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2012年慶應義塾大(文)自己推薦_和文英訳解答例

【はじめに】
・英訳は教員歴10年以上の著者とアメリカ人教員と協力して作りました。公式に模範解答が公表されていない以上、あくまで解答例として受験生の学習の手助けになればと思っています。
・例年の受験生のWritingと合否を考えて受験生でも書けるラインを意識しています。難しすぎる表現を使い、立派すぎる解答を見ても受験生は自分の力に落とし込むことはできません。比較的平易な表現を使って、この解答なら真似できるというレベル感で合格ラインを超える解答例を意識しています。
・一方で、慶應の文学部ならここまではかけて欲しい表現や、繰り返し出題される表現もあります。過去問演習を通じて自分の英語力向上に努めましょう。
・また一度の添削で学習者が吸収できるのも10個と踏んで、あまり多くをポイントとしてあげていません。個別で受験生の添削や質疑応答を受けている時の指導ポイントに絞りこみました。記述問題では満点をとることは難しく、模範解答と自分の解答を見比べながら、吸収できるものを一つずつ積み上げていきましょう。粘り強く取り組めば必ず力が着くのがWritingです。

2012年慶應義塾大学文学部自己推薦【課題文】
(a)僕は彼らに反論しようとしたけれども、ではこの建物のどこにどんな価値があるのかということを説得力のある言葉で彼らに説明することはできませんでした。そのときのくやしさを今でも覚えています。

Although I tried to oppose their arguments, I could not explain in a persuasive way at all what possible value the building has to them.  I still remember how frustrated I was.
※「~したけれども」とあるので、Although SVを使った。Though SVも可
※「どこにどんな価値がある」はどんな価値の強調と考えてwhat on earth valuesも可。疑問詞を使っているが疑問文ではないので、the building hasと肯定文の語順。
※explain 目的語 to 人で「人に目的語を説明する」の意味。explain以外にもconvinceやpersuadeを使うと、説明よりも強い、説得するとか、納得させるの意味になる。
※「説得力のある言葉で」in a persuasive wayとした。explainの近くに置く。直訳的にin a persuasive wordsでも可
※「今でも」はstillで強調表現
※「くやしさ」は説明できない口惜しさと考えると、もどかしさと捉えてbe frustatedとした。regretは後悔、be irritatedやbe annoyedはイライラするの意味で少しズレる。

(b)僕たちはいつだって実はもう「存在しないもの」とかかわっているわけです。人がすでに言い終わった言葉を聞き、人がまだ喋っていない言葉を聞くのが、話を聞くということなんです。

We always have a relationship with something that does not "exist" anymore. Listening is understanding what people have already said and what people have not said.
※「かかわっている」はbe connected withとbe engaged withも可。
※実は「もう存在しないもの」something that SVをつかった。somethingに対する関係代名詞はthatが好ましい。whichも可
※「実はもう」not~anymoreとした。no longer を使うもよし。
※「~」は英語の”~”に該当するので"exist"をくくった。
※「話を聞くとは~を聞くということなんです」は直訳するとListenig is listening~となってしまうので、Listening is understanding~とした。

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