ムーミンとスナフキンの関係性に学ぶ内向型(I)と外向型(E)が楽しく暮らすコツ
先日、東京の街をぶらぶらしていたら、ムーミンショップに行きついた。
ムーミンはずるい。
子ども向けのフォルムで親しみやすさ満点なのに、ちょっと色彩がおしゃれだったり、生きるヒントが眠ってたりする。ついつい長居してしまう。
いちばんの収穫は、ムーミンとスナフキンが親友だと知ったこと。
え？うそでしょ？
どう考えても性格が正反対に見えるので驚いた。
でも、彼らの関係性を紐解くと、内向型(I)と外向型(E)が楽しく暮らすコツがわかる。
ムーミンとスナフキンの関係性
ムーミンとスナフキンは親友だ。
友だち思いのムーミントロールは分けへだてなく接しますが、親友のスナフキンには特別な尊敬の気持ちを持っています。
でも、彼らは1年中一緒にいるわけではない。スナフキンは毎年冬が来る前に旅にでる。この別れが、なかなかにウェットな描かれ方をしていておもしろい。
「それで、長いことかえってこないの？」
「いや。」と、スナフキンは答えました。
「春のいちばんはじめの日には、ここへかえってきて、またきみのまどの下で、口ぶえをふくよ。 ― 一年なんか、たちまちすぎるさ。」
「そうだね。じゃあ、ごきげんよう。」
なんだか90年代ドラマの男女の別れのようだ。もしくは、お昼13時半からのメロドラマ的な空気感。背景は、都会のバーかもしれない。
そして、ムーミン、号泣。
別れを惜しんで涙を流すムーミンと、1年をあっという間だと言い、ウキウキと笛まで吹いてムーミン谷を去っていくスナフキン。男女の恋愛のもつれを彷彿とさせる、あまりにもなすれ違いに、居心地の悪ささえ覚える。
これは子供向けの呑気な童話じゃない。
ムーミンは内向型か？外向型か？
公式サイトのキャラクター紹介文の冒頭は、これだ。
ふさのついたしっぽと、丸くて白い体が特徴のムーミン族の男の子です。好奇心旺盛で、勇気があり、優しくて素直な性格。たまに、考えすぎてしまうことがあり、さみしがりやでナイーブな一面も。冒険や挑戦をこよなく愛し、海で石や貝殻を拾い集めるのが大好きです。
紹介文だけさらっと読むと、ムーミンは内向型(I)に見える。
でも、スナフキンとの別れを泣いて惜しむ姿を見ると、それは間違いだと気がつく。彼はおそらく外向型(E)だ。
内向型（I）
＝自分の中(感覚や感情思考など)に興味が向きやすい
外向型（E）
＝自分の外(出来事や他人など)に興味が向きやすい
ムーミンは「好奇心旺盛」。でもその好奇心が自分の外に向いている。
一方、スナフキンは内向型(I)。彼の発言を見ると、思考することを楽しんで、ひとりの時間を大事にしていることがわかる。
大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ
うん、計画はあるにはあるよ。でも、ぼくがひとりっきりでやることなんだ。わかるだろ
＊＊＊
内向型(I)と外向型(E)は、生まれつきだ。その程度の差はあれど、簡単には変えられない。
これは、ハーバード大学のケーガン教授らの研究でも明らかになっている。
・生後4か月の乳児500人に新しい体験をさせた。
(録音した声を聞かせる、カラフルなモビールを見せる、
アルコールのにおいをかがせるなど)
・その反応別に3つのグループに分けた。
(高反応：20％、低反応：40％、その中間：40％)
・追跡調査をすると
高反応グループは内向型(I)、
低反応グループは外向型(E)に成長した。
もちろん中間層が40％もいるので、内向型(I)と外向型(E)を行ったり来たりする人もいるだろう。
でも、乳児の時から好反応グループだった根っからの内向型(I)の人が、外向型(E)になるのは難しいし、その逆も同じように難しい。
内向型と外向型が楽しく一緒に暮らすコツ
内向型(I)と外向型(E)が楽しく一緒に暮らしたいなら、ムーミンとスナフキンを見習うとよさそうだ。
外向型(E)のムーミンは、さみしがりながらもスナフキンをちゃんと見送るし、内向型(I)のスナフキンは、ひとりになりたがりながらも必ずムーミンの元に帰ってくる。
ムーミンがスナフキンに自分勝手な愛情をぶつけることはないし、スナフキンも約束を破ることはない。
このお互いへの想像力とそれに伴う信頼関係は、とても強固だ。
＊＊＊
わたしは、生まれながらの内向型(I)。
ムーミンキャラクター診断をやってみたら、みごとに「スナフキン」だった。
やっぱりスナフキンは、内向型(I)だと思うな。
うん、たぶん。てか、絶対。
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