これが「SLAM DUNK」か
NetflixのTop10に「THE FIRST SLAM DUNK」が、入ってきた。
SLAM DUNKの映画が、公開された事は知っていた。各界著名人たち、友人たち、ほぼ全員が褒めていたから。
「観た方が良い」そう言うが、褒めていた全員が「SLAM DUNK」ファンだった。僕はそもそも「SLAM DUNK」を、読んだ事が無い。
漫画は、相当好きだ。中でもとりわけ「スポ根」が好きだ。あらゆるスポーツの作品を読んだ。野球からサッカー、陸上から薙刀まで。王道作品から、マニアックな漫画もかなり読んだ。
なのに「スポ根といえば」のような、金字塔的作品であるSLAM DUNKを読まなかったのは、僕が「ヤンキー」じゃないからだ。
喧嘩系の漫画は、読んでいない。嫌いだったから。喧嘩系の漫画も嫌いだったが、喧嘩系の漫画に触発された奴らは、もっと嫌いだった。学ランを短くし、ダボダボのズボンを履く。履くな、馬鹿か。
だし、まず人の頬を、殴った試しがない。殴りたくない。痛そう。可哀想。暴力とは無縁の、安全圏で生きてきたので、殴られた事も無い。覚えているのは1度だけ、ガキ大将に楯突いて、ジャイアントスイングで投げ飛ばされて、体育館のステージに後頭部を強打し、泣いたことならある。痛かった。
バスケも好きじゃない。両手シュートしか出来なくて、冷やかされたし、レイアップがリングに当たり、跳ね返ってきたボールが鼻に激突し、鼻事が出た。あと、男子バスケ部が嫌いだった。好きな子を取られたし、そもそも偉そうな奴らが多かった。
だから「SLAM DUNK」は読んでいない。「嘘でしょ?読んで無いの?」と驚かれる事が多かった。特別扱いのように思えて気持ちよかったのが、悪さしていたのかもしれない。
設定もいろいろと、共感出来なそうだ。
ダメで情けない主人公は、共感できる。絶対、面白い。才能があり過ぎる主人公も、憧れるし、展開に興奮する。まず面白い。
それが「喧嘩ばかりの男が、ヒロインを振り向かせるために、バスケ始めました」そんなの、見ない。
で、だ。一応、見た。映画を。
「映像がすごい」と聞いたから、見た。まあ、ストーリー云々じゃないので、見てもOKという事にした。
確かに、見た事ないクオリティの映像。驚いた。相当な規模の金もかかっている。昔、カラオケで見た、WANDSの世界が終わるまではのPVとは、比べ物にならないほどの映像美だ。
で、だ。一応、見た。内容も分かった。
いくら「SLAM DUNK」を読んでなくても、勝手に入って来る情報が、幾つかある。まずセンター分けの「三井」が泣く程、バスケがしたくなる。あと「流川」がクールでモテる。「赤城」はゴリマッチョで、唇と胸板と情が厚い。その程度は、知っている。
で、だ。見始めたら「宮城」。沖縄の路上で、バスケをしている。誰だ。知らない人が軸の映画。ずっと「?」が続いた。
で、だ。見終わった。
今、思っている事は「安西先生、バスケがしたいです」と「安西先生、ジャイアントスイングしたアイツを殴りたいです」だ。