見出し画像

えまだより。vol.5



 お久しぶりのえまだより。きょうは本。1月分の読書録。
 最近、三度の飯より、映画より、アニメより、音楽より、活字!という感じの生活になっていて。いつか誰かのツイートか、エッセイ本かで読んだ気がする、「通勤中の電車で読んでいた物語の展開が気になりすぎて、午前中は有給もらった」ってやつをしたいくらいに、本に埋もれて生活中。本を読むことにも疲れちゃったら、ちゃんとお仕事にもまじめに行くから、この体力がある間はお休みして、本読んで1日を溶かす生活がしたい。



私のことが好きじゃないとかセンスないよね/あたりめ

 暴論も暴論だけど、ほんとにスカッとする。自分の過去の恋愛を客観的に考えたときなんかは、全然このメンタルなのよ。そうなんだけど、恋愛真っ最中のわたしはどうしても聞く耳持たずだし、「なんだ。わたしのこと大事にしてくれないなら、いらない。」って切る勇気なんてないわけで、結局相手から嫌われないように振舞っては、”なんだか、わたしの好きなわたしじゃないなとな…”って、自己肯定感もマントル超えてブラジル側の宇宙まで行ってしまうわけです。
 でも、もう、わたしには、そんな悠長に恋愛している時間は残されていないから、見切り付けて「貴重な時間よくも無駄にしてくれたな!」とでも、電話口で叫びながら、相手と離れられる強さがほしい。まぁ、そんな恋愛はもうしなくていい方がありがたいけどね。ついでに、自己肯定感爆上がりさせてくれるのでおすすめ。


未来を約束するほど好きなのにどうしてまだ不安なんだろう/もちこ

 こちらも、恋愛エッセイ。優しいくて、的確に心にじんわりと沁みこんでくるタイプ。恋愛に悩んだ時に、そばにいて「うんうん、そうだよね。辛いね」って、静かに話を聞いてくれるような。
 そうそう。絶賛恋愛中のときは、もうその人のことしか見えなくて、わたしには絶対的に優しいし、絶対にずっと一緒に居るんだなんて思うよね。でも、そんな幸せの中にいても、ふと終わった恋たちとすれ違う瞬間があって、この恋もいつか終わってしまうかもしれないし、この人のことも、もう二度と顔も見たくないくらい嫌いになってしまうかもしれないな、なんてことを思って不安になったりしちゃうんだよね。でも、見えない未来を不安に思うより、いまこの瞬間を大切にして、目の前の人とあたたかい時間をたくさん過ごす、それでいいじゃないって思い直させてくれる。


世界は救えないけど豚の角煮は作れる/にゃんたこ

 YouTubeで、お酒飲みながらごはんたべる動画をひたすら見ていた時期があって、その頃に彼女のことを見つけたの。言葉選びがとっても好きで、発売されてからすぐ買ったんだけど、積読して読めていませんでした。その期間、およそ2年(ひぃ)。
 開いて、どうしてこんなにおもしろい本を読まずにしまっておけたんだろうと思っちゃった。彼女は本当に強くて優しい人なんだと思う。感情は、他人と関わるからこそ生まれるものだと言うことを深く理解している。自分の心は自分で守らなければいけなくて、自分のいちばんの親友は自分でいなければということを、実践して教えてくれているように思った。どんなときでも、自分のことを守れる強さと、いざとなったら大切な人を守れる強さと、傷を包み込む優しさを持っている。そんな、彼女の人柄が表れている一冊だと思った。


はじめての動物地理学/増田隆一

 動物地理学の専門書。わたしは、基本的に好奇心が5歳児のそれなので、好きなものと知らないことが組み合わさっていることとか、単純に興味を示したものは自分で見てみたいというのが大きい。これに関しては、副題になっている、「なぜ北海道にヒグマで、本州はツキノワグマなの?」を見て、たしかに…!となって、借りたの。おもしろかった!
 やっぱり、専門書は知識に加えて、言葉も習得途中の子どもたちが読むものと想定されて書かれたものが一番分かりやすくて、読みやすくて、おもしろく最後まで読める。
 クジラはカバの仲間なのも、ウマは中指でつま先立ちしてるのも、ぜーんぶ初めて知ったし動物地理学以外にもタメになる情報がたくさんあってほんとにおもしろかった。どう?みんなも気になった?


彼女の背中を押したのは/宮西真冬

 家族でも、家の外でのみんなの立ち位置や、人間関係はわからないもの。離れて暮らすようになったら、家での姿さえもわからなくなってしまう。そうして、古い記憶に家族を閉じ込めているうちに、真実から遠ざかってしまうことってあると思う。知らぬ間に相手につけてしまったレッテルをはがすのは、簡単なことではないだろう。
 学校ではやんちゃな男子が家ではめちゃめちゃ優しいお兄ちゃんで、妹の手を引いて歩いているところを、休日の外出先で見つけたときのような、心を許した途端に乱暴な言葉を使う人だと知ってしまったときのような。ほんの少しの衝撃で、相手への印象がぐるっと変わっていく、そんな一冊でした。


マスク越しのおはよう/山本悦子

 コロナ禍になってからの学校のことはわからないけれど、きっと、こんな感じなんだろうなって。現代をそのまま映したような一冊でした。
 手を取り合って再会を喜び合うこともせず、きのうみたテレビの話や、朝の小テストの出来がどうだったかについて話すこともできないまま、みんなで同じ方向を向いて、黙々と昼食をとる。いまの学生たちの写真はマスクと共にあって。この数年でいろんなことが変わったよね。わたしは鼻より下のことを、”顔の下半身”と呼んでいたんだけど、”顔パンツ”なんて言葉もできてさ。悲しい変化も多いけれど、人間関係を見直すことができたし、大切な人ともっと深く関わり合えるようになった。意外なつながりが増えたり、顔の見えない友達が増えたことも、わたしには大きな収穫だったかもなぁ、なんて思ったりして、本を閉じました。



 こちらのマガジン『えまだより。』は、普通の記事より短めでサクッと読めるものにしていこうと思ったのに、余裕で2000字を超えてしまった。今後も、観たもの、読んだものの記録、スキなもの・ひと・ことのシェアを、のんびり続けていけたいと思います。
 きょうも、読んでくれてありがとうございます。また、次回のえまだよりでお会いしましょう。





わたしのペースで、のんびり頑張ります。よかったら応援もよろしくお願いします。