見出し画像

部活動、いかに「手抜き」して部員を成長させるか?

※部活動を指導されている顧問の先生に
ぜひ読んでいただきたい内容です。

聞こえは悪いし
誤解を与える表現かもしれませんが、
僕は部活動顧問の仕事を
いかに「手抜き」して、

どういう仕組みを作れば、
生徒たちが、
「勝手に」「自主的に」
活動するようになるか?
という点に力を入れてきました(苦笑)。

専門性が高く、
その指導に、
やりがいや働きがいを見出す
先生方もたくさんいらっしゃいます。
部員と同じ時間を共有し、
部員に、自分の時間とお金を投資する働き方も
一つの選択肢でしょう。

実際、僕の息子はサッカー部に所属しており、
今朝は5:30に家を出ました。
遠征のためです。
本当に顧問の先生の熱意には頭が下がります。

が、現場にいると、
ほとんどの先生方はそうではありません。

やりたくもない
(というと語弊があるでしょうか)
専門外の部活の指導を唐突にお願いされ、
初任や経験の若いうちは、
それを断ることもできず、
「部員のために」という美名で
顧問を「務めざる得ない」状況の方が大半です。

これ、いい加減なくすべき悪習ですよね。

僕自身は高校時代、柔道部でした。

ですが、
初任校で校長面談したとき、

「枝瀬さんは、柔道やってたんだね。」
「はい!3年間やってました。」

「そうか、じゃあ、本校では陸上部の顧問をお願いします。」

へ・・??

そんなやりとりから
15年間、
現在進行形で陸上部の顧問をやっています。
専門外です。

まあ、やるとなったら
楽しまなきゃソンだ、という性格なので、

おかげさまで
たくさん泣いたり笑ったりして、
関東大会に2回出場もしましたし、
OBOGのご縁ができて、
ママチャリ耐久レースに出場したり、
僕自身、マラソンにハマりまして、
ウルトラマラソン(78km)完走するなど、
たぶん、陸上部顧問じゃなかったら
一生なかったであろう、
おもしろい体験をたくさんさせてもらいました。

そんで今年に入って、
今度は女子生徒からの猛プッシュにより
「かるた部」顧問を務めることになりまして・・・。

職員室では相当、反対されたのですが、
もともと百人一首の世界は好きだったし、
生徒たちの有形無形の
巧み(狡猾?)なお願いにより、
顧問を引き受けることにしました。

ただし、
絶対条件をもうけて。

私は、ムリしないからね。
私は一切、指導しないからね
君たち(部員たち)で、やってね。

シンプルにこの3か条が
部活動を立ち上げるにあたっての契約です。

それで部活動がスタート。

基本、僕は部活動に顔を出しません。
放課後に、やるべき業務はゴマンとありますから・・。
はじめに畳の部屋のカギと、札をわたすときと、
帰りのミーティング、
ここで数分おしゃべりする程度です。

ただ、ここで

部員のやる気と行動力に「火」をつける

やり方がありまして、
これをみなさんにシェアしたいのですが、

3〜4ヶ月の周期で、
部員にアンケートを実施、
個別面談をした後、
全体ミーティングを行い、
今後の方針を決めさせていく
のです。

僕が部活動に介入するのは、
本当にここの部分くらい。
あとは、デスクワークに飽きたときや、
試合引率のときに、
部員の様子を見る程度です。

今から、紹介するのは、

顧問は最小限に省エネして
部員のやる気や行動を最大限に高める
僕なりのやり方です。

順番に説明しますね。

①アンケート実施

部員の思いや、ニーズを把握するには、
アンケートを通して
「書かせる」のが一番有効です。

書いたものは、記録として残りますからね。
形にしておく、というところがミソです。

アンケートで質問する内容は主に3つで、
(1)あなたにとって理想の部活動はどんなものですか?
(2)あなたにとって、イヤな部活動はどんなものですか?
(3)理想の部活動にするために「望ましい行動」は?イヤな部活動になってしまう「望ましくない行動」は?

細かい文言は都度微調整をしますが、
大きくはこの3つを部員に聞いていきます。
3〜4ヶ月周期で同じ内容を聞いていくし、
過去のデータもたまっていくので、
部員たちが
部活動に望むこと、
望まないことが
おおよそ把握できます。

②個別面談

アンケートをもとに、
昼休みや放課後、
5分程度、
個別に呼び出して、
話を聞きます。

アンケートに書いた内容の確認程度です。
僕ともう一人の顧問と一緒にやります。
(複数の目で部員を理解するため)

書くのが苦手な子も多いので、
話を聞くことで、
その子の思いを吐き出させる感じですね。

③全体ミーティング

アンケート、個別面談で、
すでに一人ひとりの部員が
思いや「やりたいこと」を
顧問にアウトプットしています。

アウトプットさせると、
部員たちは自分の気持ちが
強固になるのですよね。

この仕込みがあるから、
ミーティングは大いに盛り上がります。

一人一回は必ず発言する、
というルールもあるので、
意見の強い人の発言が通る、
ということもない。

民主的に、
これからの部活動の方向が決まります。

ちなみに僕はほとんど発言しません。
その場にいて、部員の議論を聴いているだけ。

①〜③は、
慣れればそれほど負担感ありません。
やってマイナスになることは
絶対にありませんから、
軽いノリで、
まずアンケートから実施してみることを
オススメします。

これ、やってみたら
わかりますけど、
部員たちの思いを尊重しているので、
本当に自主的に動くようになります。

かるた部の部員たちは、
2学期末に「クリスマスかるた会」を開催して、
部員以外の生徒たち、
それから
近隣の中学生を集めたい!
と言い出しました。

学校の先生ならわかってくれると思いますが、
学期末は成績処理等で職員は超繁忙期。

わかった、オレは何もやれないからね。
まあ、ポスター作ってくれたらその印刷くらいはするよ。

と言って一切合切を部員に丸投げです。

でも、それでいいんですよね。
高校生にもなると、
顧問はお飾りでいいんです。
「いてくれるだけでいい」と
よく言われます(苦笑)

でも、実際、
「いるだけ」で
部員たちが積極的に
考え、動き、成長してくれる姿を見るのは、
教員としての
「道楽」
以外の何者でもありません。

部員たちは
クリスマス会の日程決め、
場所取りから
ポスター作成、
近隣中学校への声掛け、
グーグルフォームまで立ち上げ、
本番に備えていました。

結果、当日は
近隣の中学生も含めて、
15名近くの参加者が来てくれて、
かるた会は大盛りあがり!!・・だったそうです
(ちょっとしか僕、顔出せてないので。部員談です)

これ、
来年度の部員勧誘にもつながっているね、
と部員はイキイキしていました。

自分でやりたいことを考えて、
それを実行に移せて、
それがイメージ通りうまくいく、
ってこれほど楽しいことはないのですよね。

この成功体験は、
定期テスト100点より
価値があると思っています。

今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これを読んでくださったあなたの少しでもお役に立てたら嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?