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(29)5歳頃からの積読本が「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~


 お手紙、つづきです。
 

 「家にある本で、デジタル漬けになる前に『読む』習慣を」
               ・・・というお話をしています。
 

 低学年までは動画やゲームがなくても家で楽しく過ごせます。
 「みんな見てる」「そういう時代」は少し横においといて・・・
 読む楽しみとすんなり出会える時期を大切にしたいなと思います。
 
               
・お手紙(28)はこちらからどうぞ。
(28)5歳頃から〝積読本〟と暮らすことが「本読む子」への最短ルートでした~10年前に出会ったママさんへ~|涼原永美 (note.com)
 
 
 今日は

「小6娘に〝本・ゲーム・動画〟について質問したら、真面目に答えてくれました」

                     ・・・というお話です。
 

 さて、シオリさん。
 
 突然ですが、今日は現在小学6年生の長女に、次のような質問をしてみました。
 
 「ねえ、あなたは日ごろ、本もゲームも動画視聴も楽しんでるけど、それぞれの魅力や、思うことについて教えてくれない? アンケートを作ったから、打ち込んでくれないかな」

 「いいよ」
 
  ――ということで、以下、私の質問と長女の返答です(文章は少しだけ整えています)。

 

■アンケートにご協力お願いします 
―本読む子にとってゲーム・動画とは?―

 あなたは日々、本もゲームも動画視聴も楽しんでいることと思います。
 ですが、それぞれの楽しみはあなたにとって少しずつ違うものではないでしょうか?
 そこで、率直な気持ちを教えていただけると嬉しいです。

〇質問(1)
あなたにとって「読書」とは? 

またその魅力や、読書をしていてよかったと思うことをおしえてください。

〇返答/私にとって読書とは、世界でいちばんおもしろいものです。
 魅力は、時間を忘れさせてくれること。でも、ゲームのような中毒性がそんなにないことです。時間を忘れさせてくれるのは、時には悪い面もあるかもしれませんが、それだけ本の世界に入っているということです。
 また、想像しながら読むのが楽しいし、ゲームだとすべての世界を体験する必要があるけれど、本は好きなところだけ読み返すことができるのもおもしろいです。
 もし、読書にハマる前にゲームをやっていたとしたら、「ゲームがいちばん楽しい!」や「娯楽はゲームと動画だけ」というふうになっていたかもしれないです。ゲームは誰でもおもしろいと思えるように作られているので、みんながすぐにハマってしまいます。
 また、読書の魅力はほかにも、読んでいるだけで漢字を読む能力を身につけられることです。
 それと、文章読解力がついたと思います。読解力がつくと、授業で作文を作るときにとても役立ちますし、現代のテストでは「考えを書きましょう」という問題が多いので、そのときに便利です。
 また、世の中にはたくさん本があるので、一人ひとりに合った本が選べる、お勧めできるところもおもしろいです。


〇質問(2)
読書に関して親(おとな)に理解してほしいのはどんなことですか?

〇返答/読書は、強制的に勧めてほしくないです。おとなに無理矢理読まされた本だと、途中で飽きてしまうからです。嫌な気持ちで読んでもおもしろくありません。それから、子どもが欲しい本があると言っているのに「こっちの方が勉強になるから」と他の本にしないでほしいです。できるだけ望んだ本を買ってほしいです。

〇質問(3)
おもしろい本を読み終わった時の気持ちをおしえてください。

(具体的な本のタイトルがあっても、なくてもいいです)

〇返答/私の好きな作家・住野よるさんの作品『また、同じ夢を見ていた』について書きたいと思います。
 この物語は、はじめは「タイムリープものかな」と思っていました。主人公がタイムリープをする訳ではないのですが、それっぽいことが起きていたからです。ですが、最終章を読んだ時はびっくり。想像していたのとまったく違う展開だったのです(結末は読んだ人が確かめてください)。別にびっくるする本じゃなくても、いい本を読んだり、感動して泣いたりした本があった時は、自分の感想と一緒に「読んでみて」と人に広めたくなります。

〇質問(4)
「ほぼ文章なのに、おもしろい」と感じた初めての本は覚えていますか?

〇返答/2年生の時に読んだ「謎野真実」シリーズだったと思います。
※「科学探偵 謎野真実」シリーズ・・・第1巻は「科学探偵vs.学校の七不思議」(作・佐東みどり、石川北二、木滝りま、田中智章/絵・木々/朝日出版社)

〇質問(5)
あなたにとって「ゲーム」の魅力は?

〇返答/ゲームの魅力は、ひとつのゲームでもいろんなモードがあったり、遊び方のバリエーションが豊富なところです。自分が興味のある世界を体験できるし、誰でもすぐに始められるのがいいと思います。事前にインターネットで自分の知りたいこと、攻略法やコツを調べたりしても特にネタバレにならないゲームもあるので(RPGでなければ)、いろんな楽しみ方ができるのもいいと思います。

〇質問(6)
ゲーム中、「もうやめなさい」と言われたらどんな気持ちですか?

