フィリグリー街の時計師/ナターシャ・プーリー
1883年ロンドン。内務省に勤める孤独な青年サニエルは、誕生日の夜、下宿部屋に見覚えのない懐中時計が置かれていることに気づく。
半年後、スコットランドヤードを狙った爆破テロから間一髪、彼を救ったのは、奇妙なその時計だった。
爆弾にも使われていた精緻なぜんまい仕掛け――これは偶然の一致なのか。
サニエルは知人の警視の依頼で、天才時計師と名高い日本
人モウリの周辺を調べだすが……。
ローカス賞処女長編賞候補作。
相関図
【感想】
1883年のロンドン,爆破から救われた内務省の勤務員。日本人の時計師がいて,と設定に惹かれるが,これは推理小説ではないね。スチームパンクというやつだそう。訳の分からない機械仕掛けのタコがずっと出てくる。しかも名前がカツ(勝つの意)。登場人物が誰しも「わたしにはわからない」の連続だから,謎解きにはならない。作者は日本に留学してたそうだが,日本人はこんな風に変な感じで見えていたのだろうか。妙に評判がよいようだが?絶版です。裏表紙の概要に惑わされず,SFとして読まないとがっかりする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?