雇用調整助成金の計算方法が増えたため現場が混乱している
雇用調整助成金の計算方法が、労働保険料申告書を使って計算するため年間所定労働日数のカウントがややこしいということで5月19日に助成金の計算方法が見直された。
雇用調整助成金の計算方法は3つに増えた
それにより雇用調整助成金の計算方法は3つの計算方法になった。
(1)労働保険料申告書を使う方法
(2)会社が支払った休業手当を使う方法
(3)所得税の納付書を使う方法
これを順番に説明をしていきます。
(1)労働保険料申告書を使う方法
雇用調整助成金の通常の計算方法で労働保険料申告書に書かれている雇用保険被保険者の1年間の賃金総額を1ヶ月あたりの雇用保険被保険者の平均人数を元に計算します。
年間所定労働日数については年間休日カレンダーやシフト表、就業規則を元にして計算されます。
平均賃金額の計算式
雇用保険被保険者の1年間の賃金総額÷1ヶ月の雇用保険被保険者の平均人数÷年間所定労働日数
この計算方法は助成金の申請についてなぜこの書類を使うのかとかサービス業だから年間所定労働日数なんて分からないということで計算方法が複雑すぎて分からないということで(2)と(3)の計算方法が生まれました。
(2)休業手当を使う方法
一番分かりやすい方法として会社が支払った休業手当を使う方法ができました。これは休業手当を支払ったという事実があり、金額もはっきりしています。
この休業手当に対して助成率をかけて計算するため計算方法は簡単になっています。
平均賃金額の計算方法
会社が支払った休業手当×助成率
この休業手当を使う方法ですが、雇用調整助成金のガイドブック等に小規模事業主用(概ね20人未満の会社)と書いていますが、小規模事業主も実は利用することができます。これはこの方法を使う趣旨が計算の簡素化であるためそれは小規模事業主でもそれ以外でも変わらないからです。
(3)所得税の納付書を使う方法
所得税の納付書を使う方法ですが、これも簡素化のために設けられました。これは小規模事業主でもそれ以外の事業主でも使うことができます。
この方法としては所得税の納付書に書かれている支給額と人員を用いて計算します。納付書の場合は10人未満は納付の特例を使っているので6ヶ月まとめて所得税を納めていることになるため6ヶ月分の支給額と人員になります。この場合はそれぞれを6で割るようになります。
上の納付書の場合は1ヶ月に支払った支給額が5人で100万円です。
それを月間所定日数で割ることによって平均賃金額を計算します。
平均賃金額の計算方法
(毎月納付書で所得税を納めている会社)
納付書に書かれている支給額÷人員÷月間所定日数
(納付の特例をしている会社)
(納付書に書かれている支給額÷6)÷(人員÷6)÷月間所定日数
この納付書を使うことで問題となるのが、支給額の中に役員報酬が含まれているということです。これは別に含まれても問題なく助成金の計算をしても大丈夫です。
どの計算方法が一番高くなるのか
どの計算方法を用いればいいのか過去に記事にしたことがあります。
詳しくはこちらを参照ください。
計算方法が増えたため社会保険労務士の負担が増えた
雇用調整助成金の計算方法が増えたためどの計算方法を選択すれば一番高くなるのかというシミュレーションもできるようになりました。
会社自身で助成金の申請をしている場合にはこんな計算方法が増えたとしても早く助成金をもらいたいことと計算方法が複雑ならそんな計算ができないということで簡単な方法を選択すると思います。
しかし問題が起きるのは社会保険労務士に助成金の申請の依頼をしている場合です。当然社会保険労務士というのはこの助成金の計算方法を知っています。
会社は自ら計算できないけど助成金の額は多くもらいたい
絶対にそう思うはずです。そこで社会保険労務士はどの助成金の計算方法が一番高くなるのか3つの計算方法の比較をしなければならないということが起きています。
ただでさえ雇用調整助成金の依頼でパンク状態なのに計算方法を増やしたために仕事を増やされた感じです。
ありえないことが起きてきています。
さらに困ったことにこの記事を書いている5月27日時点では上限額が8,330円のままです。上限額が15,000円に引き上げるということはほぼ決定しているため上限額がアップしたらその計算もさらにしなければならない。
社労士が過労死になってしまう案件発生!
現場はこんな感じになっています。
事件は会議室で起きているではない!
現場で起きているんだ!
社会保険労務士の管轄の厚生労働省が、社会保険労務士を混乱させてどうするんだ?
そう叫びたい・・・
世界の中心で叫びたい・・・
もうころころ変えるのは止めて欲しい・・・
現場から血が流れる前に何とかしてほしい・・・
現場から以上です。
いや、現場は異常です。
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