失敗を認める自分になる

まだパート片手間に
仕立てをしていた時のこと。
小紋と長襦袢の反物を預かり
着物の寸法だけ付けてもらって
襦袢の寸法は自分で割り出しました。

着物、長襦袢を仕立て上げ納品して数ヶ月
お客さまから長襦袢の身幅が狭く
着にくいとの連絡がありました。

とても細い方だったので
加減しながら身幅を出して
再度納品時、身体のサイズに合うか
着ていただきました。

本人さまより
「うん、大丈夫みたい」と
お返事をいただき帰ってきました。

そしてまた数日後、
やっぱりまだ着にくいとの連絡がきたので

「再納品時、どうですか?って聞いたら
『大丈夫みたい』っておっしゃいましたよね?」
と私

「それは、あなたを信用してたからよ!」と
自分は悪くないオーラ全開のお客さま

再々度のお直しは共通のミスとして
代金の半分負担をお願いしましたが
受け入れてもらえず
無料の寸法直しとなりました。

なぜ最初の直しの段階で
一番着やすい長襦袢を貸してくださいと
言わなかったのか、今になって悔やまれます。


掛け持ちの忙しさから
お客さまとの意志疎通を図らなかった
私もいけなかったので
今回は自分の授業料として
タダ働きを受け入れました。

 

そのやり直しの長襦袢に費やした
時間、労力、材料費(糸代)
自己負担の悔しさは拭いきれません。

ですがこの想いをいつまでも引きずっていては
私自身、前に進めなくなるので
第二の自分を増やさないように
お仕立て仕事をされている皆さんに
お伝えしようとブログに記すことにします。

上記の共通の友人とお仕立て依頼のお客さまは
とある呉服屋勤務をされています。
そんな彼女に言わせると
採寸違いを何回もやらかしている
トラブルメーカーなのだとか。


そう、私が私のミスだけで
済ませられない理由はここにあります。


呉服屋さんのお仕立てをされている方は
直接お客さまの声が聞こえてこないので
実は採寸違いのとんでもない寸法に
仕立てているものも中にはあるかもしれません。

同じ着物を扱う仕事をしていながら
大切なお客さまの誂えを
採寸間違いで
着られない寸法に仕立てられたら
目も当てられない悲劇です。

最近よく耳にするのが
呉服屋で誂えたのに
身丈も身幅も大きくてとても着にくいと。

私に言わせれば
算盤勘定よりも、
採寸の基礎をしっかり頭に叩き込んでから
接客してほしいです。


きちんとされているところからしたら、
呉服屋をひとくくりに非難するのか!
と気分を害されるかもしれませんが
どうかお許しください。


○お仕立て依頼が初めての方
○何回も依頼を受けている方
○お久しぶりに依頼される方


先ずは体型の変化、特徴、すべて
聞いてあげてください。
可能なら着なれている着物、長襦袢を
お借りして採寸することをおすすめします。

どうか皆さま、私のような失敗はしないで
依頼者様に喜んでいただける
お仕事ができますようにお祈り申し上げます。


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