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​着物ができるまでその2

繊維の種類と生地が織り上がるまで

前回と同じproject you禅のメンバーから下村正美さん西岡裕史さんや万本遊幾さん登喜蔵さんをお迎えして専門的なお話しを伺いました。着付け師の吉原幸子さんにはユーザー目線からの質問をお願いしました。一回目の復習として繭から取り出す座繰りとずり出しという方法で糸に撚りをかけていく作業があります

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画像資料提供登喜蔵さん

撚糸の基本は右撚りがs左撚りをzとして双撚り•諸撚り(意味は同じ)撚糸を2工程にかける(2回目の撚りを逆方向にかける)事により、糸の戻ろうとする力を抑えることができ、取り扱いやすい糸になります。1回目の撚糸を下撚り2回目を上撚りと言います。駒撚り製造方法は双撚りと全く一緒ですが、下撚り•上撚りどちらにも1000回以上の撚りが入っています。通常、西陣•丹後(縮緬)では着尺の経糸利用されています。特徴としては硬さとシャリ感があるので汗をかいた際のベタつきが抑えられます。

機織りができる素材

麻、苧麻、綿、葛、藤、竹、バショウ、蓮、宮古、綿花、※アットゥシなど※オヒョウなどの木の内皮の繊維を織ったアイヌの織物衣服として作られた。

画像資料提供西岡さん


織物の種類について

基本的に織物は、平織、綾織、朱子織の3原組織で成り立っています。長撚糸の間に撚りのない糸を何本入れるかにより、一越、二越、三越という白生地が織り上がります。紋意匠綸子、羽二重などもありますが、メジャーなのは縮緬でしょうか。いずれも白生地の三大名産は濱縮緬、丹後ちりめん、絽縮緬の五泉と聞きます。あと、伝統無形文化財に指定されている 宮古上布、越後上布、近江のからむしなども厳選された素材で織り上げられた上質な織物です。

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機織りの種類について

日本の伝統的な機織りは、地機(じばた)高機(たかはた)があります。地機は、手機の一種です。日本では5世紀ごろ中国から伝わった機織り技術により、弥生時代からの原始機に機台をつけるなどの改良がなされて出現したと見られる。高機は居座(いざり)機に対して腰の位置が高くなっていることから付けられたであろう名称。地機と同じ5世紀半ばころに中国から伝えられたもので、主として絹織物の製織に使われたが一般には普及しなかったそうです。近世中期ごろから絹、木綿織物の全国的普及に伴い各地へ伝わりました。

ジャガード織豆知識

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昭和の高度経済成長期ころには、ジャガード織(機械織で全て経糸を上下する)が普及しはじめ“紋もの”という地紋のある生地をコンピュータで降り上げるようになりました。当時の技術では地模様に合わせた紋紙というものを使用していたそうです。39センチ幅の生地の中に柄が四つあるものを一対一で繋がる経糸3600本の針で織り4かま900本の経糸が900本の針金が通る仕組みなのだそうです。紋紙の柄のパターンを繰り返す事で組織を組み立てることができる複雑な機械を動かし、生産される皆さまのことはとても素晴らしく思います。

今回絹織物のお話しに出てきた白生地を使って、図案と染めのお話しになります。次回のお話しの前に代表的な染めの技法などチラリとお聞きしたのは、江戸型、伊勢型 鮫小紋の染め、表鮫は糊を置き、乾かしてから地色をおく 逆鮫 色を置いて白を残す技法などなかなか面白そうでした。

10月17日(日)20時より着物ができるまで〜を待つ部屋clubhouseにてお話しします。



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