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『「資質・能力」と学びのメカニズム』



『「資質・能力」と学びのメカニズム』奈須正裕(2017)東洋館出版社

先月に『資質・能力ー理論編』の紹介をしました↓

 『資質・能力ー理論編』がどちらかといえば、「資質・能力」の背後にある学習理論の解説が中心だったのに対し、
 『「資質・能力」と学びのメカニズム』はより実践的なところまで踏み込んで書かれている本です(もちろん、こちらにも基盤となる学習理論の話は出てきますが)。

 また、筆者は新学習指導要領ができるまでのプロセスも紹介されているので、政策の裏側も知れて面白いです。

 個人的に面白いなと思ったのが、コンピテンシーに対して、各教科の内容(コンテンツ)を軽視してはならない、二項対立にしてはいけないという主張です。汎用的な資質・能力を重視することは教科内容を軽視することではないという話はとても重要だと感じました。筆者は、個別具体的な内容について学ぶことを通して汎用的に機能する資質・能力を育成するという関係だと述べています。

 教材研究をする上で、方法論だけでなく、教科内容こそ深く研究すべきという話はもっと広がってよいと思います。

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