〇返答/ちゃんと自分で時間を見てやめるので、別に言われなくても・・・と思いたいのですが、ちょっと中毒性があるので、長くやり過ぎているときは、注意してもらっていいと思います。


〇質問(7)
ゲームに関して親(おとな)に理解してほしいのはどんなことですか?

〇返答/ゲームがなんでもかんでも悪いとか、ちょっとでもやったら頭が悪くなるとか、そういうことはまったくないので、ある程度のことはやらせてほしいです。でも、あまりやり過ぎていたら言ってほしいけど、なんでもかんでもダメっていうのはやめてほしいです。ゲームに関しては、やり過ぎは体にも頭にも負担を与えるので、子どもがその時は反抗したとしても、ちゃんと注意してほしいと思います。

〇質問(8)
あなたにとって「インターネットの動画視聴」の魅力は?

〇返答/動画視聴の魅力は、見たり、聞いたりするだけで気軽に楽しめるところです。お気に入りの人(YouTuber等)が何本も動画を挙げているので、好きな人の動画を見ればいいし、好きじゃない人の投稿は見なければいいので、手軽だと思います。テレビにつなげればみんなで楽しめるところも魅力です。


〇質問(9)
動画視聴中、「もうやめなさい」と言われたらどんな気持ちですか?

〇返答/動画の途中でやめてしまうと、とても続きが気になってよけいに反抗すると思うので、自分でやめるのを待つか、動画が終わってから言ってくれたほうがありがたいです。

〇質問(10)
動画視聴に関して親(おとな)に理解してほしいのはどんなことですか?

〇返答/動画については、楽しいものも、つまらないものもあり、良いものも悪いものもあるので、悪いものだったら止めてほしいですが、特に悪くないものを見ていたなら、できるだけそっとしておいてほしいです。みんなでも楽しめるものですが、個人でも楽しめるので、自分ひとりで楽しみたい時はそっとしておいてもらえると嬉しいです。あとは、やっぱり見すぎは良くないので、見過ぎていたら注意してほしいと思います。

 
 ーーありがとうございました。

 
――――アンケートここまで――――
 
 
 アンケートはここまでです。
 面倒くさがられるかな・・・と思っていたのですが、長女はとても真剣に答えてくれました。
 
 ちなみに我が家では、長女が小学3年生の時に初めて家庭用ゲーム機と、好きなソフトを1本購入(ただし相談の結果、RPGではなく『今日はここまでね』と区切りのつけやすい内容のゲームにしました)。それから毎日30分程度遊んでいます。
 
 動画視聴に関してはかなり様子をみていたのですが、私が「これはおもしろい!」と勧めたいチャンネルがあったので、小学5年生からテレビ画面で一緒に見るようになりました。そこから、現在では決まった3つ程度のチャンネルを1日30分~40分楽しんでいます(流れで一緒に次女も見ています・・・きょうだいあるあるですね)。

 
 読書慣れしている子は、暇つぶしや気分転換に本を読むことができるので、ゲームや動画視聴を楽しむようになっても、依存傾向は低いのかな・・・と個人的には思います。

 ちなみに長女はテレビアニメも映画も漫画も大好きで、家にいて暇な時はいろいろなものを楽しんでいますが、「何もなくなったら、最後には家の本を読み返すから大丈夫」と言っています。

 ――本は娯楽の土台であり、最後の砦でもあるようです。
 

〈おまけ〉
 以下は、小2次女にも聞いてみましたバージョンです。
「私にも聞いて~」と言われたので、記録しておきます。
 
 
■あなたにとって読書の魅力は?
 いくらでも暇つぶしができるところ。読むものがたくさんあればあるほど選べて楽しいです。
  
■文章だけの本は、つまらなくないですか?
 何枚か絵があればその子達が頭の中で動いてくれるし、自分で想像すれば浮かび上がるので大丈夫です。
  
■「ほぼ文章なのに、おもしろい」と感じた初めての本は覚えていますか?
 「時間割男子」です。お姉ちゃんが読んでいたので、気になって読んだらおもしろかった。
※「時間割男子」シリーズ(作・一ノ瀬三葉/絵・榎のと/角川つばさ文庫)
  
■あなたにとってゲームの魅力は?
 実際に画面のなかにあるものを、自分の意思で動かせるのが楽しいです。
  
■あなたにとって動画視聴のおもしろさは?
 いろんな人がおもしろいことをしているのを見られるのが楽しいです。
 
 
 ーー小2次女バージョン、以上です。
 

 
 今日は、家での娯楽に関して子どもがどう感じているのか、言語化してもらう意味も兼ねて、質問してみました。
 子どもの協力に感謝です。
 


 お手紙、続きます。
 

〈「世界には本があるのよ気づいたの?」 サリバン先生の気持ち知る〉
 

 

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