エルシィ

VRChat等で活動する創作グループ「観測者」について

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最近の記事

幕明

機械惑星にも朝日は昇る。 —— CC.2022 昨日深夜から続いた宴会は鳴りを潜め、幾人かの局員が青白い顔で引っ繰り返っている。 医務課に這っていく者や引き摺られていく者、様々あるが大惨事にならなかっただけいいだろう。 ヴィルーパの朝は何時もと変わらない。 下層では時間を知らないアンドロイドや継ギハギが忙しなく動き、スゲ我エ達が次なる頭部を探し廻っている。 かたや上層では治安統轄庁の犬が睨みを利かせ、澄ました顔をした企業連の職員が通り過ぎてゆく。 私はラボ最上階から宇宙

    • 波長

      「いや〜、今日も疲れたなぁーーーーーー…帰ろ♪」 「おいこら勝手に帰るな!」 「今日のメニューは一味ちがいますよぉ~…」 「私もいろいろ入れたからな!」 「何変なもん入れようとしてんだアホ二人!」 「はわわわ…!はわわわ…人がたくさん並んで…」 「お~~シィちゃんにぬきちゃんじゃないかー。ここの席いい?」 「あ、もにか。いいよ」 「大丈夫ですよ、もにかさん」 「今日の食堂めちゃくちゃ混んでるけどなんかあったの?さっき星間出張から戻ってきたばっかでさー」 「いべんとめにゅー?

      • 連綿

        星暦2753年…企業十三連合が崩壊してから数百年… 執行部警備隊より緊急連絡! 敵対勢力は攻撃型オーパーツを使用し第12ラボに向かって侵攻中! 接敵まであと30分と予想されます! 執行部所属局員は迎撃準備、他部署局員は各防衛拠点へ急行してください! これより第12ラボは厳戒態勢へ移行し、300秒後に隔壁の閉鎖を行います! ―――繰り返します… うぅ…頭が重い。昨日は遠方の星系からの出張帰りで疲れてたからそのまま寝ちゃったんだっけ…? でもなんだか周りが慌ただしいな…?

        • 鋭敏

          私はアリーナ・サーヴィシュナ・グドリャナ。 株式会社「観測者」会計課所属の2年目局員よ。 今日は定期巡回で別部署の局員さんがくるみたい。 どんな人が来るのか楽しみ!! 「異常生態課、エルシィ・ハイデルベルクです。本日はよろしくお願いします。」 ん…異常生態課…? 「ほ…本日対応させていただきます会計課所属のアリーナ・サーヴィシュナ・グドリャナです!こちらこそよろしくお願いいたします!!!」 「アリーナ局員………確認しました。」 「え…エルシィ局員…は、異常生態課?に所属さ

          漠然

          ここは株式会社「観測者」・本社ビル11階、会計課。 私はアリーナ・サーヴィシュナ・グドリャナ。 新卒で入社し、会計課に配属になってから2年。 だんだんと仕事も覚え、少しは任されることも増えてきた。 「アリーナ局員。こちらの台帳のチェックお願いします。」 「承知いたしました!」 「では2冊、お願いしますね。」 ええと…[CC2020年度███研究開発予算申請書]…?に、[CC2020年度███ラボ修繕予算申請書]…? 台帳のタイトルを目にした瞬間、視界にノイズが走ったよ

          胎動

          この日は雨だった。 昨日も雨。 明日も雨。 今日も雨。 明後日も雨。                          でも今だけは晴れ。 ―――下層 Sector0015 ここは番号からわかる通り非常に古い区域である。 付近には0013や0014が存在していたが、前者は地下から有害なガスが噴出していて、居住者に生身の者はほぼ存在しないという危険地域で、後者はというと何年か前…いや、何百年か前くらいに崩落もしくは消滅してしまったらしい。(らしい…というのは誰も原

          末端

          「貴女は一体何を考えているの?」 「さあ?」 … 数時間前。―上層 ESR-Corp. 「観測者から来ました。エルシィ・ハイデルベルクと申します。」 「本日の要件は”定期巡回”でして、そちらの担当の…」 「―――本日の”定期巡回”お疲れさまでした。また次回もよろしくお願いいたします。」 「…さて、では本題の方に移らせていただきますね。」 「我々ESRの中に内通者…ですか。どこでこんな情報を?」 「私たちは『観測者』ですから。そういう情報もたやすく手に入れられる

          情景

          「知ってるか…?上層では”外”が見えるらしいぜ。」 下層ではこんな会話は珍しい。下層は他層からの情報が限られているからだ。 「なんでもフタ?みたいなのがぐいーんって開いてよぉ…」 「いやいや、俺が聞いたのは透過液晶らしくて…」 「ちがうよ!大きい穴みたいなのがどかーんって…」 … ここ最近、下層への情報流出が増えている気がする。 ウソかホントかは別として。 悪いことではないけども、ここまで大規模だと誰かが情報を流しているような気がする。 「…あとで情報統制の強化

          日常

          ここは異常生態課。 いつものように書類仕事をする人、自分の研究に没頭する人、外に出て調査する人などさまざまだ。 「今日は平和だな」 「いつも平和ですよ」 「もはや平和ってなに」 「こんな会話してることさ」 他愛もない会話。 まぁ、外では カチッ       ドゴォォォォン 「また爆発したぞーーーー!!!!」 「私のマウスとモニターどこやったんだこのクソ兎!!!!!!」 「おいこらはやく娯楽室から帰ってこい!!!!」 「この報告書白紙じゃねえかーーー!!書き直せ

          長日

          第202103091012号事案が起きたあの日、私はとんでもない量のタスクをこなしていた。 「総務部部長がリュシオル局員になってからさらに厳しく…もっと早めにやっときゃよかった…」 ぽつりと呟く。 つい先日発生した第202103091012号事案の報告書やら溜まった書類やらを、あのMr.TAKE部長も好んで飲用するという観測者飲料を片手に虚な目で処理していく。 わりと報告書が出来上がったところで緊急要請が飛び込んでくる… ≪EMERGENCY!EMERGENCY!≫

          一抹

          私は焦っていた。 何に?と言われると思い当たる節はないのだが、ラボに向かって歩きながら言われようのない焦燥感に襲われていた。 ただあんまりにも漠然とした感覚に、私の脳は警鐘を鳴らしている。 「これはおかしい」と。 思い返してみれば、昨日何食べたとか―― 「昨日?」 つい口から出てしまったが、周りには人もまばらで気づかれていないようだった。 さておき、昨日の夕食は…なんだっけ?…ただ夕食後に甘味を食べたことは覚えている。 「期間限定ミツカガチのケーキおいしかったなぁ…」 最

          設定

          VRChat上のRP組織「観測者」に所属するキャラクター「エルシィ・ハイデルベルク」に関する設定である。 氏名:エルシィ・ハイデルベルク 性別:女性 出身:ヴィルーパ 上層 種族:狐獣人(元人間) 年齢:18歳 所属:異常生態課 番号:K_Iz_132 特徴:方向音痴、迷いやすい ヴィルーパ生まれ。上層のハイデルベルク家の長女として生まれる。 幼少期より植物に強く興味を持ち、両親の目を盗んで中層や下層に行っては植物生体を持ち帰り自室で栽培研究をし、記録を取っていた。 そ