日本型ジョブローテーションは本当に悪か??
日本企業にいると専門的スキルが身につかない。。
そういう懸念を抱える人も少なくない。
そのひとつの要因が、日本企業型”ジョブローテーション”。
先日、テクノロジーのnoteでは、「専門的な暗黙知」を身に着けることが必要だと述べました。
その流れに逆行するジョブローテーション。
「ジョブローテーションで仕事が変わると築いてきたキャリアやスキルが台無しになる。」
「専門性が大事な時代に、自分の意思ではなく会社の意思で部署が変わるジョブローテーションは不安。」
と、考える人もいるかもしれない。
僕も、日本企業に勤める9年目のサラリーマンで概ね仕事に満足していて、特に辞める気はない。
幸いにも良い企業に勤めていると自分では思う。
そうでない企業で働いている方には、ちょっと違和感があるかもしれない。
そんな僕は、現在3部署目で正にジョブローテーションの申し子だ。
しかし、ジョブローテーションはそんなに悪くないのでは??と、考えている自分もいる。
そこで、今回はジョブローテーションに不安がある読者の方が、少しでも前向きになれる記事を書いていきたい。
では、結論から。
経験上、掛け算式キャリアで社内の貴重人材になるジョブローテーションはキャリアアップの点では優位に働く可能性が高い。30歳以上で、今から専門職をバリバリ磨くのが難しい人にとっては、有効な手段になる。
これが現時点の僕の結論です。順を追って説明していきますね。
まず、部署異動のときに最初にぶつかる壁が、
”今までの知識やスキルが使えなくなり、0からスタートする不安”
僕も最初はこの壁にぶつかった。
■新部署の仕事は悩まず取り組むが吉
経験上確実に言えるのは、新しい部署での仕事は一旦悩まずに本気で打ち込んでみるのが吉。
半年100%以上でやりこんで本当に向いてないと感じたら、自分の適性を考え直そう。
僕の最初の異動は、まさにフロントエンドからバックエンドの異動だった。
営業⇒本部計画
営業部として最前線の現場で日々の商売実践してから、急にその商品を購入数量、販売期間、価格を決める部署に異動になった。
180度仕事の仕方が違う。
営業は毎日の実践、人間関係、そして現場。
商品計画は将来の計画、数値、そして本部。
全く似通ってない仕事で簡単に言うと最初の3-4ヶ月は鬱状態。上司に営業に戻して欲しいと相談したくらいだった。
しかし、あるきっかけで吹っ切れて本部計画の仕事を本気でやり始めたら、見える景色が変わってきた。
「この仕事めっちゃ楽しいし、
大事じゃない??」
と感じるようになっていた。
一方、僕と同時期に営業⇒商品計画にきた1名は半年後に会社を去った。
別に辞めることは問題ではない。
しかし、仕事を楽しめるか否かでは差あった、、、それはプライドを捨てて振り切ってやり込めるか否か、だと思う。
周りの同僚に何度も聞いて学んだり、自分から仕事を取りに入ったり、そういう泥臭いをことをしないといけない。
すると、周りの評価も変わり始め、信頼されるようになり、結果として楽しくなる。
つい半年前にまた新しい部署(経営サポート)に異動したが、その経験があったので、スムーズに今の仕事に移行できた。
大切なのでもう一度言います。
新しい部署での仕事は一旦悩まずに
本気で打ち込むのが吉。
まともな会社ならジョブローテーションは人材育成の一環で行われる。
その点で異動は、あなたの適性に基づいて判断されているはずであり、おそらく活躍できる可能性が高い。
悩む前にまず本気でやってみよう。
ある程度、新しい部署の仕事に慣れてきたら攻めいく。
そう、あなたは部署間同士をつなぐパイプになれる。
■共感の幅が広がる。
2部署を経験すると、どちらの部署の領域も仕事がわかる、共感できる。
というのが大きな強みになる。
僕の場合はラッキーなことに、バックエンドからフロントエンドだったので、会社の大きな仕組みが理解できた。
そして、従来はお互い理解できずにいた部署の橋渡し役になれる
