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海外のミステリーを読んでいます。海外物はよく「いったい誰なんだよ?」と人物名を忘れて分…

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海外のミステリーを読んでいます。海外物はよく「いったい誰なんだよ?」と人物名を忘れて分からなくなるので,相関図を書いています。これで,本を読むスピードが速くなりました。

最近の記事

炒飯狙撃手/張 國立

イタリアの小さな炒飯店で腕を振るう台湾の潜伏工作員、小艾はある日命令を受け、ローマで標的の東洋人を射殺する。だが根城に戻ったところを何者かに襲撃され、命を狙われる身に。一方、定年退職を12日後に控えた刑事老伍は、台湾で発生した海軍士官と陸軍士官の連続不審死を追っていた。やがて遺体に彫られた“家”という刺青が二つの事件をつなげ――。背後に蠢く巨大な陰謀とは!? 相関図 【感想】 冗談のようなタイトルだが,しっかりしたスナイパー対老刑事のサスペンスミステリになっている。主人公

    • 閉じ込められた女/ラグナル・ヨナソン

      本国アイスランドや英米で人気を誇る女性警部フルダ・シリーズ、ファン待望の完結編! 真冬のアイスランド高原地帯。猛吹雪が襲う人里離れた農場に、一人の男が訪ねてくる。農場主の夫妻は、あり得ない天候の下での来訪を不審に思うものの、男を招き入れる。男はレオと名乗り、ハンティング中に仲間とはぐれたと言った。 やがて男は、夫婦の隙を見て家の中を探り始めた。 真冬にハンティングに来たという男の言い分がそもそもおかしかった。夫のエイナールが男の荷物を調べると、多額の現金とナイフが見つかる。

      • 喪われた少女/ラグナル・ヨナソン

        前作『闇という名の娘』の衝撃のラストから遡ること15年。 女性警部フルダ・シリーズ、待望の第2作。 1978年10月、アイスランド西部フィヨルドへ秘密の週末旅行に向かう若い男女がいた。数日後、地元警察のアンドリェスは別荘で死亡している女性を発見する。 残されたセーターから彼女の父親が犯人と見たレイキャヴィーク警察のリーズルは、アンドリェスに嘘の証言させ、父親を逮捕する。 10年後、殺された彼女を偲んで4人の仲間が集まった。ベネディフト、アレキサンドラ、クラーラ、そして死ん

        • 闇という名の娘/ラグナル・ヨナソン

          レイキャヴィーク警察・犯罪捜査部の女性刑事フルダ・ヘルマンスドッティルは、”ガラスの天井”に出世をはばまれ、警部止まりで64歳の定年をむかえようとしていた。 ある朝フルダは、20歳も年下の上司に呼び出され、2週間後に部屋を明け渡すように言われる。フルダが担当している事件も、すでに他の者に割り振ったという。 残りの2週間、フルダに許されたのは、未解決事件の処理だった。そこでフルダは、1年前海岸で遺体で発見されたロシア人女性の再捜査を始めるのだが‥‥。フルダを悲惨な運命が襲う。

        炒飯狙撃手/張 國立

          荊の城/サラ・ウオーターズ

          CWAヒストリカル・ダガー受賞&第1位 「このミステリーがすごい! 2005年版」海外編ベスト10 19世紀半ばのロンドン。17歳になる孤児スウは、下町の故買屋の家に暮らしていた。ある冬の晩、彼女のもとに顔見知りの詐欺師がやってくる。さる貴族の息子というふれこみで、〈紳士〉とあだ名されている、以前スウの掏摸の腕前を借りにきたこともあった男だ。彼はスウにある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その巨額の財産をそっくりいただこうというのだ。スウの役割は、令嬢の新し

          荊の城/サラ・ウオーターズ

          目くらましの道/ヘニング・マンケル

          イースタ署のヴァランダー警部は、夏の休暇を楽しみにしていた。つきあっているバイバと旅行に行くのだ。そんな平和な夏の始まりは、一本の電話でくつがえされた。不審な女性がいるとヴァランダーが呼ばれて行った先の菜の花畑で、少女が焼身自殺。身元も自殺の理由も不明。目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように、事件発生の通報が。殺されたのは元法務大臣。背中を斧で割られ、頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られていた。これがすべての始まりだった。 CWAゴールドダガー賞受賞の傑作。

          目くらましの道/ヘニング・マンケル

          青チョークの男/フレッド・バルガス

          夜毎パリの街の路上に描かれる青い円。その中に置かれるガラクタの数々。ある日はクリップ、別の日は人形の頭、そしてまた別の日はオレンジ……。変わりものの哲学者の仕業? しかしある朝、様相は一変した。そこに置かれていたのは、喉を切られた女性の死体だった。そしてまた一つ、また一つ死体が……。パリ第五区警察の署長アダムスベルグが捜査を開始した。現代仏ミステリ界の女王が放つ、本格ミステリ新シリーズ、第1弾! 相関図 【感想】 変な小説,書きぶりなのか,よく分からない文章。比喩なのか,

          青チョークの男/フレッド・バルガス

          彼は彼女の顔が見えない/アリス・フィーニー

          相関図 【感想】 彼と彼女の主観視点から語られる。手紙で書いてあるがアメリカ人特有なのか,甘々な文章のやりとりが,中盤からかったるくなる。第三の登場人物が現れ,どう展開するのか。出足の無人のチャペル,地下室,大雪でほぼ密室状態の怪しい雰囲気はあまり生かされず。作者の好む「信頼できない語り手」が手紙で延々綴るというのが,ついて行きにくくするのだろう。相貌失認は中盤で書かれているが,特殊設定ならではだろうと思えてしまい。たびたび出てくる「石,紙,ハサミ」(原題らしい)もなぁ。う

