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歌詞を読む88 「 海中婦人 」

ある朝 彼女に出会った 海からやってきた少女
魚にまぎれ 二本足で 波の間から流れ着いた

人間の顔をして 彼女は一人口をひらく

「いつか海を越えて きっと帰れるはず
 私の家 生まれたあの国に
 いつか海を越えて きっと迎えがくる
 それまで私 この場所で生きてゆく」

涙が流れ落ちたのに 不思議だ 真珠にならない
人の言葉も話せるのに 誰一人として近づかない

人間のはずのなのに 彼女の名前は 今、人魚

「いつか海を越えて きっと戻れるはず
 私の名前 私は人間よ
 いつか海を越えて きっと誰かが来る
 それまで私 この場所で生きてゆく」

「いつか海を越えて きっと帰れるはず
 それまでには 私は強くなる
 いつか空も越えて 叫ぶの‘人間’と
 それまで私 海中婦人のまま」

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