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天使のゲーム/カルロス・ルイス・サフォン

魂を売った作家を翻弄する数奇で哀しい運命。
1917年、バルセロナ。17歳のダビッドは、雑用係を務めていた新聞社から、短篇を書くチャンスを与えられた。1年後、独立したダビッドは、旧市街の“塔の館”に移り住み、執筆活動を続ける。ある日、謎の編集人から、1年間彼のために執筆するかわりに、高額の報酬と“望むもの”を与えるというオファーを受ける。
契約していた出版社が放火され、経営者が亡くなり刑事にマークされる
ダビッド。さらに不可解な出来事、殺人事件が相次ぎ…。“塔の館”の過去とは?「本に宿る作家の魂」を描く珠玉の文学ミステリー。

相関図

【感想】
作家志望の主人公マルティンが,次第に売れ出すも,思い通りの本は書けず。恋人と思える人は世話になった金持ちの友人と付き合い出し,知られないように友人の作品を影で直しながら書いていき,モヤモヤを募らせる。なんだかこっちもモヤモヤが続き,退屈になったところでイベントみたいなのが起きるので,続けて読むことに。謎の編集者からの執筆依頼,曰く付きの古い館に住み,しだいに不思議な事が起こり出すという,投げ出させないのは,やはり作家が上手いからか。前作「風の影」の「センペーレと息子の書店」や「忘れられた本の墓場」もからみつつ。下巻へ。

契約に縛られていた前の出版者の経営者が火事で死に,刑事に疑われる主人公マルティン。前の持ち主の死の謎をさぐりながら,自分の周りでも次第に不穏なことが起こり出す。自分に注文を出した編集者は誰なのか?。
現実なのか夢なのかわからないようなところに読む方も引き込まれる。後半は一気に動き出し,アクションも。
天使とのゲーム,なるほど,天使とは天界から追放された堕天使ルシファー=サタンだったか??幻想小説か推理小説かと思うのは読者次第。「本には書いた人の魂が宿る」これが作者が書きたかった本題なのだから。いろいろ考えさせられる ★★★★★の本。

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