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「共同親権」界隈の不気味さ

「連れ去り」「共同親権」でGoogleにて検索すると、自称「集団ストーカー被害者」が「行動する保守」に食い物にされていったかのように(下記参照)、自称被害者が女嫌いや「伝統的な家族」に依拠したがる日本の右派に唆されているような気がしてある種の憐憫を覚える。
* おそらくこれは昨今のQアノン系陰謀論と右派の繋がりにも見られることなのだろうが。しらんけど。

ここで面白いのはフェミニストだけでない(特に国際結婚する)日本人女性全体へのバッシングを、本来自国民の保護のためならなんでもするはずの右派さえも行っているということである。昔からどの文化圏でも、自らの共同体以外の出身者と結婚する女性に対しては(それこそcrime d’honneur、すなわち名誉の殺人の文化も存在するように)往々にしてバッシングを行うことがある。そこにウェブ上の文化では男性のホモソーシャリティに付随した女性蔑視ないし「特権階級」として扱われる(と彼らが認識する)現実の女性への反発が加わり「自国民女叩き」「異民族女持ち上げ」が行われる。例えば韓国のあの日刊ベストストア(일간베스토스토아; 일베)では韓国人女性を「キムチ女」(김치녀)と叩き日本人女性を「寿司女」(스시녀)として持ち上げているという話は見かけたことがある人もいるだろう。同様に日本の2ちゃんねる(現5ちゃんねる/おーぷん2ちゃんねる)でも男性論女性論板では20年以上日本人女性が日本社会における在日朝鮮人と同列かのように叩かれているし、それ以外でも日本人女性と白人や韓国人などの外国人女性を対比させて前者を叩く『これほど醜い日本人女性』だの、外国人男性と交際している日本人女性のブログなどを観察する『外専ブログを晒すスレ』などのようなものが往々にして受けている(後者は現在日本語圏Twitterでも「ポカホンタス女」のようなミームになっているようだが)。
なお、それでもこの手の運動には今の時点では日本人女性の賛同者もいるようだが、運動のコアメンバーが女嫌いを拗らせていけば彼女らの中にも嫌気が差して離れていく人が出てくるのではなかろうかという懸念がある。ちょうど「コリアンザサード」を名乗っていた新井知真氏が、在日特権を許さない市民の会(在特会)の黎明期に関わっていたもののコアメンの暴走を受けて離脱したように。

ところで「共同親権」を訴える彼らは「子供を日本人女性の元妻に誘拐された」と叫ぶ仏人男性ヴァンサン・フィショ氏を支援している。

しかし、もしこの男が白人ではなくムスリムのパキスタン人他南・西アジア系とか、日系ブラジル人他ラテンアメリカ出身者とか、ナイジェリア生まれの黒人とか、もしくは在日コリアンだったらどういった態度を取っていたろうか。答えはおわかりだろう。なおわからないという方は、それまでアジア(古くは日本や韓国、近年ではタイやカンボジアなど東南アジア各地など)やアフリカの子供と先進国の白人里親の国際養子縁組についてはまるでほぼほぼ何も言ってこなかった人権団体が「ウクライナの子供の国際養子縁組を即座に止めろ」とここ数ヶ月で急に言い出したことについて思いを巡らせてほしい。

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