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篠田節子『ロズウェルなんか知らない』とか、町おこし的小説などなど(毎日読書メモ(284))

篠田節子『ロズウェルなんか知らない』(講談社、のち講談社文庫)の読書メモ、こういう、活気を失っている町村の町おこし小説は小説の舞台になりやすいのか。
前に感想書いた、同じ篠田節子の『肖像彫刻家』(感想ここ)なんかも、産業の盛り上がらない農村部で人々はどう生きるか、を書いているという意味で通じるものがあるか。
『肖像彫刻家』は今月文庫になったので、amazonのリンクを貼っておこう。

荻原浩『オロロ畑でつかまえて』などにも通じる、町おこしもの。盛り上がり→破綻の展開は、設定上みえみえではあったが、最後にちょっと救い。篠田節子のうまさが冴えわたっているよ。(2009年3月の読書メモ)

ちなみに、『オロロ畑でつかまえて』(集英社、のち集英社文庫)の感想はもっと短くて、

新井千裕『復活祭のためのレクイエム』を思い出す。でももっと苛酷。(2007年12月の読書メモ)

あとは、視点はちょっと変わるが、三谷幸喜のテレビドラマ「合言葉は勇気」(役所広司主演)とか、黒野伸一『限界集落株式会社』(小学館、のち小学館文庫)とか。真保裕一の『ローカル線で行こう!』(講談社、のち子講談社文庫)なども、読んでいて、絶望感を抱いて、でも、希望のかけらもあるのかないのか、みたいな風合いがそれぞれにきっちり構築されていて面白かった。

『限界集落株式会社』感想:
限界集落という言葉の重さ、悲惨さ、みたいなことを考え、でもそういうイメージをくつがえすような、というかあまりに脳天気に明るく、状況を打破しようとしている小説。あまりにオプティミスティック。こんな風に展開できる場所なら実際には限界集落にはなっていなかったような気も。発想の転換、先入観の撤廃、人の心のあり方として参考にはなるが、人間模様としてはやや甘いかな。(2012年12月)

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