映画『初めての女』短期集中連載 “映人仲間”

6月22日(土) ユーロスペース にて公開! 何も分かっていなかった ただ、純粋で窮…

映画『初めての女』短期集中連載 “映人仲間”

6月22日(土) ユーロスペース にて公開! 何も分かっていなかった ただ、純粋で窮屈だったあの頃を振り返る 出演:髙橋雄祐、芋生悠、三輪晴香 監督:小平哲兵 脚本:桑江良佳、羽石龍平 音楽:杉野清隆 原作:瀧井孝作『俳人仲間』(新潮社)

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“映人仲間”第十二回『音楽 杉野清隆さん 題字 道田里羽さん』

映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 題字の道田さん12回目は、音楽を作ってくれた杉野さんと題字を書いてくれた道田さんについて振り返っていきたいと思います。 道田さんとは、つい最近3ヶ月程前に題字の件で知り合ったばかりだが、僕は勝手に気が合う昔からの仲間のような親近感を抱いている。 それは、題字のイメージを伝えていく中で作品の経緯や作品に懸けた想いを話伝えている時、彼女はとても

    • “映人仲間”第十一回『瀧井孝作役 髙橋雄祐さん』

      映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 "ムカつく人"17回目は主演の髙橋くんの事を振り返っていきたいと思います。 この作品を振り返れば私は一番印象に残っている時間は、やはり原作の瀧井孝作、老年期孝作の石原さん、そして何よりも青年期孝作の髙橋くん、三人の孝作との濃密なままに今も心に残る時間たちです。 髙橋くんと今作での初めての印象は"ムカつく人"です。 オーディション時に私が質問

      • “映人仲間”第十回『原作者 瀧井孝作』

        映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 「なぜ書こうと思いたったのか?」10回目は、原作者の瀧井孝作が、なぜ晩年になってから初めての女が収録されている、俳人仲間を「書こうと思い立ったのか?」について、私の考えを書こうと思います。 「なぜ書こうと思いたったのか?」 この問いはオーディションの時にも俳優の方々に必ずお聞きしました。 それは、同じような答えに期待したワケでも、想像の上を

        • “映人仲間” 特別回 映画『初めての女』感想俳句会 ~句会編~

          映画『初めての女』の感想を「俳句で考えよう」 “慶応義塾大学俳句研究会”の皆さまのご協力のもと、公開前イベントを開催しました。 田端周辺を散策し『初めての女』についての感想を俳句で詠んでいきます。 ※慶応義塾大学俳句研究会の皆さまは、事前に映画を鑑賞しております。 俳句を書いていこう選手交代 ここからは、進行をプロデューサーの羽石さんから、 バトンタッチをして『慶應義塾大学俳句研究会』代表の清水瞳美さんが 句会の進行をしていきます。 やはり、俳句は書く上でもルールがある

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          “映人仲間”第九回『稲田役 保坂直希さん 子太役 大地泰仁さん』

          映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 時間こそ少なかったが11回目は、稲田役の保坂さんと子太役の大地さんについて振り返っていきたいと思います。 保坂さん、大地さんとは正直、余り現場で話す機会は少なかったというのが本音だ。 しかし、時間こそ少なかったが其々の登場シーンではちゃんと作品と向き合い、僕の意図も汲んで演じてくれたと思う。 だが、保坂さんは違う保坂さんとの現場にて、印象

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          “映人仲間”第八回『瀧井新三郎役 ジャン・裕一さん』

          映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 父と言っても過言ではない8回目の今回は、中田さん(ジャン・裕一さんのこと)について振り返っていきたいと思います。 私と中田さんの関係は俳優の中では、一番長く濃い、私の初作品からの付き合いだ。 企画を考えてる時も脚本の執筆中も、日常のふとした瞬間でも演技に関連する事を考えてる時に、頭に浮かぶ俳優の一人が中田裕一で、私の作品づくりの基礎の一つだ

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          “映人仲間” 番外編『ココを観て!』第三回

          映画『初めての女』の主だったスタッフ・キャストが、作品の観て欲しいポイントを紹介! 映画の観方で新たな可能性が広がるかもしれません。 脚本・羽石龍平の『ココを観て!』作品のポイントとして、ぜひ見て欲しい所は、 ズバリッ “人物造形”です! 映画『初めての女』は、そのタイトルから、玉と菊。 この、二人の女性に焦点がいきがちです。 実は“回顧録”しかし、この作品の物語は年老いた孝作が、 十代の在りし日を振り返る回顧録。 「昨日のように思い出す人がいる」 劇中、老年・孝

          “映人仲間” 番外編『ココを観て!』第三回

          “映人仲間”第七回『助監督』

          映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 80年代のラグビードラマの人7回目は、助監督の白田さんについて振り返っていこうと思います。 白田さんとは今回の作品が初めてのスタッフだった。 白田さんは僕よりも少し歳上の身体の大きい男性で、ロマンチストな熱血漢。 例えるなら、80年代のラグビードラマの人だ。 しかし、四日目の早朝……白田さんとは、撮影が始まる2ヶ月前位から、東京で脚本の

