幕明

機械惑星にも朝日は昇る。 —— CC.2022


昨日深夜から続いた宴会は鳴りを潜め、幾人かの局員が青白い顔で引っ繰り返っている。
医務課に這っていく者や引き摺られていく者、様々あるが大惨事にならなかっただけいいだろう。

ヴィルーパの朝は何時もと変わらない。
下層では時間を知らないアンドロイドや継ギハギが忙しなく動き、スゲ我エ達が次なる頭部を探し廻っている。
かたや上層では治安統轄庁の犬が睨みを利かせ、澄ました顔をした企業連の職員が通り過ぎてゆく。

私はラボ最上階から宇宙そとを見る。
此処からの景色は何物にも代え難い。


「今年も宜しくね。」


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