定期試験を問い直す
やりっぱなしのテスト
「定期考査は、一つの振り返りツールである」
と、感じたのは、教員になってからだった。
学生時代の試験といえば、試験のために勉強し、解答用紙に書き殴ると同時に記憶から消去していくものだったし、
その点数に一喜一憂こそすれ、内容の見直しは真面目にやらなかった。
「直し」をきちんとやったのは、外部模試だけであった。
大学の試験はさらにひどく、点数すらわからない講義もあったから、
自分の書き上げた答案がどんなものだったのかなど知る由もないし、興味もなかった。
それではマズいんだ、試験は試験がメインなのではない、その事後の振り返りがよっぽど大事だと気づいたのは、教職について1年目のことだ。
ルーブリックとの出会い
生徒の関心事は得点のみであることは、自分の経験からも明らかであった。
どんな知識や思考が足りないとその問題が解けないのか、
逆にどんな知識や思考を行えばその問題が解けたのか、
その確認は、従来の解答では行えなかった。
そこで導入したのが、ルーブリックである。
ルーブリックについての細かい話は別の回に譲るとして、
ルーブリックの良さは、「まるかばつか」以外での自分の段階を知ることができることである。
あっていない場合にも、いろいろある。
あっている場合だって、いろいろある。
点が取れるのは、いいことである。
しかし、なぜ取れなかったのか(なぜ取れたのか)、どうしたら取れるようになるのか、を振り返り、
次の学びに生かすことこそが、定期試験の意義である。
「当たり前」を問う
点数自体に、意味があるわけではない。
その簡単な事実を、「学び手」時代に気がつかなかったことに愕然とした。
いかに競わされてきたのか、いかに数で測られてきたのか。
肝心なのは、数と向き合うことではなく、そこに現れる人と、自分と向き合うことである。
振り返ることは、未来を創ることである。
MAAM.
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