連綿

星暦2753年…企業十三連合が崩壊してから数百年…

執行部警備隊より緊急連絡!
敵対勢力は攻撃型オーパーツを使用し第12ラボに向かって侵攻中!
接敵まであと30分と予想されます!
執行部所属局員は迎撃準備、他部署局員は各防衛拠点へ急行してください!
これより第12ラボは厳戒態勢へ移行し、300秒後に隔壁の閉鎖を行います!
―――繰り返します…

うぅ…頭が重い。昨日は遠方の星系からの出張帰りで疲れてたからそのまま寝ちゃったんだっけ…?
でもなんだか周りが慌ただしいな…?

「…い…おい…おーい!そこのおまえ!何ぼーっとしてんだ!C-021防衛拠点に人が足りないからそっちに行ってくれ!」
「おまえだおまえ!分社の前に立ってるおまえだよ!きこえないのか!?」
「あ?なんだその恰好?白衣…?」
「んー?てか誰だおまえ…まあいい!いいから俺についてこい!」

C-021防衛拠点と呼ばれているその場所は、防衛拠点とは名ばかりの土嚢を積み上げ、重火器をいくつか置いただけの簡素なものだった。

「俺は、観測部局員の浦坂アキ。おまえ…いや、君はどこの所属の誰だ?」
「わたし…わたしは…異常生態課の」
「は?異常生態課?」
「へ?」
「異常生態課って250年前くらいに研究部と統合になったはずじゃ…」
「何を…言っているの?」
「いやこっちが聞きたいが…で、名前は?」
「…エルシィ・ハイデルベルク…」
「うーん…やっぱり知らねぇな…。あー、データベース見るか」
「…」
「ほんとに観測者ならデータベースに…ってあった…うわまじか星歴2020年代かよ」
「え……今は何年なの?」
「うわー…それを本当に聞くことになるとはな…。今はな、星歴2753年だ。」

脳に衝撃が走る。星歴2753年。私がいた時代から730年後。どうしてこんなところに…。

「あー…この状況、マズイな。ちょっと話はあとだ!」

「早いなクソ!やつらが来た…!エルシィ!さが…」

耳障りな金属の擦れる音がしたその瞬間、私は周りの地面ごと吹き飛ばされていた。

吹き飛ばされながら、私はこのあと死ぬんだろうなと考え…そのまま目を閉じた。







「…シィ!エルシィ!おきろー!」
「やっと起きたようね。心配したわよ」
「うわ!え!?あれ???ナズナさん?わたぬきくん?今何年?」
「は?エルシィなにいってんの?いまは―――」




―――星歴2021年よ

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