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セカンド7番の宿命

生得論的な考え方は、生き方の幅を狭めてしまうから嫌いだけど、痛いくらい主役と脇役の違いを考えさせられる。

セカンド7番(脇役)の人間は心の中が複雑だ。自分は自分の仕事をコツコツとやっていかなければいけないという謙虚さと、自分も派手に活躍できる日が来るんじゃないかという淡い期待を胸に潜ませている。

照明係が準備しだすと「あれ、もしかして俺にライト当たるか…?」とソワソワしてしまう。そして表情を作ってみたり、スポットライトに照らされる人たるべき心構えをしたりする。チャンスの匂いを思い切り鼻で吸い込む。

でも結局は主役がそのチャンスを奪っていく。なぜならその人が主役だからだ。

その時にセカンド7番人間の心は折れる。謙虚さという鞘に収まってしまう。

セカンド7番は「そうだよな」と言って、悔しさを押し潰して、納得したふりをする。期待してしまっていたという事実を揉み消そうとする。そして「俺は俺の道を行くしかない」と覚悟する。

主役になる人は悔しがったりする。

「なんで俺にチャンスが回ってこないんだ」と怒ったりする。それが貪欲さと呼ばれたりする。

こんなことをつらつらと書いているのは仲野大賀演じる新谷誠(まこっちゃん)の顔を見て、感情が昂ってしまっているからだ。


浅羽社長の敏腕っぷりや、キキちゃんの奮起、負けん気、根気、過去の悔しさを精算しようという意気込みなど、もっと書けることはあるけれど、恋あた2話を見ての最大の感想は、まこっちゃんの悟り顔だ。


寝落ちしてしまっているキキちゃんにかける毛布を取りに行っていたら、浅羽社長がやってきてジャケットかけるし、キキちゃんが泣いて会社から出て行った時もまこっちゃんはめちゃくちゃ探して、電話もして、それでも見つからないし繋がらない。なのに浅羽はすぐ見つけるし、電話つながるし、社長特権で「社員にしてやるよ」とかいうサプライズ。酷すぎる。

まこっちゃんはめちゃくちゃ気が遣えて、レストランでも話ふったりしてたし、キキちゃんのことを考えてあげたり、一緒に作業してたのに、金持ちでやり手のイケメンが全部持っていく。「なんなんだよ」って見てる途中に本当に声に出して言っちゃったし。キキちゃんも最後「あれ、まこっちゃんじゃん」みたいな澄ました顔してたし、なんなんだよ。

でも、それでも、これからもまこっちゃんは良い人としてキキちゃんに接する。絶対に。それがセカンド七番人間ができる精一杯だから。良き友人としてサポートしてあげる。”身の程”みたいなものを痛感しちゃって心が折れてるから。

脚本家さん、まこっちゃんにスイーツ世界選手権で優勝とかそういう幸せをあげてください。

買いたい本を買うために使います!!