そして、あなたにしか頼れない、あなたにしかできないような仕事が生まれてくる。
そこで一気に自分の価値が出せるように取り組もう。
例えば、現場が本部のエラーを指導したいのに、本部が現場のエラーを指導したいのに。
部署間によっては、すでにお互い諦め状態のケースがある。
しかし、そんなときあなたの言葉は説得力を帯びてくる。
どちらにも共感できるその言葉にきっとみんなが耳を傾けてくれるはずだ。
そして、あなたが様々な部署から信頼されるようになると、あたなの知識やスキルも必然的につみあがっていく。
ちなみにピクサーが退職率を激減できた理由は、ジョブローテーションだった。
お互いの仕事に対する理解が深まり、共感できるようになったからだ。
その点、あたなの共感力は、社内の貴重人材になることにもつながる。
■掛け算キャリアで貴重になれる。
正直、専門的職で社内No.1の座を打ち抜くのはかなり難しい。
仮に、あなたの社内No.1の営業スキルが「2」だとする、平均は「1」あなたのスキルは「1.5」だとする。
しかし、この「1.5」から「2」の「+0.5」の道は正直かなり難しい。
社内トップとなればそれは才能レベル、もしくは細胞レベル、そしてサイボーグだ。
この戦場で戦うのは寝る間も惜しんで相当仕事に励まないと難しい。
しかし、あたながもし異動によってその部署でのスキルを平均値+0.25の、1.25、もしくは1.5まで引き上げたらどうなるだろう。
1.5*1.5=2.25
そう、「2」の社内トップより掛け算で超えることができる。
おそらく、この方が社内で貴重な人材になれる。
異動して平均値よりオンすれば良い、1.5⇒2の努力よりはおそらくイージーな努力でいける。
ひとつの部署にとどまって専門性を極めるよりも、ジョブローテーションして掛け算キャリアを築いた方が、
社内的な昇格や年収のアップは早い。
これは確度が高いと思う。
ただ、そのためには異動先の部署で”まずは振り切ってやりこむ”、そこだけは忘れないで方が良い。
しかし、最後の課題が残る。
いやいや、それでは転職市場で戦えないでしょう。。
■あなたはイチローになる覚悟はあるのか??
結論でも述べたように、30歳以上で今からバリバリ専門職的なスキルを身につける覚悟がある人は良い。
もしくは、20歳代であるなら十分挑戦は可能だ。
そのまま突っ走る。
これが良い選択肢となると思う。
しかし、非常に現実的な考え方になりますが、
30歳ともなると結婚、家庭、資産の購入など、大きなライフイベントが続くのも事実。
その中で、
あなたは、イチローになる覚悟があるのか??
それを自分の胸に手を当てて聞いてみよう。
僕も何十冊も成功者の本を読んだが、得てして彼らは20歳代から積み上げている。
同じ土俵で今から殴りこんでも返り討ちに合う可能性大。
であれば、着実に今の社内で成果を出し、キャリアアップするの方が転職市場で優位に働く。
と僕は考える。
それよりも、慣れてきた仕事を早めに切り上げてnoteや副業など、新しいこにチャレンジを進めていくのが、現実的な路線だと僕は思う。
会社では堅実にキャリアを上げていき、一方でその他のスキルを積み上げておく。
それが、30代以上会社員の正攻法だと僕は思う。
自己啓発書なんかを読むと、
専門的なスキルやら、あなただけの価値やら、リスクをとれ、なんだかんだといっている。
成功者が述べている。
しかしそういった人は得てして20歳代に特殊な経験を積んでいるものだ。
そして、失敗者の声はおそらく耳に入ってくることはない。
正直、20歳代でその勝負はある程度決着がついていると、ある意味では思う。
そんな本を読みながら”専門スキルがなくて不安です”と嘆く前に、
目の前の仕事をしっかりやって、確実にキャリアをあげていく。
そして、将来のための準備をコツコツとしておく。
それが、僕ら30歳代の正攻法だと、
僕は信じる。
今日もありがとうございます。
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