Editors talk

主に音楽誌の編集者が、アーティストと読者を繫ぐトークイベント「Editors talk…

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主に音楽誌の編集者が、アーティストと読者を繫ぐトークイベント「Editors talk」などを企画・主催します。 ここではライター/エディターの伊藤美保(もしくは似藤博斗)、イベントスタッフなどが執筆予定。 https://twitter.com/Editors_talk

最近の記事

Valentine D.C.35周年LIVEに想う、俺達の良き“音楽時代”

2024年2月10日、高田馬場CLUB PHASEでValentine D.C.の35周年記念ライブが行われた。 筆者にしてみれば、最初は「あ、Valentineがまたバレンタインデー近辺にワンマンをやる! 嬉しいな! 絶対行かなければ!」くらいの気持ちでスケジュールに書き込んでいたのだが、蓋を開けてみたら35周年記念ライブだったのである。 結成35周年。 その長さに気が遠くなりそうになる。 それでも妙な「重さ」は感じさせず、今なお青春を謳歌しているがごとく笑顔でステージに立

    • Eins:Vier Presents "KATHARSIS 2023"DAY 1 超速レポ...という名の雑記

      2023年12月22日。今年最強の寒波に見舞われたこの日、それでも今年いちアツいかもしれない心持ちで赤羽へ向かった。 "KATHARSIS"(カタルシス)と聞いただけでも昂揚してしまう、アインスフィア主催のイベント。初回がいつだったのかなどのデータはすぐに出ないものの、筆者が出会った92〜93年頃にはすでに行われていたように思う。 今日(2023/12/22)のHirofumiのMCによると 「地元(関西)のバンド仲間や知り合いを呼んでやってたんやけどジャンルとか関係なしにみ

      • “音の達人”Stray Kidsが紅白やレコ大をも席巻すると予想する理由 〜 2023年J-ROCKライターが初体験した衝撃事件

        Stray Kids(ストレイキッズ)の何が素晴らしいかというと、まず第一に“音楽”だ。楽曲は独創的でクオリティーが非常に高い。すでに全米1位を連発するようなアーティストなのだから当然といえば当然なのかもしれないが、ほかにも、思わず二度見してしまうほど流麗なビジュアルや、卓越したダンススキル、果てはメンバーの人間性など、語るべき魅力が多すぎて、ここまで世界的に支持されるその原点=音楽についてあまりフォーカスされていない気がするのだ。 ……と、音楽について冒頭から大絶賛する原

        • 9月の祈りと骨折日記

          タイトルを書いてみて、「祈る」と「折れる」は似てるなと思った。 まさに、祈りについて書きたいが気持ちも骨も折れた9月であった。 ライフワークのひとつに「編集者・東條雅人さんのことを伝え続けていくこと」というのがある。 9月9日は東條氏の誕生日で、9月28日は命日である。 なので、彼の功績や人柄について語り合うイベントを企画したり、 イベントができなくともSNSなどで何らかの発信をしてきていたのだが 没後14年となる今年、その9月3日にわたしは左腕を骨折してしまった。 橈骨

        Valentine D.C.35周年LIVEに想う、俺達の良き“音楽時代”

          人物列伝①後編 秋田和徳氏と東條雅人氏との絆、「Editors talk」出演まで

           前編に引き続き、グラフィックデザイナー秋田和徳さんに関連することを書かせていただく。秋田さんについてなら何字でも書けるし、いつか氏が作品集でも出そうものなら、いの一番に何か書かせてもらいたいと本気で思っている。 わたしが説明するまでもないことだが秋田さんは現在ではBUCK-TICKのアートディレクションや、漫画家・楠本まき氏の本の装幀などなど引きも切らない超多忙のグラフィックデザイナーである。 今回は、筆者の企画するイベント「Editors talk」(秋田さんもご出演)

          人物列伝①後編 秋田和徳氏と東條雅人氏との絆、「Editors talk」出演まで

          人物列伝① 秋田和徳氏(グラフィックデザイナー)前編 〜黒夢のオファーから1999年まで〜

           筆者と関わりのあるクリエイターなどの人物列伝、書き始めるなら第1回はこのお方と前々から決めていた。今回は、トークイベント「Editors talk」の出演者紹介も兼ねている。  秋田和徳さんと最初に出会ったのはなんと1992年。筆者は宝島社の月刊誌「BANDやろうぜ」の編集者(と言っても最初はバイトに毛が生えた程度)で、秋田さんは主に書籍部に出入りし単行本の装幀などを手掛けていたデザイナーさん。直接仕事をお願いしたのは93年の春。筆者は入社から1年足らずのころ会社のエラい

          人物列伝① 秋田和徳氏(グラフィックデザイナー)前編 〜黒夢のオファーから1999年まで〜

          【朗報】「Editors talk」第2弾オリジナルグッズ、七夕に発売!

