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十分なデータがない時、リーダーはどう意思決定すべきか

こんにちは、広瀬です。今日はサブスクライブしないと普段は読めない、ハーバード・ビジネス・レビューの記事をシェアしたいと思います。

参考までに英語版も載せておきます。

日本語版タイトルの「不確実性の高い状況」と言う表現を見た瞬間に「uncertainty」と言う単語が思い浮かび、Effectuationとのつながりを感じました。(英語版を始めに見ていたら、このつながりは感じていなかったかもしれません。ご覧の通り、英語版のタイトルにはuncertaintyと言う単語は見当たりません。本文中には出てきていましたけどね。)
Effectuationの本来の意味は以下のNoteに書いてありますが、もう一度ここで披露します。Effectuationとは、不確実性の下における意思決定方法です。最近では5つの原則が有名になり独り歩きしている感がありますが、Effectuation本質は意思決定方法にあります

it's a way of making decisions under uncertainty.

「Saras Sarasvathy教授の授業(1) Effectuationの紹介」から抜粋

と言うことで、Effectuationに興味を持っているあなたはハーバード・ビジネス・レビューの記事にも興味が湧いてきませんか?
実際に記事を読み始めてみると

不確実性の高い状況で戦略上の方向性を定めることは容易でない。
(原文:It’s hard to set a strategic direction in the midst of uncertainty.)

「十分なデータがない時、リーダーはどう意思決定すべきか」より抜粋

と、書いてあります。ますますEffectuationとのつながりを感じてきます。
しかし残念ながら、この記事の内容全体はサブスクライブしたメンバーしか読めませんので、興味を持った方向けに、以下のように要約してみました。

企業のリーダーは、将来の問題や機会に関するデータが不足している中で成長戦略を見極めるのに苦労しています。ここでは、変化の兆候を見つけ、未来を体験し、連想思考を実践することで、不確実性の中で有益な洞察を得る方法を紹介します。

1. 変化の早期警告サインを探る (Seek early warning signs of change.)
リーダーは、顧客とスタートアップの二つの場所で変化の兆候を探すべきです。顧客の行動を観察し、近似ミス(代替案を検討したが採用しなかった場合)を分析することで、将来のニーズを予測します。また、スタートアップに注目し、新しい技術やトレンドを早期に把握することが重要です。

2. 未来を今日体験する (Experience tomorrow today.)
新興技術を実際に体験することで、読むだけでは得られない深い理解が得られます。子供たちとの時間を通じて新しい技術やトレンドを学ぶことも有益です。例えば、暗号通貨やメタバースなどの技術を子供と一緒に体験することで、未来の可能性を感じ取ることができます。

3. 連想思考を実践する (Practice associative thinking.)
連想思考(注1参照)は、異なる概念を結びつけて新しいアイデアを生み出すスキルです。授業やミーティングで、特定の業界に関連するイメージやストーリーを考える活動を通じて、このスキルを鍛えることができます。このような連想は、新しい視点や可能性を見つけるのに役立ちます。

以上の三つの手法を活用することで、リーダーは不確実性の中でも創造的な戦略を立て、潜在的な脅威を機会に変えることができます。

筆者要約

注1:連想思考とは?
連想思考とは、一見関連のない2つ以上の概念やアイデアを結びつけて、新しい発想や解決策を生み出す思考法です。この方法を使うことで、通常の枠にとらわれず、斬新でクリエイティブなアイデアを得ることができます。

連想思考の実践方法
1.異なるイメージを結びつける
2.映画や音楽に関連付ける
3.自由に思考を巡らせる

なぜ連想思考が重要か
連想思考を実践することで、リーダーやイノベーターは通常の思考の枠を超え、新しいアイデアや解決策を見つけることができます。特に不確実な状況では、創造的な発想が競争優位をもたらす可能性があります。

連想思考で成功したイノベータ
スティーブ・ジョブズ (Apple)
イーロン・マスク (Tesla, SpaceX)
ジェームズ・ダイソン (Dyson)
ウォルト・ディズニー (Disney)
その他大勢のイノベータがいます。

参考図書
イノベーションのDNA(以下Amazonのサイトを参照して下さい)
(私が読んだ本は12年前の第1版でした。)

筆者注釈

この要約だけではEffectuationとのつながりを感じない方が多いと思いますが、よ~~く考えてみて下さい。

  1. 変化の早期警告サインを探る (Seek early warning signs of change.)
    これはPilot-in-the-Planeの原則に近いものがあると思います。世の中の変化をいち早く察知できれば、自分たちができる範囲でコントロールし次のステップに移る事ができるでしょう。

  2. 未来を今日体験する (Experience tomorrow today.)
    これはCrazy Quiltの原則で知り合った人たちから色々と物事を学ぶ姿勢と通じるところがあります。

  3. 連想思考を実践する (Practice associative thinking.)
    これは自分が持っているBird-in-Handをもう一度見直すきっかけを与えてくれます。人それぞれ、自分が気がついていないBird-in-Handを持っているかもしれません。または、自分のBird-in-Handを違う角度から見直してみると新たな発見があるかもしれません。

いかがでしたでしょうか?
今回のように一見Effectuationとは関係ない記事でも、意思決定という観点から考察すると、Effectuationの5つの原則に近いものがあることが分かります。このような考察も連想思考の一つであると思いますので、連想思考の考え方をお勧めします。

皆さんの独立・起業や新規事業立ち上げの参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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