末端

「貴女は一体何を考えているの?」


「さあ?」

数時間前。―上層 ESR-Corp.

「観測者から来ました。エルシィ・ハイデルベルクと申します。」

「本日の要件は”定期巡回”でして、そちらの担当の…」


「―――本日の”定期巡回”お疲れさまでした。また次回もよろしくお願いいたします。」
「…さて、では本題の方に移らせていただきますね。」


「我々ESRの中に内通者…ですか。どこでこんな情報を?」

「私たちは『観測者』ですから。そういう情報もたやすく手に入れられるのです。」

「そう…ですか。」

「というわけで元の場所に戻っても大丈夫ですよ。内通者さん?」

「あああ!!クソッ!苦労して潜入したのに!!!」
「ここまでのし上がるのにどれだけ頑張ったか!!貴女にはわからないでしょう!!」

「…そうね、知りもしないわ。」

「貴女『観測者』なのに分からないのね!!アハハハハッ!!」
「そんなことどうでもいい!この!私に!何を要求したいの!」

「…中層ヤクザの末端風情に何か要求があるとでも?」

「どこまでも貴女は私を愚弄するのね!!!」

「仕方ないわね。一つ要求があるわ。」
「ESRから早く立ち去りなさい。―さもなければ…」

「わかったわ!わかったわよ!立ち去ればいいんでしょう!!!」








「では、さようなら。」

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