れないのもフォワードだけのせいだけではない。勝つためには全員で意識を揃えて行動すべきタイミングがあるよねと。


LayerXには、その他にも「ボールを拾う人が偉い」「大きな失敗を防ぐため、小さく失敗しよう」「チャレンジを促進し、失敗を活かす組織の風土を大切に」といった価値観もあります。(興味ある方は是非こちらの羅針盤をご参照ください)

リスクが常に変化している以上、会社の中でロールはあっても、いざというときに、組織全体が柔軟に動き、みんなでリスクを軽減する。特定のリスクが起こる前のふわっとした見えないリスクを組織のメンバーが察知して、柔軟に、時に大胆に行動することが「組織文化」であり、その積み上げで常に変化するリスクを低減できるものと信じています。


組織文化は、組織の「血液」

ここまで偉そうに書いてきましたが、大変お恥ずかしい話、LayerXに入社する前はあまり組織文化を重視できていませんでした。

もちろん会社のビジョンやミッション、行動指針には共感していたのですが、振り返ると日々の業務や言動に必ずしも紐付けられていなかったなと感じます。その点で、重視していなかったというよりも、重視できていないことに気づいていなかったのかもしれません。

例えば、以前シンガポールで働いていた際、言葉は悪いですが、どんな人でも「武器」をつければすぐ戦場で活躍できるように、オンボーディングやオペレーションのプロセスを徹底して仕組み化することで再現性を持って事業がスケールできると信じていました。

サブスクリプションモデルの事業だったこともあり、一人あたりの生産性をとにかく意識して、早期に戦力になったもらうことの重要性を感じていました。

海外は拠点が異なると時差もあり頻繁な会話が難しいこともあります。また、日本よりも人材の流動性が高いため、パフォーマンスが出ない場合は、解雇されることもあります。加えて従業員が会社を変えることも日本より柔軟なので、上記の様な考えも一定の合理性はあると思います。ただ、今思うと少し機械的になっていたように感じます。

また、過去を振り返って会社の中で起こった様々な問題や顕在化したリスクはたくさんありますが、会社に起こるネガティブな事象のいくつかは、社内での共通の価値観を持っていれば、防げたか影響を小さくできたことがあるように感じます。

「組織文化」が会社に根付いていれば、問題が生じないわけではないですし、会社のリスクがなくなるわけではないですが、「血液」のめぐりが悪いと体の不調をもたらすように、組織文化がしっかりとしていないと特定のリスクが発生する可能性を高めてしまう。逆に言うと「組織文化」がしっかりしていると、組織としての免疫力がつくし、いざというときに馬力が出るとのではないかと思います。


スタンプ1つで価値観に根ざした行動ができる

ちなみに、LayerXではリモートワークで働いている方も多く、一緒に働いていてもオフィスで直接顔を見合わせないことも多いです。

そんな中でも、会社の中での価値観の共有や、組織文化は非常に重視されており、文化が組織のメンバーの行動に根ざすための取り組みがあらゆるところで行われています。

例えば、LayerXでは、情報の透明性やオープン性は徹底されており、社内のコミュニケーションでSlackが主に使われていますが、ほぼすべてのコミュニケーションが誰でも見れるオープンのチャンネルで行われています。

これにより、例えば、Slackのスタンプ1つで価値観を体現した行動を称えることができますし、誰かの具体的な行動に対しても、スタンプ1つで価値観と結び付けることもできます。

組織文化や価値観を意識的に共有する取り組みは多くおこなわれていますが、一番良く使う普段のコミュニケーションでも組織文化を意識できる手軽さも、価値観や文化が根付く一因なのかなと思っています。


「魂」を込める

また、誰かの「魂」がこもっていない仕事や取り組みは、大体うまくいかないか、たまたまうまくいっても再現性がなかったり長続きしなかったりすることが多いと感じます。

自省でもあるのですが、忙しかったり人の数が増えると、業務や意思決定に誰の魂も乗っていないことも起こります。

LayerXの組織文化への取り組みは、多くのメンバーはもちろん、代表の熱い「魂」もしっかりこもっているため、みんな安心してそこに乗っかることができています。

最後に

LayerXは過去2年以内で5つものサービスをローンチしています。
会社が爆速で成長している分、直面する不確実性や複雑性の高い事象も増えていますが、チャレンジングでこれからがめちゃくちゃ面白いフェーズです。

ただ、やりたいことを実現するためには、すべての部署でリソースが全く足りていません!
少しでも興味がある方やキャリアに悩まれている方は、是非お気軽にお話しましょう!

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今回の記事は以上です。このnoteでは、ビジネスモデル(SaaSなど)の分析記事や、企業分析等を定期的に上げているので、是非フォローやシェアをしていただけると嬉しいです。
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