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ケアについての往復書簡

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往復書簡 #6 何かを言うより聞いていたい

往復書簡 #6 何かを言うより聞いていたい

前のお便り:往復書簡 #5  「この私」という解釈、存在と生成の肯定

前回のお便りからかなり時間が空いてしまいました、お待たせしてしまい大変申し訳ないです。なにを書こうか、考え込んでしまいました(と書き出して4,000字ほど書いたものを、さらに1ヶ月以上仕舞い込んでしまいました、すみません...)。考える時間をいただきありがとうございます。

中学生が慌てて提出した卒業文集のようで恥ずかしいのです

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往復書簡 #5 「この私」という解釈、存在と生成の肯定

往復書簡 #5 「この私」という解釈、存在と生成の肯定

前のお便り:往復書簡 #4  守りの「無知」と丸腰の「証言」

「弱さについて語る」だけではなくて、「弱いものとして身をさらす」ことが求められているのだと思います。

この言葉が、ストンと胸に落ちてきました。弱さについて語ることと、「弱いものとして身をさらす」ことはきっと違うことですね。

僕はこれまでの人生でずっと正義について語ってきたけれど、「裁かれる側として身をさらす」ことはしてこなかったよう

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往復書簡 #4 守りの「無知」と丸腰の「証言」

往復書簡 #4 守りの「無知」と丸腰の「証言」

前のお便り:「自分は弱い、だから助けてほしい」という強さ

お返事ありがとうございます!

アルコール依存症のお話、そうだったのですね。たぶんその当時は、あまり密にやりとりしていなかったのか、全然心づきませんでした。いまこうして振り返って話せる出来事になっていて、よかったという思いと、すごいという思いで読みました。
自分の知らないところで苦しんでいる人は、思ったよりたくさんいるのですよね。いつも自

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往復書簡#3 「自分は弱い、だから助けてほしい」という強さ

往復書簡#3 「自分は弱い、だから助けてほしい」という強さ

 弱さとは何か、それは「自分がそうであることを認められないこと/わからないこと」と捉えることができるのかも知れない。そんなふうに宮田くんのお手紙を読みました。

つまり、自分がこういうところが弱いんだと自ら認識したり、人にそれを前提として受け入れてもらったり、そうでないにしても謝ったりすることを通して、自分がそういう人間であることについては認められている状態は、ある意味では「弱さ」ではないのかもし

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「弱さ」ってどこにあるのでしょう

「弱さ」ってどこにあるのでしょう

瑛さんへ

往復書簡のお誘い、ありがとうございます。こうやって一緒に考えられるのはとてもうれしいです。どうなっていくのか楽しみですね。

お便りをいただいてから、ぼくの弱さとはなんだろう、ということを考えていました。弱さをかくすための強がりとはなんだろう、とも。

考えてみた結果、弱さを自覚するのは難しい、ということが分かりました。もちろん、ぼくは非常に弱いです。そのことを知っているつもりです。4

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いろんなものをいろんな人から引き継いでしまいました

いろんなものをいろんな人から引き継いでしまいました

宮田くんへ。

往復書簡のお誘いに応じてくれてありがとう。長い間、ケアや他者について考えてきたのですが、なかなか1人では煮詰まっていたところに、こういう機会が得られてとても嬉しいです。話題はあっちこっちに飛んでいくと思いますが、お互い書きたいように書いていきましょう。

ケアってなんでしょうね。色々な本を読んでみましたが、どうやら話はいろんな方向に広がっているようです。看護師や介護士といった専門職

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