          彼は彼女の顔が見えない/アリス・フィーニー

          通い猫アルフィー/レイチェル・ウェルズ

          相関図 【感想】 猫である。猫小説として評判が高い。飼い主が死んで,迷い猫となったアルフィー。住宅地で通い猫として生きることを決める。色々と問題のある住人達だが,猫だから,何ができるというわけでもなく。これがうまいことまとまってくる。通い猫ねぇと考えたら,実家にいた猫が通い猫だった。20年以上居て母親が面倒を見ていた猫で。自分は外に出ていたからたまにしか合わなかったが,ある日帰ってきたときに道で似た猫が歩いてたので「とらー」と声を描けたら「にやぁ」と一言。猫は顔見知りはわか

          通い猫アルフィー/レイチェル・ウェルズ

          事件当夜は雨/ヒラリー・ウォー

          相関図 【感想】 地道に証拠をたどり,とにかく容疑のある者をかたっぱしから当たっていくという警察捜査はこんなものだ,がわかる小説。ところどころに推理はあり,読者も証拠と共に追っていける。前作と違うのは,終盤犯人は2人に絞られ,拘留されるが双方の言い分が違うという。発表は1961年,当時としてはこの動機はまだ珍しいかも知れない。今読んでもおもしろいと思う。

          事件当夜は雨/ヒラリー・ウォー

          ミステリアム/ディーン・クーンツ

          相関図 【感想】 犬好きのためのサスペンスミステリー。高機能自閉症IQ186の少年と高度の知能を持つゴールデンリトリバー,なかなかのフックの効いた主人公。死んだ飼い主の意を継ぐ看護師,犬が出会った黒人の作家,それぞれがどこで出会うのかというのが半分を占める。ハイテク研究所の爆破を逃れた遺伝物質に汚染された男と背後で金を操る富豪を闘うわけだが,かなり引っ張ってすっと終わる。後日談が淡々と書かれるのはアメリカ映画のよう。人と犬を書くのが目的のようで,それはそれでいい。SFチック

          ミステリアム/ディーン・クーンツ

          軋み/エヴァ・ビョルク・アイイスドッティル

          同居していた恋人との関係が唐突に終わり、エルマは長年勤めたレイキャヴィーク警察を辞め、故郷アークラネスに戻った。 地元警察に職を得て間もなく、観光名所であるアークラネス灯台の麓の海岸で女性の不審死体が見つかる。所持品はないに等しく身元の特定が進まなかったが、数日後、妻が行方不明になったという届け出がある。死体はクヴァールフィヨルズルに住むエリーサベトというパイロットのものだった。 夫によると、エリーサベトは死体となって発見される前日からカナダ便に搭乗し、三日後に帰宅する予定だ

          軋み/エヴァ・ビョルク・アイイスドッティル

          天使の鬱屈/アンドリュー・テイラー

          夫と別居し、教会付属の図書館で働き始めたウェンディ。半世紀前の聖職者にして詩人フランシスのことを調べている彼女の身辺で、死の悲劇が相次ぐ。「醜聞の主」「立派な紳士」と人物像の定まらない詩人の過去を追っているもう一人の人物とは誰か? 歴史の謎に彩られたミステリーの大聖堂!CWA賞受賞作。 相関図 【感想】 う~ん,教会,司祭,神学校,半世紀前の聖職者とキリスト教絡みの話でどうもピンと来ない。謎と言えば謎だが,昔の聖職者が光と影の部分があったとしても,そうだろうなと。弁護士を

          天使の鬱屈/アンドリュー・テイラー

          天使のゲーム/カルロス・ルイス・サフォン

          魂を売った作家を翻弄する数奇で哀しい運命。 1917年、バルセロナ。17歳のダビッドは、雑用係を務めていた新聞社から、短篇を書くチャンスを与えられた。1年後、独立したダビッドは、旧市街の“塔の館”に移り住み、執筆活動を続ける。ある日、謎の編集人から、1年間彼のために執筆するかわりに、高額の報酬と“望むもの”を与えるというオファーを受ける。 契約していた出版社が放火され、経営者が亡くなり刑事にマークされる ダビッド。さらに不可解な出来事、殺人事件が相次ぎ…。“塔の館”の過去とは

          天使のゲーム/カルロス・ルイス・サフォン

          愚か者の祈り/ヒラリー・ウォー

          コネチカット州の小さな町で、顔を砕かれた若い女性の死体が発見された。頭蓋骨をもとに復元された生前の容貌が導き出したのは、女優になる夢を抱いて故郷を出た少女が惨殺されるまでの5年間の空白だった。その間に何が? そして、彼女を殺したのは? ダナハー警部とマロイ刑事は被害者の過去を追い、ニューヨークへ……。 『失踪当時の服装は』と並ぶ警察小説の巨匠の初期傑作。 相関図 登場人物がこんなに拡がるくらいていねいに細部までしっかり書かれている。書く方も手抜きがない。最近のラノベみたい

          愚か者の祈り/ヒラリー・ウォー

          世界を売った男/陳浩基

          車の中で目覚めた刑事。つい先日起きた夫婦惨殺事件を捜査していた・・・はずが、警察署に出てみれば建物も顔ぶれも全く変わっている。そこに現れた女性記者から、事件は6年前に起きたもので、その犯人は逃走中に事故死、事件はすでに解決している、と知らされる。自分は6年間の記憶を失っている? 何故? しかし、刑事には何故か確信があった。「死んだ男は、真犯人ではない!」 事件の真相を求め、女性記者とともに香港島、九龍、新界と、かつての事件関係者を訪ね回る。次々に出くわす意外な事実、そして不可

          世界を売った男/陳浩基