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毎年すごい数のリクエストを頂き、カタチにするお仕事のコト

こんにちは。
ELEGANTWOODの中の人、石井です。

デザイナーからリクエストを頂きカタチしてきたコト、その時の心境やモチベーション、デザイナーの気持ち、過去のコト、達成感ややりがいなど、普段は表に出ないバックグラウンドをまとめてみました。  

noteを始めたばかりですが、こうした内容をわざわざ書き起こさないので自分も整理できた感じがしますし、また読んでくれる人にもなにかが伝わればいいなと感じました。

◎ 空間をデザインするデザイナーからのリクエストに応える
弊社は内装壁面材製造メーカーです。
一般的な考え方で「メーカーはカタログの既製品」になりますが、我々はデザイナーからリクエストを頂き、デザインをイチからご提案し、カタチにすることを軸にしております。俗に言う特注品です。

デザイナーからのリクエストは、主にProject(略PJ)のコンセプトやテーマに合わせたデザインがほしいです。

要するに、デザイナーがリクエストしていただける理由は、PJに似合うモノがメーカーのカタログの既製品にないからです。そして、ELEGANTWOOD なら作れるからだと思います。

メーカーからの規制品の押し付けではなく、デザイナーはPJに似合うモノをセレクトすべき!というのは今後もそのスタイルは変わりません。 

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◎ 過去の事例
かれこれ、10数年ほどデザイナーのリクエストをカタチにしてきたので、ものすごい数のプロジェクトに関わらせてもらいました。試作を合わせると3倍から5倍はあるでしょうか。
事例は日本人なら誰でも知っている東京駅や東京スカイツリーの展望台や数千マン円の会員権があるホテル、全国、今はアジア展開をやってる商業施設(AE○N)などさまざまあります。

ギャラリーにほんの一部ですが、これまで納品させてもらった事例を公開しております。


◎ コスト感
よく同業者や業界からは「量産(既製品)でなくなるから効率が悪い」「コストに反映されて高い」「一品ものだから特注品は高い」など思われがちですが、過去10数年やってますと、デザイナーのオリジナルのノウハウが社内に相当詰まっております。どういう流れで進めたほうが得策なのか、過去に作ったサンプル写真や事例写真見せてあれこれといった具合です。もちろん、どこを基準にものづくりを行うのかでコスト感は変わってきますが、予算あってのご検討になるので、順番を間違わずにご提案していることで最低限抑えたコストでご提案ができています。

特注品とは、平面にライン一本引けば、カタログ製品にはないので、分類的には特注品になります。しかしライン一本なので加工時間もデータのコストもほとんどかかりません。デザインや加工量すらない状態では、特注品=高いとはならないのです。

デザイナーの妥協ポイントを捜す
デザイナーからリクエストで、「デザインはこれ、でもコストに関してはわからない」では、提案しても無駄になるケースも多くあります。

弊社では提案する過程でシミュレーションなど作り込みます。その際に「デザインは完璧、だけどコストが合わない」になってはお互いの時間が無駄になってしまいます。なので、弊社では概算でも予算感を聞くようにしています。

当然デザイナーはリクエストしたデザインを叶えたいので、我々はリクエストの厚みより薄くする、コストがかからない掘り方を提案するなどコストが許す限り、ギリギリまでリクエストに合わせてた状態まで持っていきます。

例えば、「㎡10,000円でできるデザインはここまでが限界」というカタチで提案しています。コストがなければ実現したくてもできないから、お互い最大限に妥協ポイントを見つける、と言った作業が必要だと感じます。


◎ 進歩状況と苦戦感
進歩状況と苦戦感はPJやデザイナーによって、1キロ歩くのと100キロ歩くぐらいに大きく異なります。「段取り八割」とワタクシの造作大工経験から耳にタコができるぐらい言われており、次になにを、どうやるかで苦戦感、疲労感も変わってくる気がします。
苦戦感を少なくするためには、リクエストからコスト感を把握しサンプル製作、納品までの一連の流れのなかでスケジュールを組み、進歩状況を把握することだと感じます。スケジュールの見える化はこれからスタートするPJの大事な部分になってきます。
予算が合わずに使えなかった、スケジュール通りに落とし込めなく時間が過ぎ特注品を作る時間がなくなっている、など可能性がなくなる事態も少なくありません。
だからこそ、しっかりとデザイナーとの状況を共有して、見える化でモノを作ることが大事だと思います。