          “映人仲間” 特別回 映画『初めての女』感想俳句会 ~吟行編~

          映画『初めての女』の感想を「俳句で考えよう」 “慶応義塾大学俳句研究会”の皆さまのご協力のもと、公開前イベントを開催しました。 田端周辺を散策し『初めての女』についての感想を俳句で詠んでいきます。 ※慶応義塾大学俳句研究会の皆さまは、事前に映画を鑑賞しております。 はじめに吟行とは? 吟行とは、俳句や和歌などの詩歌を詠むために、景色のよい所や名所旧跡などに出かけることを言います。 俳句の場合は、五七五の十七音で季語を含めた俳句を作るのが一般的です。景色やその時感じたこと

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          “映人仲間”第六回『加藤菊役 三輪晴香さん』

          映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 ド根性のある役者さん9回目は、鶴昇・菊役の三輪さんについて振り返っていこうと思います。 三輪さんは「都会的な端正な顔立ちだが、性格は牧歌的で、何よりど根性のある役者さん」だ。 三輪さんとも、芋生さんや高橋くんと同じで役が決まってからの東京での稽古、そして高山での一週間の前のりでしっかりと役作りをして頂いた。 前のりでは、朝から夕方までお芝居

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          “映人仲間” 番外編『ココを観て!』第二回

          映画『初めての女』の主だったスタッフ・キャストが、作品の観て欲しいポイントを紹介! 映画の観方で新たな可能性が広がるかもしれません。 瀧井孝作役・髙橋雄祐の『ココを観て!』心と身体はつながっているので、心で感じていることは必ず身体のどこかに表れると思っています。 それは喜びの感情から歩き方が軽快になるような分かりやすいものもあれば、一瞬の瞬きや、僅かに浮き出た血管など何気なく見ていると見落としてしまうものまで様々だと思います。 どのように細かく表現をするか言葉では表すこ

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          “映人仲間”第五回『玉役 芋生悠さん』

          映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 玉役の芋生さん5回目は、玉役の芋生さんについて振り返っていこうと思います。 『初めての女』の現場では、孝作と玉、そして鶴昇の三役の方に、一週間早く現場に来てもらいました。 それから、本撮影(なるべく、順番に撮っていきました)の約20日間を過ごして貰いました(玉は前半の10日間、鶴昇は後半の10日間) 芋生さんとは、役が決まってから稽古や顔

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          “映人仲間” 番外編『ココを観て!』第一回

          映画『初めての女』の主だったスタッフが、作品の観て欲しいポイントを紹介! 映画の観方で新たな可能性が広がるかもしれません。 撮影監督・仁宮裕の「ココを観て!」芝居演出 僕は、芝居演出を観て欲しいです。 台詞のないカットでも細かな表情の変化やちょっとした動きなど、監督と俳優陣が非常に細やかに行き届いた芝居を作り上げたので、それを逃さないように撮ることを第一に考えました。 結果、全てのシーン、全てのカットに渡って非常に密度の濃い映画になったと思います。 日々のほんの少し

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          “映人仲間”第四回『プロデューサー』

          映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 プロデューサーの柳井さん四回目は、プロデューサーの柳井さんについて振り返っていこうと思います。 作品が動き始めた頃にプロデューサーを探していた。 企画・脚本チームの三人は、人を介して、新宿駅東南口近くのcafeで待ち合わせる。 14時頃—— 彼は、彼の会社の社長とやって来た。 「アカンやろうな」そこで私達は、企画・現場での拘束日数、現在

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          “映人仲間”第三回『メイクチーム』

          映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 メイクチーム三回目は、メイクチームの塚原さん、小浜田くん、小川さんについて書いていこうと思います。 メイクチームのリーダーの塚原さんとは知り合いを通して、現場前に新宿の西口付近の飲み屋で親睦会をしたのが初めだった。 最初から明るく、気さくで、笑顔の絶えない人だなーと僕は思った。 小川さん、小浜田くんも、三人が現場にいると何だか僕が進める事

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          “映人仲間”第二回『老年・瀧井孝作役』

          映画『初めての女』の原作『俳人仲間』(新潮社)になぞらえて、本作の監督・小平哲兵が撮影当時のキャスト陣とスタッフ陣を振り返ります。 石原久さん二回目も、個人の事を書こうと思います。 今回は瀧井孝作の高年期役の石原久さんです。 石原さんは若い頃は東京で俳優活動をしていたそうですが、親の事などの事情で故郷高山に帰郷し、介護の仕事をし、奥さん、娘さんと暮らしていました。 そして、休日は地元のカフェなどで一人芝居をしていたそうです。そんな頃に、地元高山で映画を作るという事で地元

          “映人仲間”第二回『老年・瀧井孝作役』