光田健輔の「患者観」(2)
『島は語る ハンセン病市民学会年報2010』に集録された「総括座談 島の当事者の声を聴いて」より,徳田靖之氏と内田博文氏の発言から光田健輔の考えを検証してみたい。
1 「孤島隔離論」1915年,光田健輔は内務省に「癩予防に関する意見書」を提出する。その中で,光田はハワイのモロカイ島のような絶海の孤島にハンセン病療養所を設置して患者を収容すべきであるという考えを明らかにする。翌年,内務省は光田の考えを正式に採用する。
徳田氏は,なぜ光田が「島」を選択したかについて次のように推