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閉じ込められた女/ラグナル・ヨナソン

本国アイスランドや英米で人気を誇る女性警部フルダ・シリーズ、ファン待望の完結編!

真冬のアイスランド高原地帯。猛吹雪が襲う人里離れた農場に、一人の男が訪ねてくる。農場主の夫妻は、あり得ない天候の下での来訪を不審に思うものの、男を招き入れる。男はレオと名乗り、ハンティング中に仲間とはぐれたと言った。
やがて男は、夫婦の隙を見て家の中を探り始めた。
真冬にハンティングに来たという男の言い分がそもそもおかしかった。夫のエイナールが男の荷物を調べると、多額の現金とナイフが見つかる。疑念と怒りを抱いたエイナールはナイフを手にレオと対峙する。
妻のエルラは恐怖にかられて母屋を飛び出し、地下室へと逃げ込んだ。しかし、そこで待っていたのは底知れぬ闇と、永遠に続くかと思われる時間だった。

その頃、レイキャヴィーク警察の女性警部フルダは、若い女性の失踪事件を追っていた。
男優位の警察社会で自分の能力を示す必要があった。
一方、娘のディンマがフルダに心を閉ざしている様子なのが気がかりだった。家族の中で、思わぬ悲劇が進んでいた。

相関図

【感想】
女性刑事フルダシリーズ三部作の最後。時系列は逆に遡っていてフルダは40才。表紙のとおり,一面雪の田舎の一軒家に道に迷った訪問者が訪れる。電話は不安定,地下室,そして停電と来るとクローズドサークル。そこで起こる心理サスペンス劇に主人公の過去の事件が挟み込まれる。登場人物は少なく,動きも少ないが,迫る心理的恐怖がよく描かれ,失踪事件につながる意外な展開も。戻って第1作を読みたくなるような。何と言っても謎の国アイスランドの絶景,対する物語の暗さが反転してリンクする。いいと思う。

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