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初めておこなう複雑な動きの加工の時も苦戦しました。写真の右側のパネルを作った際に、山がパネル端部に合うはずのデザインが加工上で数ミリほどなかなか合わず、迫る納期の中でハラハラしたのを覚えています。製作チームはたかが数ミリと考えず、納期ギリギリまで試作し問題をクリヤーしなんとか間に合わせ納品。完成はホッとしたコトと素敵なデザインで最高な事例になりました。苦労は報われる!しかも相当なスキルアップした!と改めて感じました。

◎ 神は細部に宿る
先程の数ミリ単位の話被りますが、数ミリの単位の調整や言われなければ気づかないところ、そのこだわりがデザインとして生きることが分かってるので、ディテールが好きなんです。

◎ 達成感
既製品を提案している感じと違い、ゼロをイチにする提案は非常に達成感を感じます。そして、綺麗に納まった時は自分のアドレナリンを感じることがあるぐらいです。おそらくデザイナーも目指しているモノが完成した時は同じ気持ちではないでしょうか

デザイナーの気持ち(予想)
デザイナーではないので、プレゼンや仕事の運び方、スキルについては詳しくわかりませんが、気持ちはわかります。最後に書いてますがデザイナーも人と同じは嫌の方が多く存在していると感じます。ワタクシの性格もそうなのでよくわかります。クライアントにプレゼンしてる時も、あ!と驚くような何かとか他にないとかあなただけに、など上げればたくさんあると思いますが、クライアントを喜ばせるコトが自分の喜びに繋がっているのでは、と思っています。当然ワタクシもおなじでモノを提案して売るだけならばつまらなく、デザイナーと一緒に開発、ものづくりをすると言うのは非常にワクワクポイントが高くなっております。


そもそもリクエストしてやる価値
このPJだけのパネルのデザイン起こす
と言うのは、簡単ではありません。誰がどこまでやるのか、デザインを起こす作業、詳細のデザインの詰め、仕上げの種類と方法の選択、最終のジャッジなど決めなくてはいけないコトが山積みです。 
デザイナーによってリクエストの方法が異なります。Pinterestの画像のイメージからのリクエストやIllustratorで線描を送ってくれるリクエストなどさまざまです。
特注品=苦戦するは、ちょっと前に触れましたが、だからこそお互いにゴールを共有し合って向かっていく、想いを共有し、価値を打ち出すのではと思うのです。お互い苦戦したけど結果いいものできた!という価値に繋がると思っています。

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池袋メトロポリタンプラザ(当時)の例です。池袋の池を連想させた波紋のパネルになり、3,000ミリ角ほどの大きなモックアップを製作し、照明効果のチェックや彫り込みの形状のこだわりなどあり、納品までに1年ほど打ち合わせした記憶があります。波紋の連結をどうするか、大きさやつながりは、などこだわったから結果いいものができる、という価値観だと思います。

◎ やりがいしかない
ないものをカタチにするのは、個人的に楽しい作業でやりがいを非常に強く感じます。またそのPJだけのオリジナルになるので余計に思い入れが強いものとなります。
そもそもワタクシ、人と同じが嫌に思いがちな性格の持ち主で、そのことから新しいことを始めるのに何の苦労もないのです。ただ人がやっていなく、楽しそう、日々のモチベーション、やりたい!という気持ちが多分人一倍強いかもしれません。

長文ですが、まとめていくらかスッキリしました。書いててなるほどと思う発見あったり、頭の中を文章にする行為は、スポーツして汗かいてスッキリした、という感覚と似ているかもと感じました。

またいろんなテーマが頭の中にあるので引き続き書いてみたいと思います。

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