見出し画像

『笑いと涙! 世界の絶景マラソンを走る』(毎日読書メモ(475))

吉木稔朗、伊藤あこた『笑いと涙! 世界の絶景マラソンを走る』(創藝社)を読んだ。
2018年に走った能登半島すずウルトラマラソン(当時の記録はなんと4分割(1)(2)(3)(4))のときに、スタッフとしてお仕事されていて、大会Tシャツや記念品タオルのイラストもずっと描いてきた伊藤あこたさんが絵を描いて、あこたさんご自身と、サブスリー市民ランナーの吉木稔朗さんがエッセイを書いているコミックエッセイ。
あこたちゃんの可愛いカラーイラスト満載で読んでいて嬉しくなるし、42歳で脂肪肝を医師に指摘されたのをきっかけで走り始め、みるみるうちにサブスリーしてしまった吉木さんの経験談も興味深かった。走ると決めて、継続すれば誰でもそこそこ走れるようにはなるが(本人の体重とか脚のコンディションとかで練習の強度やペースはきちんと配慮した上で、ということになるけど)そうやって、しゅっとサブスリー出来るようになる人が一定の割合でいて、でも、それは本を読んでも真似は出来ないんだよねぇ、本当に羨ましい(まぁスピードに眼がくらんで、結構故障もされたとのことだが)。

5キロ走れれば10キロの大会は走り切れる、という理論を立てて、実際に5キロまでの練習しかしていない状態で10キロの大会を完走し、10キロ走れたから、とハーフを完走し、ハーフを走れたから、とフルマラソンに挑戦する。これって、やったことのない人には信じられないことだが(わたしも人に言われて、そんなの絶対無理っしょ、と思った)、本当なのである。それなりに脚を鍛える必要はあるとはいえ、別に40キロ走なんて練習でしなくても、ガチでハーフマラソンを走れるなら、フルマラソンは走れちゃうのである(まぁ事前に30キロ走はやっておいた方が絶対いいけど)。
そういう意味で、マラソン完走入門本の補助資料っぽくも使える本であった(実践的なことはあまり書かれていないが)。

しかし世界の色んな場所で走っていて(吉木さんの初フルはニューヨークシティマラソンだったし、あこたちゃんの初フルはホノルル)、お金持ちだな!、と思った。本の中で紹介されている大会は、ニューヨークシティマラソン、ホノルルマラソン以外にマラケッシュマラソン(モロッコ)、カンパラ国際マラソン(ウガンダ)、ソウル国際マラソン(韓国)、北海道マラソン(まだ制限時間4時間→5時間になる頃)、ヨロンマラソン(鹿児島県)、NAHAマラソン(沖縄県)、北京国際マラソン(中国)、ストックホルムマラソン(スウェーデン)、東京マラソン、そしてフルマラソンではないが、パプアニューギニアジャングルラン、そして最後にあこたちゃんが能登半島すずウルトラマラソンの思い出話も書いている。能登半島すずウルトラマラソンは2019年の第8回大会をもって終了してしまったが、あのすてきな景色を見ながらまた走ってみたいなと思うし、この本で紹介された他の大会(わたしが走ったことあるのは北海道と東京だけだ)も走ってみたいなー、と思う。
とても素敵な本なのだが、校閲全く入ってないのか、というくらい、誤植とか事実関係の確認不徹底とか、作者の文章の誤謬の修正が全くされていないとか、読みながら赤を入れたくなるくらい間違いが沢山あったのが残念。皆さん是非買って、増刷されて、増刷の際に修正が入ることを切に願いたいです。

#読書 #読書感想文 #伊藤あこた #吉木稔朗 #笑いと涙世界の絶景マラソンを走る #世界の絶景マラソンを走る #創藝社 #コミックエッセイ #マラソン #ウルトラマラソン #吉田香織推薦

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?