記事一覧
そしてミランダを殺す/ピーター・スワンソン
ある日、ヒースロー空港のバーで、離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに声をかけられる。彼は酔った勢いで、1週間前に妻のミランダの浮気を知ったことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。話を聞いたリリーは、ミランダは殺されて当然と断じ、殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され、決行の日が近づいたとき、予想外の事件が
もっとみる通い猫アルフィーのはつ恋/レイチェル・ウェルズ
飼い主を亡くした悲しみを経て、エドガー・ロードで“通い猫"として暮らすようになったアルフィー。ある日、空き家だった48番地に新しい家族が越してきた。だが何かから隠れるように人目を避ける一家の不審な様子に、近隣住民はざわつきだす。アルフィーはその一家と、彼らが飼う心閉ざした白猫のことが気になり……。悩める者のため1匹の猫が立ちあがる! ? 全英絶賛ハートフル猫物語、第2弾。
【相関図】
【感想】
イスタンブールの群狼/ジェイソン・グッドウィン
【アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞】
オスマントルコ帝国近衛新軍に衝撃が走った。四人の士官が突然姿を消し、次々に惨殺死体で発見されたのだ。スルタン隣席の閲兵式を間近に控え、早期解決をもくろむ司令官は、聡明で鳴る宦官ヤシムに調査を託す。死体が指し示すのは、近代化のために抹殺されたかつての最強軍団イェニチェリの残党だった。背後には不穏な動きが見え隠れする……歴史ミステリの傑作
【相関図】
サピエンス全史/ユヴァル・ノア・ハラリ
ホモ・サピエンスが文明を築き、世界を制覇したのはなぜか? 人類の誕生から狩猟採集、農業革命を経て歴史の統一まで描く、巨大な物語。
文明はなぜ爆発的な進歩を遂げ、近代ヨーロッパは世界の覇権を握ったのか? 帝国・科学・資本を中心に未来への幻想が生まれる歴史を解く。文明は人類を幸福にしたのか?
【感想】
アメトーークで評判になった本。人類の始まり,狩猟生活から,農耕への転換,土地にしがみつくことになっ
ソーラポンズの事件簿/オーガスト・ダーレス
シャーロック・ホームズを模して書かれた贋作、偽作の類は、天文学的な数字に上っている。中でもダーレスの創造したソーラー・ポンズは〈プレイド街のシャーロック・ホームズ〉といわれるほど生き写しのキャラクターだった。その全70編の作品中から、「消えた機関車」「アルミの松葉杖」「丸い部屋」「顔のつぶれた男」「消えた住人」「一人暮らしの小説家」「沼地の廃墟」「サザビー村のセールスマン」「ファヴァシャム教授の失
もっとみる罪人のカルマ/カリン・スローター
女子大学生の失踪事件が発生。
特別捜査官ウィルはなぜか捜査から外され、忌まわしい事実を知らされる。
40年以上前に凶悪な連続殺人事件を起こし、終身刑になった実の父親が仮釈放されているというのだ。
やがて発見された女性の遺体には見るも無惨な拷問の痕があり、それはウィルの父親の手口と酷似していた――。
1975年と現在、ふたつの事件が交錯するとき、戦慄の真実が浮かびあがる!
【相関図】
【感想】
フィリグリー街の時計師/ナターシャ・プーリー
1883年ロンドン。内務省に勤める孤独な青年サニエルは、誕生日の夜、下宿部屋に見覚えのない懐中時計が置かれていることに気づく。
半年後、スコットランドヤードを狙った爆破テロから間一髪、彼を救ったのは、奇妙なその時計だった。
爆弾にも使われていた精緻なぜんまい仕掛け――これは偶然の一致なのか。
サニエルは知人の警視の依頼で、天才時計師と名高い日本
人モウリの周辺を調べだすが……。
ローカス賞処女長編
皮膚の下の頭蓋骨/P.D.ジェイムズ
二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。そこの贅を凝らした壮麗な舞台で演じられる古典劇に招かれ、いま、数人の客が島を訪れていた。主演女優クラリッサの義理の息子、従姉妹、元愛人……女探偵コーデリア・グレイもそのひとりだった。頻々ととどく死を暗示する脅迫状におびえるクラリッサの身辺警護のためである。狷介な女優とそれぞれ思惑を胸に秘めた七人の男女——不吉な雰囲気の漂うなか、開演を目前に、自室で顔を叩
もっとみるザ・プロフェッサー/ロバート・ベイリー
アラバマ大学ロースクールの老教授トム。学生時代に同大フットボール部で全米チャンピオンとなり、卒業後は弁護士となるも恩師の導きで再びこの大学で教鞭を執り、法学者として順風満帆な人生を過ごしてきた。しかし今は愛する妻を失い、友人の裏切りから不名誉な形で職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫を大手運送会社のトラック事故で失った彼女は、トムに「法廷で真相を知
もっとみる荊の城/サラ・ウオーターズ
CWAヒストリカル・ダガー受賞&第1位
「このミステリーがすごい! 2005年版」海外編ベスト10
19世紀半ばのロンドン。17歳になる孤児スウは、下町の故買屋の家に暮らしていた。ある冬の晩、彼女のもとに顔見知りの詐欺師がやってくる。さる貴族の息子というふれこみで、〈紳士〉とあだ名されている、以前スウの掏摸の腕前を借りにきたこともあった男だ。彼はスウにある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかし