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毎日読書メモ(133)『容疑者Xの献身』(東野圭吾)

2006年2月の日記から、東野圭吾『容疑者Xの献身』(文藝春秋その後文春文庫)の感想を拾い上げる。探偵ガリレオの系譜。

近所のママ友に借りた東野圭吾『容疑者Xの献身』。図書館で予約しちゃった後で、友達が持っているのを知って借りたが、図書館でリクエスト出して数ヶ月たつが、全然来る気配もない。その間に直木賞まで取っちゃったから、きっと更にウェイティングの列は長くなっていることであろう。

私立高校の数学教師石神は、片思いしている、隣家のシングルマザー靖子が前夫を衝動的に殺してしまったのを隠匿する手伝いをする。その石神と対決することになるのが、石神の大学時代の同級生である、探偵ガリレオこと湯川。物語の構図は見えたが、衝動的殺人をどうやって完全犯罪に仕立て上げ、それを探偵があばくのか? まだそこの部分まで到達していなくて、明日に続く。

→帰りの電車の中で東野圭吾『容疑者Xの献身』(文藝春秋)を必死で読み進め、終わらなかった部分を家に帰ってから読む。電車の中で、最後の大ネタが割れて、おおお、と思い、だから帰宅後はもうそんなに大きな驚きはなかったが、タイトルにある「献身」という言葉の重みをぐーっと自分に引き寄せながら重苦しい気持ちで読了。この小説は雑誌連載時は『容疑者X』というタイトルだったらしいが、単行本になるときに改題。このタイトルの方がずっといい。容疑者Xじゃ、誰のことかわかっても、ピンとこない...。小説の細部には結構感情的なささくれがあり、それも小説内の仕掛けの一部なのかもしれないが、ちょっとその引っかかりはいやな感じ、と思った(その辺のざらついた感じで、直木賞授賞を渋る人がいてもおかしくなかったのでは、と思わせた。直木賞とったけどね)。でも、探偵ガリレオと容疑者Xの友情とか、頭脳明晰な人の理論の組み立てとか、でも結局論理的整合性だけに身を任せてはいけないんだという作者の主張とか、そういう部分はとても魅力的だった。これから戻って「探偵ガリレオ」シリーズを読もうと思っている。

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