着物ができるまで【その4】〜染め
お話の前に、知っておきたい“染め”のはじまりを紹介します。日本の染色の歴史は縄文時代に始まったとされています。「摺り染め」と呼ばれる手法で染色が行われていました。摺り染めは、植物や花、土などをそのまま繊維に摺り込んで染める作業でした。弥生文化が日本に入ってきたところから浸し染めの技法が伝わったとされ、奈良時代に入り「天平の三纈」という染色技術が大陸からもたらされます。三纈とは、﨟纈(ろうけち)、夾纈(きょうけち)、こう纈という三つの模様染めの総称を言います。﨟纈のろうは蝋から