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僕らは皆、マルチバースに生きている 『ドクター・ストレンジ MOM』感想文

課題のレポートをやらずに、noteを書いている。それが唯一の道なのだろうか。only wayなのだろうか。Are You happy?

この映画ではOnly wayとかAre you happy?といったセリフが数回出てくる。今のユニバースで、今の生き方で俺は幸せか、あなたは幸せか。他の可能性があったのではないか。それがこの映画のテーマ部分だろう。

特にワンダは616のユニバース以外では全員が子供と一緒に暮らしていた。だからこそ、このユニバースで幸せだろうかと問う。(答えはNoなのだけれど)

そしてストレンジの場合も大体、魔術師になってヒーロー活動をしていた。映画を見ている途中、「魔術師になってなくて、片田舎でただの町医者してるストレンジとかいるのかな」とか思っていたのだけれど、残念ながら町医者ストレンジは出てこなかった。マルチバースならありえる気がするんだけどな。医学部受験に失敗して多浪系YouTuberとして人気を博しているストレンジもありえるよな。

正直ストーリー部分よりイカれたサムライミの暴走に心を奪われていたので、あまりストーリーで感動はしなかった。けれど、ストレンジの問いかけは僕の心になんとなく刺さった。

これが唯一の方法か、唯一の道か、という問いは生きていく上で結構大事だ。視野狭窄は人の心も狭めてしまい、逃げ場をなくしてしまう。その結果ワンダはマルチバースに狂気的に囚われ、アメリカ・チャベスを執拗に追いかけ、めちゃくちゃチープなイルミナティを惨殺することになる(これは爽快すぎた)。けれど、唯一の道から逃れる方法はダークホールドでもマルチバースでもなく、意外と勉強なのではないか(と個人的には思っている)。つまりは本を読むこと(ならダークホールドも当てはまってしまうけどね)だ。

最近『日本の部活(BUKATSU)文化と心理・行動を読み解く』という本を読んでいる。アメリカや欧州の国と比べて日本の部活がどれだけ異常なのかが書かれた本だ。
僕は中学の頃、部活が全然好きじゃなかった。時間をめちゃくちゃ拘束される上に楽しくもない。ただ学生生活に必須だったからやっていた。その頃の自分にとってはその部活のあり方が唯一だった。学生がスポーツをやる時には勝利を目指すべきで、一つのスポーツに一途であるべきで、諦めない気持ちが大切で気持ちの勝負で…と思っていた。けれど、全然そんなことない。アメリカでの考え方は全然違う。もはやバース一個違うくらいのものだ。

自分が唯一の道だと思っていることも何かを学ぶことでガンガンに揺さぶられる。それは世界が揺らぐことであり、インカージョンが起こっているようなものだ。その揺らぎの中で自分の立ち位置を見定めるのは大変なことではあるけれど、唯一の道は唯一ではなくなる。相対化ができる。それを言ったところでワンダが納得するかはわからないけれど、僕らも十分マルチバースオブマッドネスに取り憑かれる可能性はあるし、そんな時は唯一だと思っている価値観を揺さぶるヴィシャンティの書を手に入れることが重要だと思う。

ところでインカージョンって何?


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