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太陽の出なかったあの週のローマ

電話会社の手違いでここ10日間電話が使えない。

電話が10日間も使えないと言うことは、実はかなり不便なことなのである。「電話が使えなくてもサーフがあれば、FacetimeとかWhatsappで会話出来るじゃん」、と促されそうだが、サーフも無いのである。そもそも電話会社、銀行とかにWhatsapp等で連絡するわけにはいかない。

この国では、キオスク等から(無造作に置かれている)無料の電話番号のスタートキットを持ってきて、そのSIMカードに1000円程度課金すれば即座に使えるようにはなるので、一応キットは持ってきた。しかし、そのような無料キットでも最近は実名で登録をしなければならない。それも煩雑なことになりそうなので躊躇している。

この街にもようやく初夏が訪れ始めたようで、(明日に雪が降って不思議ではない国であるが)、ピクニックバスケットなどを持って湖畔へ歩いてゆく人々を横目で羨みながら、基本的に家の中と会社に籠っている。家と会社ではせめてWifiが使えるからだ。籠り期間は今日で8日目。運動不足も甚だしく、時々ラジオ体操などはしている。パンデミック期間に何年間も外出規制を強いられた国の人々の苦労はこの比ではないであろう。

一日に二万歩近く歩いていた一か月前の旅行が懐かしい。

私はローマの街角を歩いていた。


一般人のマンションの外壁にも壁画がある、いかにも遺跡と芸術の街


外壁が剥がれていても、貧民街のようには見えず、建物は普通に住宅およびレストランとして機能している


ローマらしい街角


我が町の旧市街に負けないほどの路地の狭さ、自転車は通過できるのであろうか。我が町の旧市街における問題は火災時の消火活動が難しいことであるが、この地区も例外ではないであろう


歴史の古い町ではよく感じることであるが、都市設計が面白い。街の構造が迷路あるいはからくりハウスのように感じられることもある


路地が狭い地区は火災の危惧もあるが、日光が入りにくいという問題もあるかもしれない


そう憂慮していた時に、射しこんで来た仄かな光


夜の帳が下りたあとの石畳に灯りが反射して幻想的であった。Centroのこの通りはまだ静かであったが、中心のレストランは非常に賑わっていた


ピンボケであるが、何故か惹かれた夜の通り


天井に張り付いているのはスパイダーマン。人様の家の中を撮ることは基本的に禁じられているはずであるが、こちらは観光客を意識しているものであるはず(と勝手に解釈をさせて頂いた)

さて、こちらは川の西側、下町っぽい魅力がある


落書きなのかアートなのか、このような外壁の建物は少なかったが、当局はどのようなスタンスなのであろうか。罵り言葉等を書いてあるわけではないと思うので私的には嫌いではない

そんな落書きのある一方、宗教的な外壁も見られた。イタリア、特にローマは想像以上にカトリック教色の強い土地であった


この日は珍しく、多少明るくなった。このあたりになるとプロヴァンス地方をも髣髴させる


この通りは、何故かロミオとジュリエットの舞台となったヴェローナを髣髴させた


夕食レストランを探している途中に差し掛かった「丘の上」、豪邸が多く見られた。イタリアという国にも貴族および社交界が存在している

ローマの街を見下ろす豪邸、果たしてどのような人達が住んでいるのか


こちらもとても不思議な区画。風水上、落ち着かない


丘の上から街に降りて行く途中の階段、例に漏れず落書きがある。建物自体は北欧にも中欧にもあるタイプのもの


円安の影響で海外旅行が難しくなっている昨今であるので、せめて写真だけでも皆様に紹介させて頂こうと思いました。トレビの泉もスペイン階段も写真を撮って来ましたが、今回は街角の写真のみを掲載させて頂きました。太陽が出なかったため、生憎、空の色がどんよりとしています。

いろいろな海外に旅行を出来て羨ましい、と言われることもありますが、私が海外旅行に行けるようになったのはつい最近のことです。重度の飛行苦手であったため、長い間、(日本以外は)陸路でアクセス出来るところしか行けませんでした。

ちなみに、私が今、一番訪れたい国は日本です。