           今回は声を大にして広報したい。「Editors talk」出演者にしてグラフィックデザイナーである秋田和徳さんが手掛けるオリジナルグッズ、7月7日の[page 2]で販売します! 前回[page 1]でも清春氏からご提供の未発表写真を使用しそのクオリティーとセンスに製作側のわたしたちもワクワク、そしてイベント会場ではぞくぞくとお買い上げいただき大人気となったオリジナルグッズ。現在、そのEditors talk第2弾のグッズを鋭意製作中です。というか、多忙すぎて目が回りそうと

          【朗報】「Editors talk」第2弾オリジナルグッズ、七夕に発売!

          死者を語るということ

           書きながら震えるタイトルだ。 自分には「なぜ生き永らえているのか」という疑問と、漠然と消すことのできない罪悪感がずっとまとわりついている。彼が急逝した2009年からずっと。 その点、清春氏は肝がすわっている。  「だってこのメンツが集まったら『東條さんを想う会』でしょ」。 それはその通りで、わたしも、秋田さんもいつも想っているし、だからこそ彼(東條雅人氏、編集者であり執筆者)の写っている写真を見つけたらうれしくなる。関連した書籍をみれば感慨にふけってしまう。  筆者は、自身

          死者を語るということ

          【イベントレポート】 清春、編集者であり「親友」だった彼への想いを熱く語る〜Editors talk [page 1] 2020年1月24日/新宿ロフトプラスワン

           2020年1月24日、新宿ロフトプラスワン。登壇した清春は終始穏やかに笑顔を交えて語り、それを満場の観客と“あの方”が見守っていた——。  え、あの清春がロフトプラスワンで?と目を疑った人もいるかもしれない。新譜の制作に専念していた彼が、年越しのカウントダウンライブ以来、公の前に姿を現したのは“サブカルの殿堂”として知られるトークライブハウスだった。  「Editors talk」と題した、雑誌の編集者やライターなどが催すイベントの[page1]。今後も2、3とページを開い

          【イベントレポート】 清春、編集者であり「親友」だった彼への想いを熱く語る〜Editors talk [page 1] 2020年1月24日/新宿ロフトプラスワン

          「おひさしぶりです」が言えるうちに。近況報告

           前回の原稿から半年ほど経ってしまった。そしてここは自分のことを書く場ではないのだが結果的に二稿続いてしまうことに。 体調を崩していたーーと書くと、あぁよくあること、となる人生だが、今回は休職をともなう不調。思えばここ1年以上ずっと「限界だ」と言いながら過ごしてきた気がする。限界だと思っているなら早く体のために一度リセットすべきだった。  今年1月、横になりながらスマホで病院の検索をしていた時、あるクリニックのトップに書いてあった言葉で、もうとっくに無理だったんだと気づく。

          「おひさしぶりです」が言えるうちに。近況報告

          筆者紹介 〜生い立ちからライターへの道、「Editors talk」主催まで①

           第2稿で中学時代の校長先生のことを書かせていただき、ここで筆者の自己紹介をしていなかったことを思い出した。noteはだいたい「はじめまして」の記事から始まるらしい。  いろいろ順序がおかしくなってしまったし執筆者の生い立ちなどどうでもいいと思うが、もしかしたらライター/エディターという職業に興味のある方もいるかもしれないので「Editors_talk」企画者の伊藤美保について自身で書かせていただく。  岩手県釜石市甲子町出身。年齢は、よく取材しているアーティストなどから推

          筆者紹介 〜生い立ちからライターへの道、「Editors talk」主催まで①

          校長先生への手紙 〜故伊藤良治先生に読んでほしかった「note」

           2021年11月17日早朝、故郷の友達から訃報が届いた。「おはよう。今朝の岩手日報に…」と、朝刊のおくやみ掲載欄を撮った写真がLINEに添付されてきた。 【伊藤良治(いとう・りょうじ)氏 15日午後4時5分、老衰のため一関市内の病院で死去】  伊藤良治さんはかつて岩手県釜石市立甲子(かっし)中学校の校長先生であり、わたしは当時の生徒だった。伊藤先生は校長だから授業を受けたことはないしそれほど頻繁に話した記憶もないが、シュッとして姿勢が良く眼鏡の奥の瞳も優しくて、わたしは何

          校長先生への手紙 〜故伊藤良治先生に読んでほしかった「note」

          清春「The Birthday」レポート〜美しい時間をありがとう〜 コロナ禍を越えた「歌」と「愛」のレスポンス

           ヴォーカリスト清春のライブ「The Birthday」を観るため恵比寿The Garden Hallへ行った。  この会場に行くのは、2020年2月9日、同じく清春のソロライブ以来。それが“コロナ前”、筆者が実際に足を運んだ“ほぼ最後のライブ”だ。あれから世界は大きく様変わりした。信じられないことに、自身約1年9カ月振りの生ライブ(=配信を家で観るのではないという意味の、生)。出発前、大いにうろたえる。何を着ていったらいいんだっけ。あ、急に動いたら腰が痛い。最近ずっと乗っ

          清春「The Birthday」レポート〜美しい時間をありがとう〜 コロナ禍を越えた「歌」と「愛」のレスポンス