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世界を売った男/陳浩基

車の中で目覚めた刑事。つい先日起きた夫婦惨殺事件を捜査していた・・・はずが、警察署に出てみれば建物も顔ぶれも全く変わっている。そこに現れた女性記者から、事件は6年前に起きたもので、その犯人は逃走中に事故死、事件はすでに解決している、と知らされる。自分は6年間の記憶を失っている? 何故? しかし、刑事には何故か確信があった。「死んだ男は、真犯人ではない!」
事件の真相を求め、女性記者とともに香港島、九龍、新界と、かつての事件関係者を訪ね回る。次々に出くわす意外な事実、そして不可思議な違和感。自分の記憶はなぜないのか、なぜ自分は「真相は別にある」と知っているのか。そして、自分は何者なのか。

相関図

【感想】
殺人事件を追っていた刑事が,その後6年の記憶を失い。解決済みとなった事件を再度追うことに。主人公が精神的に障害を負っていてというのは気になるが,最後にいろいろと論理立てて説明はされている。設定が変則だけに,意外などんでん返しとなっている。先の引っ掛かりを気にしなければ,本格推理といってよいのだろう。華文ミステリといっても,香港の暮らしぶりとか,警察組織の内情とかがわかるわけでもないんだな。島田荘司推理小説賞受賞。
最後の一文の意味が最初分からなくて。これが分かるとあぁ,面白いねとなるのでは。なかなかいいと思う。





【ネタバレ】
最後の一文。
女優小希は殺された奥さんの役。
で「ごくろうさん」と。
確かにこれで締まる。

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