見出し画像

コミュニケーションの教科書④~ストロークの性質【1】

※連載シリーズになっているので、
①~③の内容を踏まえた上で
お読みいただくとより面白いと思います。

↓ ↓ ↓

前回、説明した「ストローク」には色々な性質があります。

<ストロークは与えれば与えるほど、「減る」>

ストロークは、
アンパンマンがお腹の減った人にあげる
「パン」だと思ってください。

アンパンマンが自分のパンを与え続けると、
そのうち、顔がなくなりますね(笑)。
それと同じように、
心のコップに入っているストロークは、
人に与えれば与えるほど減ります。
もちろん、
与えた分だけ返ってくるので、
give & takeの関係が
成立すれば問題ありません。
でも、世の中そんなに甘くない。

自分では最高の笑顔で挨拶をしたつもりなのに、
相手にそっけない反応されると、
心のコップは「減ります」。

減ったときは、
遠慮なく他の人から
「ストローク」をもらいましょう。
それができないと、
だんだんだんだん、
自分が愚痴っぽくなっていくハズです。
自意識過剰になって
被害妄想が激しくなります(笑)。
いや、ホント!

アンパンマンには
ジャムおじさんがいる
(いつでもパンを補充してくれる)ように、
私たちにもストロークの供給源が必要なのです。

それが、
友達だったり、
先生だったり、
親だったりするわけだね。

<たとえマイナスでも無いよりはマシ!>

人が欲しいのは当然、プラスストロークです。
でも、
プラスがもらえないと人は
マイナスでもいいから
ストロークが欲しくなります。

うちの息子(1歳6カ月)を見ていると、
それがよくわかります。
息子は最近、テーブルの上に立つことを
覚えました。
当然、我々は
「ダメでしょ!ここに上ったら危ないんだよ!」と叱ります。
怖い顔をしてにらみつけると、
その場ではテーブルから下ります。

でね、
ここからが面白いのだけど、
夫婦同士の会話が白熱したり、
TVに集中したりして、
息子に構ってあげないと、
息子はテーブルに上るのです。
叱られることを承知の上で。
テーブルに上りさえすれば、
視線がこちらに来ることを、
息子は本能で悟っているのだと
先生は解釈しています。

これは色々なケースにあてはまります。

明らかに反抗的な態度、
万引き、盗難、タバコ、酒、暴力、
不登校、ひきこもり、拒食症、成績不良…なども
実はプラスストロークが足りず、
マイナスでもいいから、ストロークが欲しい、
というメッセージだと先生は考えています。

ストロークは「心の栄養」なので、
なくてはならないものです。
繰り返しますが、
プラスがもらえないと
人はマイナスでもいいから欲しくなります。
無いよりはマシなんです!
体に悪いと知りつつジャンクフードを食べるのと同じだね。

ちなみに
病的で暴力的な囚人を一瞬でだまらせる方法を
知っていますか?

独房に入れることです。

窓もなく、
人と人とのかかわり(ストローク)を
一切遮断すると、
それまで大暴れしていた囚人も
2,3日で大人しくなるそうです。

<プラスかマイナスかは受け取る人のとらえ方次第>
ここからがコミュニケーションの極意!
難しいところです。
自分ではプラスのストロークを与えたつもりが、
相手にはマイナスに受け取られることがあります。

普通、人間が一番うれしいコミュニケーションは
「スキンシップ」です。
抱きしめる、触れ合う、という行為は、
恋人同士あるいは母親が子供に対してする行動だよね。

スキンシップは心からの愛情表現なんです。
でも、そういうつもりで
例えば、先生がいきなり女子生徒に抱きついたら、
速攻で刑務所(笑)ですよね。
だからプラスかマイナスかは、
その人との関係性によります。

落ち込んでいる友達がいるとします。
自分では励まそうと思って、
いろいろ声をかけたのに、
相手はよりふさぎこんでしまうという
ケースはありませんか?
この場合、友達が欲しかったストロークは
「しばらく、放っておいて欲しい」ということ
だったのかもしれませんね。

相手が今、ほしいストロークは何かな?
というのを考えてやるのが、
本当の「思いやり」なんだね。
だから「思いやり」って難しいんだよ。
この点に関しては、
今でも、先生は失敗しまくりです。

<人が欲しいストロークを考える前にまず、自分が欲しいストロークは何?>

さあ、これが今回のメイン!

繰り返しますが、
何がプラスになって、
何がマイナスになるかは人によって異なります。
ただね、異なるといっても、
そんなに人間は違わない、というのが
先生の持論。

相手の気持ちを「思いやる」ことよりも、
まず最初に考えなくてはならないのは、
自分の欲しいストロークって何?ってことです。

よく言うでしょ?
自分がされたら嬉しいことを人にしなさい。
自分がやられたら嫌なことを、
人にしてはいけないよ。  
って。

だから、何よりも大切なのは
自分の欲しいストロークを認識する
ことなんです。

たとえば、
先生がみんなに求めるストロークです。

・笑顔、目を合わせる
・拍手する、笑う
・うなづく
・素直に謝ってくれる
・「へー」「ほー」と授業に反応してくれる
 ・信頼してくれる
・相談してくれる
・ミスを許してくれる
・ 気持ちを理解してくれる
成長してくれる
(今まで○○できなかった子が、できるようになった瞬間を見るのが、この職業の最大の喜び!)
・勉強がんばる
・部活がんばる
・人間関係おそれない
・チャイム着席
・清掃しっかり
・学校、休まない。
・遅刻しようが、勉強ダメダメだろうが、授業中、寝てばっかりだろうが、学校に来て教室にいるだけで、とりあえず良し!

さあ、みんなも考えてみましょう。
君たちが欲しいストロークは何かな?
そして、欲しいと思ったものから、
人にストロークを与えるように意識してみよう!

↑ ↑ ↑
最後までお読みいただきありがとうございました。
これを読んでくださったあなたの
少しでもお役に立てたら嬉しいです。

この記事が参加している募集

スキしてみて

オープン学級通信

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?