麦茶と夏休み
冷たい麦茶を見ると、小学生の頃の夏休みを思い出す。
うちは田舎だから、夜はカエルの鳴き声が響きわたり、日が昇るとともに、今度は蝉へとバトンタッチ。
いかにも夏らしい蝉の鳴き声が響きわたるようになる。
それと同時に気温もぐんぐん上がっていく。
当時の我が家の飲み物といったら、麦茶か水道水だった。
ただ、夏の水道水はぬるく感じるのであまり飲むことはなく、冷蔵庫で冷やされている麦茶オンリーだった。
今のように、紙パックの麦茶がまだなかったはずだから、麦茶はいつもやかんで煮出したものが冷蔵庫に入れてあった。
外遊びから帰って、ガラスのコップに麦茶を注ぎ、一杯目は一気に飲み干す。
そして二杯目を注いだら、ひと口ちびっと飲んで、あとはテーブルに置き、テレビを見ながら少しずつ飲んでいた。
時間が経つと、ガラスコップのまわりに水滴が浮かび上がり、やがて水玉が破れ流れ落ちる。
とにかく夏の冷えた麦茶はおいしかった。
遊んで帰ればすぐに冷蔵庫から麦茶を出して飲んでいた記憶しかない。
今のように、水代わりのジュースって時代ではなかったから、私の中では今でも夏の飲み物といえば麦茶。
さすがに沸かしては作らず、紙パックの麦茶に頼っているけどね。
小学生の夏=麦茶だった私。
昭和の小学生時代も悪くなかったな、と懐かしむのである。
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