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お気に入りの幸福論。


今朝はぱっきりとした青空、暑いけれど秋の空気、と思ったら、やっぱりトンボがたくさん飛んでいた。

山並みのすぐ上にカバーのようにかかった雲の連なりが、鮮やかな緑に影をおとしていて、そのコントラストに見とれる。

隣の白いハルが、窓辺に寝そべって外を見ている。
ハル、ハル、と勝手に呼んでうれしくなる。
ハルには届いていない。


ついに、庭のエキナセアが咲いた。

つぼみがついてから、どれほどの日がたっただろう。
花って、つぼみがパカッと開くイメージだけれど…この花の咲きかたのおもしろさに、毎日、わぁ、となる。

まず、中央の芯の部分がひらいて現れて、そこから一番外側のぐるっと一周が、少しずつ少しずつ伸びて、うす緑から紫へと少しずつ少しずつ色付いて、花びらになっていくのです。
本当に、すこーしずつ。

たぶんまだここから下向きに伸びて、エキナセアの特徴的な花の姿になるのだと思う。
楽しみ。


ラベンダーも、夏の暑さに負けずにすくすく株を大きくし、また急に茎をしゅっ、しゅっ、と伸ばして蕾をたくさん付け始めた。
あぁ本当に秋にももう一度咲いてくれるんだ、とうれしくなる。
付きはじめの小さな芽のような蕾がすでに濃い紫、愛しい濃紫3号。(もうちょっと素敵な名前ならいいのに。)


毎日鬱々としては、外に出て座り込み、こうやって植物たちの変化を見つめている。

葉に、茎に、さわる。
触ると縦にひょろっと伸びず丈夫に育つ、って何かで見たけどほんとかしら。


パックンフラワーではなかった。



今日は、思い腰を上げて、行かなきゃと思っていた病院へ。
待ち時間、いいじゃない、くらいの気持ちで文庫本を何冊か本棚から選んで、家を出る。
(結局、それでもつらくなるほどの時間待った。)

そのひとつ、しばらく開いていなかった、アランの『幸福論』。
待合室でパラパラとめくっては、気まぐれに止まったところや、気になるタイトルのところを読む。


あぁ、そうだった。
この本のいいところは……そうだった。


何やってんのあんたさ、そんなんじゃ幸福になれるわけないじゃん、自分の言動振り返ってみなよ、こうやって手に入れるものだよ幸福ってさ。

そんなふうに(もちろんそんな口調ではない。)さまざまな角度から、古さもなく、甘やかしもなく、でも親身になって教えてくれている(ような気がするのです、私は)。

そうですよね、そうでしたね、と今日もひとりうなずいて反省。
ありがとうございます、という気持ち。





あぁ、でもさすがに待ちくたびれた……
終わったら、何か美味しいものでも食べよう。




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